#砂時計の砂が落ちきる前に(61)
〜あらすじ〜
空は澄んだ色をし太陽が砂時計とカラビナウォッチを照らし出す。時が経っても変わらぬ時計。
彼女の人生は砂時計から始まることになる。砂時計とカラビナウォッチ…
2つそれぞれの時計の意味は何か…
彼女の幼年期から青年期を経て、成長し恋をしていく。
夕食の準備を手伝う美月は玉ねぎを薄く切る。
伯母が話しかけた。
『みっちゃん、今日は光くん居ないからそんなに切らなくてもいいんじゃない?』
手が止まる美月。
"あっ…そうだった…今日夜勤だった。"
シーンと静まりかえる茶の間で伯父、伯母、美月の三人で夕食をする。
三人では多過ぎるのではないかと思うほどの玉ねぎサラダ。
ーー光は、玉ねぎとオクラを混ぜ合わせ鰹節をのせシンプルに醤油をかけて食べるサラダが好物。
最初に口を開いたのは伯父だった。
『光くんが居ないと静かだな。』
伯母は答える。
『そうね。』
いつもは、光と美月が兄妹かのように喋り賑やかだったからだ。
『ご馳走様でした。伯母さん美味しかった。』
いつもの食欲ではない美月に気付く伯父と伯母。
入浴を済ませ部屋へ行く。
静まりかえった部屋。ガムテープの境界線を見つめる。
"初めての夜勤じゃないのに…なんでこんなにさみしいのかなぁ…"
ベッドに座り壁にもたれ掛かる美月。
時計の秒針音だけが聞こえる。
早目に横になるが、なかなか眠れない。
胸を押さえる。
"えっ…!何これ…!なんでこんなに苦しくなるの…?なんでこんなにさみしく感じるの…?私…自分の気持ちに気付いてたんじゃないの…?"
ベッドから起き上がり、深く深呼吸を繰り返し落ち着いた美月は動き出した。
つづく。




