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背徳の異世界家族計画  作者: carel
異世界人建国計画編
41/95

40.ダンジョンマスター?


 「「「「「………………。」」」」」


 俺達とダンジョンマスターらしき青年は、互いに顔を見つめ合う事となり、気まずい空気が流れる……。


 「久しぶりね……。ブラウ!」


 「はっ!誰だっ!」


 「あら?忘れちゃったの……。泣きながら、足にしがみ付いて、離さなかったのに、薄情なのね……。」


 「えっ!まさか?びっ、美食勇者かっ!」


 「まあ、容姿は随分変わってるから、分からなくてもしょうがないか……。」


 「いっ、いや!その魔力には、覚えがあるぞ……。」


 「150年ぶりなのに、よく覚えてたわね。」


 「忘れる物か!あんな屈辱、受けたのは初めてだ!」


 母さんは、このダンジョンマスターに何かしたらしい……。


 「何にもしていないでしょ、ただ半日で全階層、踏破しただけ、1クールアニメの、一気見の方が疲れるわ。」 

 

 「なっ、何なんだよお前は、恨みでもあるのか?」


 「う~ん……。今回は、あるはね……。」


 「俺が何したって言うんだ!」


 「私の義娘、殺そうとしたわね……。だけど、今回は私が手を下さない事になってるから……。と言う事で、正くん。」


 「そう言う事だ……。覚悟は出来てるよな、ダンジョンマスター。」

 

 「「消滅させる……。」」


 「なっ、なんだ……。お前らは、今回の勇者達と一緒にいた奴だろ、私は王国所属の伯爵位も持っている。ひれ伏したらどうだ……。」


 「馬鹿か、お前は……。」


 「「馬鹿だ……。」」


 「正くん、私、早くダンジョンコアが欲しいわ。」


 「そうだな、話すだけ無駄だし……。」

 

 「何を言っ……。」


 俺は、ブラウを掴むと、奴隷契約を行使した……。


 「さて、これで奴隷となった訳だが……。心配するな、聞きたい事だけ、聞いたら解放してやる……。」


 「にぃ、言い方が上手い。」


 「肉体からの解放なんて……。」


 「何だよ!結局、殺されるんじゃないか……。」


 「そうだけど、何か問題あるか?」


 「王都には、妻と子供が待っているんだ、見逃せ!それに俺が殺されたら、王国が黙っていないぞ!暗殺者ギルドとも繋がりがある、きっと死ぬまで追い続ける筈だ。そしたらそこにいる、娘二人も手に掛けるぞ……。それでもいいのか?見逃してくれれば、私が上手く言って置いてやる!それに、私は神に選ばれた使徒だ、世界の崩壊を招くかもしれん。」


 「ほう~、それは興味深い……。どうやって神の使徒に、選ばれたか教えてもらおうか?」


 「王国はすでに敵、一人残らず殲滅予定!」


 「暗殺者ギルドは、今日中制圧予定!」


 「誰に、上手く言うの?」


 「神と話せるの?」


 「どうやって世界崩壊?」


 「ダンジョンの存在意義って?」


 「「「教えてもらおうか?」」」


 そうして、ダンジョンマスターの尋問を開始する……。


 結果、この世界で200年前に、死亡したのを覚えていたが、いつの間にか、ダンジョンらしき部屋にいたらしい。


 そこで神レイシス様からのお告げで、使徒としてダンジョンマスターの役割を貰ったとの事。


 魔素の調和がダンジョンマスターの仕事で、年に数回教会で神レイシス様と面会でき、会話が可能。


 その際、司祭様もしくは聖女様の身に、神レイシス様を降ろすらしい……。


 この時点で、アウト!

 

 ダンジョンコアは、魔素を蓄積しておく装置の様な物で、魔素の溜め方は、ダンジョン内に魔力を持った生物などを留まらせたり、殺したりする事で、ダンジョンコアに蓄積される。


 ダンジョンコアを触る事で、脳内に魔獣などの、名前が浮かんで来るらしく、その溜まった魔素で、魔獣を作り出せるらしい……。

  

 ダンジョンを大きくするのも、魔素を使って、空間を広げて行くらしい。


 容姿についても、魔素を循環する事で若さを保つ事が可能で、現在300歳を超えており、度々王都を訪れ、今回の勇者召喚でも、謁見の間にいたらしい。


 そして何より驚いたのが、このダンジョンマスターは現宰相の祖父にあたり、王族の血筋だと言う事である。


 「まあ、驚いたがそれだけだしな……。」


 「後は良い……。」


 「処分して大丈夫……。」


 「私も聞きたいことは、無いわね……。」


 黒板とチョークを手渡されている親父も、黒板に『ない』と書いている。


 親父は、「ピ~ピ~」うるさいと、言われてから母さんに懇願して、黒板とチョークでの筆談に変わっていた……。


 「ちょっと、待ってくれ素直に話したんだから、助けてくれ……。」


 「なぜ……?お前、侵入者を助けるつもりで、攻撃してたのか?」


 「………………。」


 「自業自得!」


 「因果応報!」


 「そう言うわけだ……。」


 俺は、部屋の奥に埋まっている、ダンジョンコアを引き抜く……。


 ダンジョンコアの中は、淡い緑色に揺らめいた光を放っていたが、引き抜く事で、青い光に変色した。


 変色したと同時に、ダンジョンマスターとの魔力の糸が切れた事も感じ、見るとブラウの身体が徐々に、衰退して行くのが分かった。


 「嫌だ……。死にたくない……。コッ、コアを戻してくれ……。何でも……、す……、る……。」

 

 そう言うと、口をパクパクさせて、地面に転がった……。


 「あっ!これ、ホムンクルスだわ……。」


 「母さん!今、気付く……!」


 「だって、見た目分かんないじゃない……。て事は、この辺に……。」


 徐に、ナイフで体を刻むと、魔石が出て来た……。


 「これが本体ね……。多分、この体に魔素の吸収機能なかったから、魔石で代用してたんだわ……。三流のやり方、教国にいたのと同じタイプね。」 


 「そこまで分かるのか……。」

 

 「見た事あるからね……。ホムンクルス体の維持管理を、問題視していたし……、余程の技術か、大量の魔素供給のどちらかが無いと維持できないのよ。教国は、大容量の魔力タンクをメインに作っていたからね……。私の作ってるのは、チート技術の方だから、問題ないわよ。でも、ダンジョンコアと連動させるってのは、面白い発想ね……。そのおかげで、余り長時間ここから離れられない、みたいだったけど。」


 「まあ、コアを手に入れたが、そっちの本体はどうする?」


 「そうね……。フォーマットすれば使えるかしら……。」


 「何だよ、そのハードディスク的、発想は……。」


 「似たような物よ。第一これに人の人格や記憶を、そのまま入れてるのよ……。面白そうじゃない……。」


 「まあ、それでいいや……。でそっちの革は、どうする?」


 ブラウが衰退し、ミイラの様な革が、足元に転がってる。


 「そうね……。これから王城行くんでしょ……。ゴブリンの屑魔石でも、突っ込んで王城に送り付けたら?幾らか人格、残ってるかも知れないし、ぼけたお爺ちゃんみたいな、感じになるんじゃない……。しむけん的な……。」

 

 「「飯はまだかい?って。」」


 「王女の代わりに、置いてくるか……。」

 

 「綺麗なおべべ着せる。」


 「王女の部屋に、置いてく!」


 「「絶対、うける!」」


 「そうと決まったら、早速ダンジョン出るか。」 


 俺達が、踵を返そうとすると、ホムンクルスを見つめていた、母さんが呼び止める。


 「待って、この部屋、もう少し調べたいの……。」


 「どうして?」


 「だって、この部屋に生活感ないわよ。可笑しくない?」


 この部屋に、入ってダンジョンマスターとダンジョンコアしかないのだ……。


 そう思った瞬間、嫌な予感がした……。


 「そうか……、これダミーコアか……。」

  

 「正くん、それ本当?」


 「多分な……、勘でしかないが……。またここに来なきゃいけない気がしたんだ。」


 「「にぃの勘は、神がかってる。」」


 「正くん、そうなの?」


 「理由として、俺がここに用があるとしたら、素材集めか、ダンジョンコアを取りに来るかの、どっちかだ……。王国の貴族を潰すって理由も無くは無いが、理由としては弱い、ダンジョンごと破壊してしまえば済む事だしな……。」


 「そうすると、素材は作る事も可能って事で、残るのはダンジョンコアね……。」


 「そう言う事だ……。するって~と、隠し部屋とかあるのか?」 

 

 「だと思うけど、魔力感知に引っかからないし……。」


 「魔眼にも、引っかからない。」


 「心眼も同じ……。」


 〈俺も、見つけられん!〉


 親父もちゃっかり参加している……。


 「そうだな……。この部屋にあるとは思うんだが……。」


 「正くんの勘?」


 「そう、勘だ!……!?」


 おもむろに、さっきの回収した素材、水銀の入ったドラム缶を出す。 


 「母さんこれで、ゴーレム作ろうかと思うんだが……。」


 「それは良い案ね、隠し扉の隙間を探すのね。」


 「魔石はどうする、水銀に使ってた、大きいのが良いかな?」


 「必要ないわ、屑魔石でも十分だけど、奮発してミスリルクラスにしましょう。多少命令の幅が出来るわね………………。」


 「ポク、ポク、ポク、ポク。」


 「チ~ン!」


 「私……、思いついちゃったかも……。正くん任せてもらえる。」


 琴音と鈴音が、いきなり意味不明な事を言い出し、何事かと思ったが……、そう言う事らしい。


 「ああ、大錬金術師に言われたら嫌とは言わないけど……。程々に頼む……。」


 そう言うと、素材として水晶、オリハルコン鋼糸、魔石2個、そして水銀を要求された。


 まず水晶を割り、二つになった水晶が同調している事を確認し、魔石にその水晶を融合する。


 そして、オリハルコン鋼糸を編み込み、蜘蛛の様な形にし、中央に魔石を装着する。


 もう一つの魔石に、魔力を流すと、蜘蛛の様なオリハルコン鋼糸が、動き出す……。


 すっ、凄い……、ラジコンだよなこれ……。


 そのオリハルコン鋼糸を、水銀に投入する……。


 すると、水銀を纏ったラジコンゴーレムが完成した。


 さっきの、ゴーレムメルクリウスとは違い、全体に魔力が、行き渡っているのが分かる……。


 「なっ、何してるんだよ、母さん!」


 「だって、魔石だけだと、魔法陣プログラム組むのが面倒でしょ。オートマタとは、かけ離れたけど、自分の意思で動かせるように、なっているからある意味便利よ……。」

 

 「「じっ、Gビット!」」


 「月は出ているか?……じゃねえよ!また、オーバーテクノロジーになってるじゃねえか!」


 「正くん……。口調が荒くなってるわよ。」


 「誰の所為だ!誰の!」


 「この際、いいじゃない……。防衛の為よ、防衛の……ね。」


 「はぁ~。分かったよ……。さっさと、終わらせようぜ。」


 「そうね、隠し部屋を探すわ……。」


 そう言うと、液体になっているゴーレムが、部屋の中を這えずっていく……。


 パッと見、スライムなんだよな……。はぐれメタル的な……。


 「にぃ、大量経験値GET出来そう。」


 「毒針でも行ける!」


 「多分あっちの方が、猛毒だろ人生において支障が出る……。教会の、回復魔術や薬草で治らないぞ。」  

   

 「正くん!見つけたわ。隠蔽が掛けられているみたいね。」


 「早いな~。」


 「ああ、それは、こっちのコントローラーにダイレクトで魔力が流れて来るから、ちょっとした違和感も感知できるからよ……。」


 「へぇ~。そうなんだ……。流石はチート武器だな……。」


 「見つけたのは良いけど、また変な事してるかも知れないから、このまま扉開くわね……。」


 そうして、隠し扉が開かれた……。


 中には、部屋が3つ有り、台所、寝室、そしてダンジョン管理室なのだろう、映像機と言うには原始的な、魔石投影機が、幾つか置いてあり、ダンジョン内の様子が映し出されていた……。 


 そして寝室には、またもや気分が悪くなる……。


 女性達が横たわっていた……。


 「くっ、何なんだ!この国の貴族共は!」


 「にぃ、まずは手当て!」


 「にぃ、任せて!」


 「琴音、鈴音頼む……。」

 

 「正くん……。」


 「母さん!親父も、こうだったのか……?」


 「違うわ……。父さんは逆よ……。貴族だったけど、奴隷とか解放して周ってたわ……。実際は、王都からは追放されてたの……。」


 「ただのヒキニートじゃ、無かったのかよ……。」


 「そうね……、それは王都を出てからの話よ。その前は、資金に物を言わせて、奴隷を買い集め、それを解放って事を、繰り返したそうなんだけど……。追い出されて無一文、実家から魔術書の解読依頼を受けて、資金をやり繰りしたって言っていたわ……。」


 「親父の貴族嫌いが分かったよ……。」


 「「………………。」」


 「だからって……、目の前をうろちょろされると、うざいんだよ!」


 親父が黒板に、〈 俺って凄い!敬え! 〉って書いて、目の前にちらつかせる……。


 「あなた……。台無しよ……。」


 「!!!」


 親父は、母さんの一言に、ガックリと肩を落としている。


 「ありがとう、親父。そこまで考えてるとは思わないけど……、元気出たよ。」


 親父は、親指を立て合図する。


 そう俺達は、まだやるべき事が残っている……。


 「母さん、管理室調べよう……。本物のダンジョンコアを探さないと、それに領地にダンジョン作るにしろ、ある程度やり方を把握しないと。」


 「そうね……、そんなに難しそうには見えないけど、見落としがあっても困るからね。」


 「親父も、頼む……大賢者の英知を見せてくれ。」


 「ピッピ~。」


 モールス信号じゃ無いけど、これは分かる。OKの意だろう。


 そして俺達は、管理室を調べ始めた……。


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