結婚式にて。
華々しい音楽とともに式場の扉が開いた。
目の前に現れるのは純白の花道。
そして、参加者たちが僕らを万雷の拍手で迎えてくれる。
何を隠そう、今日は僕らの結婚式だった。
僕の隣にいるのは愛しのサーシャ。
この街一番の美少女で、絹のように美しい栗毛色の髪とガラス細工の様に透き通った翡翠の瞳。
少し幼さを残した顔が可愛くて堪らない。
それに性格もお淑やかで心優しい人格者だ。
こんな素敵な女の子に花嫁になってもらえるなんて、なんて僕は幸せ者なのだろう。
頑張って生きてきて良かった。
これからも彼女のために全力を尽くそう。
そう改めて心に誓って僕はサーシャの手を握った。
「行こうか」
花道を進もうとサーシャに促す。
「……はい」
サーシャは物憂げな表情で応える。
もしかしたら、結婚式に緊張しているのかもしれない。
少し引っ込み思案なところがあるからな。
まあ、それも可愛いのだけど。
「大丈夫、僕が一緒だから」
そうサーシャを安心させようと僕が言葉を僕が発したときだった。
突然、大きな男の声が響いた。
「その結婚待ってくださいっ!」
そして現れたのは息を切らした見知らぬ男。
「誰だ、君はっ!?」
乱入者に僕はつい怒鳴ってしまった。
僕の大切な結婚式に何て邪魔をしてくれるんだ。
しかし、僕とは対照的にサーシャはその男を見てほっとしたような表情をしていた。
「マルケル……!」
彼女が男の名前を嬉しそうに呼んだ瞬間、僕の頭がヒヤリと凍りついた気がした。




