神の娘‐エーデルワイスの花々が咲き乱れる理想世界にて
サンクチュアリゼロ。
どこよりも秩序的に、秩序の信仰、秩序の力が集まる、収束集約地点にて。
その存在自体が、象徴。
この世に、秩序という、”絶対に信じる”に足る、概念。
それは愛情や、それとも希望とでも呼ぼうか?
否、一切の偽り無く呼ぶとしたら、呼ぶべきは、彼女の名前、それ自体だろう。
つまり、真なる秩序が存在すると、その身を持って全世界に知らしめ、体現する存在。
それが彼女、リリー=マリア=アメリアシルバー。
別名、純白の聖女。
秩序という、全世界を七等分する大国、その絶対的な盟主である。
「私は、どこで生まれて、どこに行くのでしょうか?」
純白のステンドグラスが眩しい、そこは講堂。
彼女は、その力を全世界に発しながら、呟くように言の葉を散らす。
「その答えは分かりません、永遠に、分からないのかもしれません」
発する力は、秩序、全世界を遍く浄化し、幸福という運命を導く為の楔。
「でも、私は、分からなくても、想像を片時も一時も、やめない、やめられないでしょう」
彼女の力は、世界を掛け値なしに傾ける、傾け続ける。
それだけの力を有する、それは想いと意思であり、純粋に高まり続ける、情動なのだ。
「なぜなら、その答えの地に、在るものが、
私が、どこまでも夢に見る、果てなく、より良いモノである事を願うから。
私が願うのを放棄すれば、夢は、どこまでも、奈落を突き抜けて、堕ちてしまう。
そのことを、私は真に、心に、知っているから、
私は止められないのです、この世に、秩序という、明確な、明瞭な、概念があり、
この世に、幸福という概念で埋め尽くされた、理想の世界が発生するという、その事を」
事実は、小説よりも、何よりも、奇妙。
彼女という存在自体が、この世の何よりも、それはそれは美しい。
それは本当に、唯一無二の絶対奇跡のように、無上に尊く。
しかし、それは見方を変えれば、酷く歪に、無上にアリエナイ。
彼女は、つまり、この世あらざる筈の、絶対の特異。
なのだが、絶対不変の現実、事実として、どれだけ在りえなくても、
それでも、彼女は、いま、此処に、其処、現実に、そこに居る、在るのだ。
彼女は存在自体が、フィクション的で、
想像すれば、それだけで妄想と断定されてしまうような、空想上の、机上の存在。
「貴方には、わたしの存在が、知覚できますか?
知覚できるのなら、少しでも多く、最低ラインをどれだけ割ってもいい、
僅かでもいいのです、
願ってください、わたしが願うように、貴方が願ってくれれば、
それだけで私の願いは、本当に、僅かたりとも叶い、満たされ、現実に現われるのです」
彼女は跪いて、誰かも分からない、天空の光にコウベを垂れる。
「傲岸で不遜と罵られても、しょうがないかもしれませんが、
今もって、私の思想と一つになりましょう。
それが絶対真理にして最終回答として、私が全てに提起、提出する、嘘偽りがない望みなのです。
こんなにも幸福で満たされ、十二分に恵まれた私は、正真正銘、このような答えしか、持ち合わせていないのです。
率直に言って、現在も溢れるほどに、私自身が直面し、実感する、この、
全てを飲み込む、尊き幸福の衝動に、皆さんも包まれてください、
私は、ただただ知ってほしいのです、幸福だから、他にも幸福を知って欲しい、それだけの事なのです。
共感して、シンパシーして、シンクロして、一緒になって、幸福を分かち合いたいのです。
皆さん、嬉々として巻き込まれて下さい、お願いします。
この世界で、尊い貴方と、尊い世界が、少しでも一つに、
幸福という名の、理想的な秩序という形に、成れるように。
私は、私が在る限り、永遠に、この尊い世界の何もかもが、
そのように一つに合わさるように、尽力すると誓約、約束します。
全知全能の、神にすら、心の底から宣言しましょう
それは本当に、真に素晴らしい何か、だから」
「此処に、おいて、
私は私が生まれてきた理由を、これから生きる理由を、核心的に確信した、
己の意志と思える、絶対的な何か、それに満ち溢れた答えを、改めて出します」
「幸福に満ち溢れた、彼女は、嘘偽りなく、この現実世界で存在する。
この事実の前では、すべての価値観、世界の全ては、
究極的には、この事実を元に、七分割される、されている。
そう、私の望みは、世界全ての、七分の一で、絶対的に価値があり、意味があるのです。
そして、相対的には、私自身にとっては、世界全てと等価、いえ、それ以上に、価値と意味がある、あって欲しいモノなのです。
だから、世界の全て、そこまでは、あえて今は言いません、この意味を分かってください。
世界なんて、どうでも良いのです、貴方だけが、今は、特別に愛しい、一番に大事なのですから。
私は、嘘偽りなく、貴方の幸福を望みます、渇望します。
さあ、宣言しますよ。
他ならない、尊き貴方にだけは、私に、絶対的に一緒にあってほしいと、切に願うのです」
このようにして、エーデルワイスで囲まれた聖地から、波動が広がる。
これは紛れも無く、世界を揺るがせ、振動させる、世界を満たす熱量。
今日も、大輪に咲き誇る白百合のような美貌の乙女が、祈っている。
永遠に、世界が始まった瞬間から、不変の事象、事実として、在る、在り続ける平常。
彼女は一心に、世界を変革させる力を、流動させているのだ。




