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プロローグ
「ーーないで。」
黒い地面に顔をつけながら、酷く顔を歪めた子どもが泣いていた。
全身に力が入らず、泣いている子どもの涙も拭けない。
赤く、熱い、炎が辺りを包んでいる。
「ーーーーーいで。」
震える体を振り絞り、体に感じる熱を、捧げて顔を上げる。
地獄のような光景の中、その子どもだけが酷く異質で、歪んで、輝いて見えた。
「僕の、ーー、ーれ、ーーー。」
嗚呼、見知らぬ君。
どうして泣いているのか、わからないけど早くここから離れるべきだ。
体に流れるはずの「熱」はもう感じられない。
遠ざかる意識の淵で、小さなその存在にだけ目を向ける。
ーーーーすまない、私は君をーーーーった。
あるはずのない胸の辺りから、流れ出る己の断片を無視して音を振り絞る。
「私は、君を、ーーーーー。」
ーー嗚呼、良かった。
ーーーー君の笑顔が見れて。




