第98話:襲来
どもどもべべでございます!
さぁご投稿! どうぞ、お楽しみあれー!
「ふふふ、ここも久しぶりな感じですねぇ」
私は、広い森にたたずむ門の前にいました。
ここはサイシャリィ。エルフの皆さんが住んでいらっしゃる素敵な国です。
ふふふ、以前ここに来た時、ちゃんとここに繋がるルートは確立しておりましたとも。
茶渋さん復活のための切り札は、ここに来なければ得られませんからね~。
「おや、トーテムさん」
サイシャリィの門の前には、前に案内エルフさんに教えてもらったトーテムさんが設置されています。
このトーテムさんは、危険な存在が接近したら警報を発するのですよね。
ふふふ、お勤め御苦労様ですよ、トーテムさん!
《ウウウウゥゥゥゥゥゥ!! ウウウウウウゥゥゥゥゥ!!》
「ふえ!?」
え、え、ええええ! なんでぇぇぇ!?
なんで私が触ろうとした瞬間にサイレンが鳴るんですか!?
うわキモイ! 目玉飛び出して唇尖らせるトーテムさんキモイ!
「う、うわぁぁぁ!」
「この警報は……」
「管理者だ! 森の管理者が来たぞぉぉぉ!」
「第一級接待対応準備! 絶対に親切心を煽るんじゃないぞ!」
門の向こうから、悲鳴が聞こえてきました。
え、なにこれ私に反応してるんです?
てえいうか、私エルフにそういう反応されるカテゴリなんですか!?
「なんか、めげそうです……」
「……し、失礼しま~す……」
「おや?」
門の向こうから、1人のエルフさんが出てきました。
最初にサイシャリィに来た時、道を案内してくれたエルフさんですね。
……持たざる者の劣等感を煽る、巨大な双房のエルフですね……。
「エルフさん、お久しぶりです~」
「あ、あはは……どうも」
「「…………」」
「……聞こえてました?」
「それはもう」
「あああ……! ごめんなさい、ごめんなさい! その、管理者さんが作ったキノコとか、世界樹様の暴走とかで、かなり警戒されたみたいで……!」
あふん、やっぱりそうだったんですね。
う~ん、エルフの皆さんに怖い思いをさせてしまっていましたか。反省です……。
これからは、エルフの皆さんに歩み寄った立ち位置にならないといけませんね。
「ところで、何の御用で? 女王様はまだ、ピットで会合をしてらっしゃると思いますが」
「あ、いえいえ。きょうはねーちゃ……女王様じゃなくて、他の方に用があるんですよ~」
「他の、ですか。森の管理者さんは自由に入れても良いとの事ですので、そこは問題ないと思います。ただ、監視役を1人つけさせていただく事になりますが……」
ふむふむ、まぁそうでしょうねぇ。
良いですよ良いですよ。それだけでまたエルフの皆さんと交流出来るのであれば、いくらでも付けちゃってください。
というわけで、私はたわわなエルフさんをお付きになるよう手続きし、サイシャリィに入国と相成りました。
「来たのか、森の管理者」
「門番さん、こんにちは~」
「何の用だ? 女王様ならいないぞ」
「存じておりますよ~。今日は別のお方に用事があるのです」
「……まぁ、なんだ。あまり余計な事はするなよ」
うぇへへ、大丈夫ですって~。
私はいままで大丈夫だったことしかしませんから。
「……恐ろしい気配がするが……」
「ま、まぁまぁ、私が付いてますので」
「何かあったら、必ず止めろよ?」
「は、はい!」
うんうん、頑張ってくださいね。
さて、では茶渋さんのために、美味しいお茶を取りに行きましょうか~。
「本当に頼んだぞ!」
大丈夫だと思うんですけどねぇ。
今回は、お城に用があるのでそちらに向かっています。
その道中、横を見てみますと……。
「あの四角い、大きな塊、なんですか?」
「あぁ、あれ。キノコですよ」
「あぁ、あれがぁ……」
大量繁殖しすぎて、結界に閉じ込めたというキノコ達ですか。その説は、大変なご迷惑をおかけいたしました……。
なんか、よく見るとぽつぽつ動いてますし。あれ結界の中でまだ繁殖してるんですねぇ。
ゴンさん洞窟のキノコも、きっとあんな感じなんでしょうねぇ。キモイですねぇ。
「ところで、管理者さん。お城で何をするんですか?」
「あぁ、少しお茶をもらいたくてですね~」
「お茶ですか。相変わらずですね」
「んふふ、そうですよ~。私は相変わらずなのです」
お茶の為なら、たとえ日の中水の中。それが私ですからね。
さて、サイシャリィのお城……世界樹様のおひざ元まで来ましたとも。ではでは、お茶を頂きましょうかね~。
「……ちなみに、お茶って、何のお茶ですか?」
「ん~? それはですね~」
世界樹に触れて、魔力を通します。
うん……相変わらず、凄い生命力。
「……管理者さん? まさか……」
では、いただきましょう。
世界樹さん~? 一枚葉っぱ、くださいな~!
「い、いやぁぁぁ! やめてぇぇぇ!?」