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襲来ー2

……霧?

突然現れた霧に、校舎が丸ごと包まれた。

「羽月? ファル⁉」

さっきまで隣にいたはずのファルが見当たらない。

羽月も帰ってこなくなった。


「二人ともどこへ行ったんだ?」


すると、霧がまるで意志を持つようにグネグネと動き出した。

体にまとわりついてくるのが分かる。


「なんだこれ⁉」

霧なのに実体があるようだ。首が締められているのが分かる。

慌てて息を吸い込もうとするが、呼吸ができない。

「魔法か……。」確か霧魔法はかなり珍しいとファルが言っていた。


えっと……こういう時はどの魔法を使うのが一番いいんだ?


確か……霧魔法には炎を出しても消えちゃうから……

取り敢えず、風のようなものをあたりに出して霧を吹き飛ばしてみた。


その瞬間、辺りの霧が晴れて周りの景色が見えるようになった。


「ビンゴ!」風魔法で正解だったようだ。


辺りを見回すと、さっきまでファルが座っていたはずの椅子に、ファルがいなくなっていることに気が付く。

「ファル? どこ行ったんだ?」


俺はファルを探しに駆けだした。

すると、何かに当たって躓いた。

「痛っ⁉」

何かに躓いて思いっきり頭をぶつけた。


「大丈夫?」

どこかから声が聞こえてきた。


「ん? ああ。大丈夫。」


それで俺は気づいた。声がしたから聞こえてきたことに。

下を見ると、黒いフードみたいな人が寝そべっていることが分かった。

なるほど。さっき躓いたのは人間だったのか。


「あっ!わりい。踏んじまって。怪我ないか?」

俺は慌てて謝る。


「うん。大丈夫」

彼は俺と目を合わせようとしない。

「もしかして、怒ってるのか?」


「……なんで?」


「さっきから顔を合わせようとしないだろ?」


「別に。顔を合わせるのが面倒なだけ。気にしないで」


「そうか。……ところで、なんでそんなところに寝そべってるんだ?」


「めんどくさいから。」


「……何が?」


「立つのが。歩くのが。」


「……なるほど」



って、今普通に会話していたけど、怪しいだろ。こいつ。この学校にこんな奴いた覚えないぞ。

まさか敵か⁉ そう思い、何歩か距離を置く。


すると、彼の方から変な音が聞こえてきた。

俺は耳を澄ませてその音を聞く。


「ぐう~。すぅ~。」


……なぜか、いびきのように聞こえるのだが……

俺は試しに、彼の顔を覗き込んでみる。


「おい、瞼つぶってるぞ? ほんとに寝てるのか?」

俺は試しに頬をつねってみる。

……反応はない。


「うそだろ……」

どういう神経してるんだ?

今、戦いの最中だぞ。

さっきからあちらこちらから悲鳴とか建物が崩れる音が聞こえてくるんだが……

ふつう逃げるだろ。

仮に、敵だったとしても敵地のど真ん中で普通寝るか⁉

おかしいだろ。


「おい、起きろ」

俺は彼の頬をひっぱたく。


「眠い。寝かせて」


はぁ⁉


すると突然、建物が崩れる音が聞こえてきた。


「うわっ!? 今度はなんだ?」


俺は音のした方を見る。すると、校舎が音を立てて崩れ落ちる音が聞こえた。

「あれ、羽月か?」

よく見ると、羽月が敵と戦っているのが見える。

かなり大規模な勝負になっているようだ。炎や雷やらが飛び交っているのが見えた。

「うわ~! かっけぇ!!」

俺は戦いの最中だということを忘れてその戦いに見入っていた。


だが、ゆっくりと戦いを観戦することはできなかった。

校舎の中から何十人もの人が雪崩のように押し寄せてきたからだ。


「うわぁ!!! 助けてくれ!」

「だ、誰か……」


彼らは死に物狂いで走ってくる。

(いや、その人数急に押し寄せてくるな!)

校舎が急に崩れたのだから無理はないだろうけれど、急に大人数で走ってくると怖い。

俺は慌てて離れようとする。

「お、おい、お前もすぐにここを離れろ!」

俺はさっきから寝ているあいつに声をかけた。


「って、聞いちゃいないんだよなぁ~」

俺は慌てて揺さぶるが彼は全く動かない。


「これ、俺が運ばなきゃいけないやつか⁉」


だが、いろんな魔法の斬撃が飛んできているこの場所で、このまま放置していたら重傷を負うどころではないだろう。


「し、仕方がないか……」


俺は仕方がなく(自分で歩け!!)と言いたくなるのを我慢して彼をを背負って走り出した。




ーー


一方その頃、



「久しぶりだな、ファル」


その声を聞いて、僕は体中が金縛りにあったように動かなくなった。


「返事ぐらいしろよ。つまらねぇなぁ」



僕の一つ上の兄、リース・シャングア・ディア・サンドロアが僕を見ていた。

昔と全く変わらない、軽蔑するような顔で。

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