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‐ちょろいんと非ちょろいんの、厳然たる差を垣間見

 

  

 本当に不幸な存在が溢れている。

 絶望しているのだ。

 そいつら一人一人が、世界を傾けているのだ。


「マスター? なに黄昏ているんですか?」


「そういえば、お前はなぜ俺をマスター呼ぶ?」


「一目見たときから、マスターが理想のマスターだと感じたからです」


 ふむ見込みがあるじゃないか。

 俺は俺が理想の兄ちゃんである為に、多少なりとも頑張ってきた自負があるからな。


「ふはは、ならばしょうがない、俺をマスターと呼ぶ正式な資格をお前、レンリにやろう!」


「わーい!ですぅ!」


「そりゃ喜ばしいだろう」


 視線を感じて、向こうにある木を見る、木陰に紫の髪の毛と冷たい目がはみ出していた。

 こちらが気づいた事に気づいたんだろうよ、何食わぬ顔で出てきて、俺達の前に立つ。


「あんた達、なにやってんの? それって何かのジョーク? 新しい芸?」


「なに言ってんだ、お前だって同類だろう?」


「パプルもマスターって! 一緒に呼んでみませんか? 気持ち良いですよ!」


 そいつははぁーくだらないというように、盛大に嘆息して草臥れたような荒んだ目を向けてくる。


「はっは、この、寂しい癖に強がるな」


「そうですよぉ! もっとハートフルに心を開きましょう!」


「あんた達はダメダメ!」


 なんか凄い剣幕で怒鳴られた。


「あんた達を見ていると反吐が出るわ!

 なにが家族よ! ごっこじゃないの!

 もっと何かこう! 画期的なことをして!私を驚かして度肝抜くくらいなことしなさいよぉ!」

 

 そうかそうか、そういう切り口も、ありだわな。


「しょうがない」


「あわわぁ、あんた! なにしようとぉ!」


「いや、手始めにキスだが?」


「その次はなにがあるのよ!」


「そりゃ口に出来ないようなこと、エロ漫画やエロゲーみたいにしてやろうと」


「はあ? 意味わかんない、とりあえずあんたは死ねばいい!」


「わるいわるい、ちょっと悪い冗談が過ぎただけだ、本番はここからだから」


 その後もあれこれしたが、多分満足させることはなかった。


「わたしは不満足よ」


「そうかい」


「レンリみたいに、お花畑な子じゃないんだから」


「わーたよ」


「あんた、、、ちゃんと責任とってよぉ」


「家族って話か?」


「うん、そう、、、家族にされて、わたしは、期待しちゃってるから、、その」


 あーしょうがない、こんな可愛い子には期待に答えたくなるのが性だ。


「ほら、抱きしめてやってる、こういう趣向は効くか?」


「全然、こういうのじゃ、全然駄目、もっと内実の伴ったことじゃないと、正直、全然満足から遠い」


 俺をはねつけて、パプルは部屋から駆け出して、どこかへとも行ってしまう。

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