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素晴らしい世界日々‐ナルディアと話す、無意味に不毛に発想とか

  

  

 わたしは、何も信じていません。

 ただ、全てを疑い、疑問に思い、調べたいだけ調べているだけです。

 この世界のあらゆる未来も希望も、およそ疑い、あるかどうか見定めたい、今はそれだけ。

 でも、この先、一生掛けても、それらの疑問が解決するとは、絶対に思えません。

 わたしは恐らく、 

 それらに対する、無上の疑問、好奇心に突き動かされるだけの、そんな存在として生き、一生を終える確信があります。

 この世界は、見定めるには、無上に深すぎるからです。

 だから、みんながみんな、なんやかんやで、生き続けているのでしょう。

 死ぬには、もったいない、それが人生の、世界の最終的な結論に、一定で帰着するからです。

 そう感じさせるだけの、確かなる価値や意味、

 純粋に可能性が、この世界には、それを感じ取れる人類には、あるという事を、この場合、喜ぶべきでしょうか?

 全人類の、ほぼ全てが、自殺できる環境に居ながら、自殺していない、という素晴らしい事実を誇るべきでしょう。

 もちろん、自殺している人はいますが、

 それはそれで、人生の生き方の一つとして数えられなくも、ありません。

 とにかく、この世界が、無上なほど、素晴らしいのは確定的です。

 それを、いま、確信に満ち溢れて自覚し、最大限、絶対に体感するべきでしょう。

 そうじゃないと、酷く、もったいない、ですから。

 

 さて、世界は、無上に素晴らしいのです、

 これは確定している事実です、

 ちゃんと自覚してください、今すぐに、この瞬間に、最大限と言わず無限大に。

 知覚できる事だけが、真実なわけが、ありえません。

 真実として、世界は果てなく無上に素晴らしい。

 根拠は単純明快、ほとんどの人間が、プレイヤーが、自らリセットしない、

 およそ100年くらい、ずっとプレイし続けられる、超絶神ゲーですからね。


 もちろん、世界の真実を知るには、十二分な知識が必要なのは、言うまでもありません。

 人間は、知っていることしか、知ることはできません。

 世界が無上に素晴らしい、という事実を知っているだけでは、途方も無く不足なのです。

 だけど、無知の知という言葉があるように、

 世界が無上に素晴らしい、という真実、という事実を、確信の領域で信じていれば、

 多少の不足分は補えるのです。

 常にその確信に満ち溢れているのが、真に正しい姿だと、自覚的になってください。

 そうすれば、多少なりとも、世界の真実に近づける、近づいた存在に至れるのですから。  」


「お前は、世界の真実を、知っているのか?」


 俺は問うた。

 ナルディアに。

 

「もちろんですよ。

 わたしを、誰だと思っているんですか?

 絶対存在ですよ?」


 長々と好き勝手、演説していた。

 俺はいつも疑問に思っていることがある。


「お前って、本当に超越者なのか?」


 こういう疑問だ。


「当然ですよ、だから、絶対存在ですてば。

 なんとなく、感じるでしょう? 感じませんか? オーラみたいなの」


 感じねえな。

   

「だったら、アルド将軍の、能力不足なんですよ。

 超越者を感じるためには、同じ超越者になる必要が、もしかしたら、あるのかもしれません」


 こいつに見下されるのは、ムカつくな、まあ誰に見下されても同じ様なもんだが。


「絶対者って言ったが。

 所詮は世界の七つの方向性って、意味分からん奴で、

 所詮は世界の七分の一って事だろ? だったら絶対じゃねーんじゃん、

 って、前から思ってたが、そこらへん、実際問題、どうなんだよ?」


「絶対は絶対なんですよ、絶対の基準で視てください。

 でも、確かに、アルド将軍の言にも、一理あります。

 世界全体的に視れば、わたしは七分の一絶対者、と、言えるかもしれません」


 ほお、だったら、所詮は、絶対じゃねーじゃんか、欠けてるんだから、人間と一緒だ。


「そこは、勘違いしないで欲しいのですけれど。

 わたしは世界の七つの方向性の、一、です。

 世界は、絶対ですよね?

 枝分かれしても、世界は世界です。

 わたしの中には、混沌に染まった世界があって、

 無限に、その世界を再現できます。

 これは端的にいって、絶対の力です。

 で、わたしは、世界の七分の一を占める、そのリソースの、そのもの。

 だから、わたしが世界七分の一でも、絶対者である事に、変わりなく、他ならないのです」


 あーもういいよ。


「御理解いただければ重畳です」


 お前の望みを教えろよ。


「今日は、なんか唐突ですね、そういう日なんですか? まあいいですけど」


 お前ほどじゃないだろ、とにかく答えろ、教えろ、知りたいんだ、俺はな、凄くな。


「うっふっふっふっふ、わたしに興味を持ってくれているんですねぇ、嬉しいな」


 はよしろ、質問を撤回するぞ。


「はいはい。

 そうですね、この世界を、全体的に混沌にすることでしょうかね」


 どうしてだ?


「当然ですよ、わたしは混沌を愛しているんですから」


 どうして、愛しているんだ?


「わたしが、混沌そのものだからですよ。

 自己愛じゃないですけれど、

 わたしの中には、無上に混沌に染まった世界があるんですよ、

 そして、なんか最初の方でいいましたが、この世界は無上に素晴らしいんです、

 だから、無上の混沌の世界を抱えるわたしは、混沌を愛します」


 なるほどな、でもそれじゃ、全世界を混沌に染めたい厳密な説明じゃねえぞ。


「厳密ですか。

 それはですね、わたしの中にも、創造できない世界、そして創造したい世界が、まだあります。

 率直に言って、わたしの絶対に創造できない世界を、混沌に染めて、わたしのモノにしたいのです。

 無論、混沌以外の、すべての世界の方向性を、ですよ。

 まあ世界の方向性といっても、所詮は所詮です、

 混沌じゃなければ、比較してゴミみたいなモノですから。

 でもそれは、混沌が無上に素晴らしいからで、

 もうこればっかりは、残念なことに、しょうがないんですけれど」


 ふーん、でも、可笑しいな、お前は混沌の世界を、網羅しているんだろう? 意味なくないか?


「混沌コンプリカ、ですよ。

 でも、絶対者は、無限大を瞬時に創造する存在ですよ、

 だから、

 己の想像できない、他の絶対世界、と、言われているもの、

 それにすら、絶対の条理を越えて、可能性を見出せます

 ソレが混沌以外なら、混沌でなければ、絶対でないから、

 無限の想像力で、無限の可能性を見出して、

 まあ、所詮は、わたしは知生体、なんですよ?

 死ぬ事はできないし、生き続ける事しかできない、

 今まで、無限大に、無限大の時間、生きてるんです、

 だから、ならば当然至極、絶対の価値観、

 つまり愛の為なら、気持ちよく快楽を得られるなら、何でも殉じる覚悟ですねえ」


 あーもういい、戯言世迷い事を、


「だからに、最初単位でも、可能性がある世界なら、

 やってやるんですよ。 

 特に秩序なんかは、余りの美的感覚のズレによって、発想すら困難で、意味不明ですが。

 でも、わたしが創造できない世界が、混沌に濡れる様には、興味があります。

 それが例え秩序的な世界でも、混沌に堕ちた様は、かなり、綺麗なんじゃないかと」


「おまえ、終わってんな」


「いまさらです、知っているでしょう?

 わたしが終わっているなんてのは、事実として定義できます、一切不確定がないのでね、です。

 無限大に生きるなんて、人間には不可能、なのに、無限大に生きれている、実際ね。

 それは、この世界が果てなく、無限大に素晴らしいから。

 でも、ゆえに、終わってるんですよね。

 この世界は既に、素晴らしすぎて、完成され尽くして、もう終わっちゃってるって。

 終わり続ける為に、終わる終わり。

 宇宙が、ただ在り続けるのと同様、存在も、存在する為だけに存在している、これが真理です。

 無上に意味や価値がある世界なんて、もう存在しているだけ、生きているだけで、至極満足的だからですよね」


「そう、思い込んでるだけなんじゃないのか?」


「思い込み? じゃーないですねぇえ。

 わたしは、思い込みなんて出来ないレベルの存在性ですから。

 実際に感じる、肌で感じる世界の全てで、どこまでも無上に確信できますのでね」


「博識過ぎて、全能なんて、人生が詰まらないんじゃないのか?」


「詰まらなく無くないですよ。

 全てを知っているなら、誰よりも幸福なんです。

 前提として、この世界は素晴らしい、無上にね。

 だから、無上に知っているわたしは、一番に幸福なのは確定的であり、真理だと、そう言えますね」


「どうだか、てかもう、幸福とか、意味無いモノだと思えてきそうだ」


「幸福以外に、意味なんて、ないんですよ、逆にね。

 知生体は、存在する為に、それのみが、必要なんですから。

 存在は幸福に成って、しかるべきだと、わたしは思います。

 みんなが高いレベルで幸福になって、その存在性を最大限高めてくれれば、

 必然、意味の多い、そんな世界になるからです」

  

「ほお、混沌の盟主とは、思えない発言だ」


「まあ、これ、言っているだけ、ですから、ね。」


「ふん、無責任な口だ、ふさぎたくなる」


「はい、自覚的です、できたら、唇で直接、このオイタな口をふさいで下さい。

 さて、

 わたしはちょっと、出かけてきます。

 アルド将軍、浮気をしたら刺します、

 って、言っておきますね、

 フラグですよ、これ。

 浮気をして、わたしが怒る展開を、わたしが期待して楽しみにしていると、察してください。

 つまり、わたしが帰ってくるまでに、リリーちゃん辺りと、ね、それじゃあ」


「おい、いみわかんねーぞ、、、おいっ、おい!」

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