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人類帝国所属・皇帝直属第零艦隊群・外宇宙調査艦隊群第四艦隊旗艦ヴァーラム勤務日誌 

 

 

 私は調査隊の隊長であり、宇宙探査船の艦長である。

 

「と、いう書き出しで始まるんだが」  


 俺は旗艦ヴァーラムの艦橋にて、適当に、だがしっかりと艦周囲の索敵諸数値を横目で確認しながら、

 彼女、ステラ=オーベリング=クリスティアフェアバンクス少尉に、告げる、視せる。


 私たち調査隊の任務は単純にして明快。

 この銀河を渡り歩き、様々な惑星を調査することである。

 そして、もし友好的な宇宙人と出会ったら、

 仲良くなって、貿易協定など、外交的な条約を締結、結んだりする、

 それは様々ある任務、それはひとつである。

 今回もまた我々は、長い長い船旅の末、生き物が存在する見込みのある惑星へと、無事たどり着いた。

 

「みんな、本当に面白いモノを知っていないと思う」


 彼女は、突然と言っていい、唐突に視線を液晶フィルムに向けたまま、つまり俯きがちに話し出した


「想うのだが、

 大抵の人間は本当に面白い世界を、自分は知っていると、思い込んでいるだけで

 その実、おおよその人は、知っていないのではないだろうか?」


「つまり?」

 

 俺は問いかけた、彼女は、こちらに一瞥と言ってよい視線だけを素っ気無く向ける。


「これ、面白くないよ」


「そ、そうか、悪かった」


 俺は辛らつな台詞に、多少落ち込む。

 ちょっとステラの視る液晶パネルが気になり、横目で覗いてみると、

 そこには、パッと見で分かる感じの、典型的な戦略級地域制圧形アクションシミュレーションゲーム、の場面、

 その戦闘パートが映されていた。

 

「それ、新しいの出たんだな」


「この新作発売を知らないなんて、文明未開拓人かと、本気で疑うレベルだな」


 一人言のように呟いたのだが、また辛らつに返された。

 外宇宙探査任務、そういうのをしていると、必然、世辞には色々な意味で疎くなるのだが、

 このゲームを知らないのは、彼女にとって信じられない現象のようだ

 まあ、頷けなくもない、

 このゲームは、歴史が違うので、

 というより歴史に名を残すレベルの、超超大作、

 ある意味で壮大な国家計画のレベルの勢いで創作された、完全歴史再現ゲームである、

 そのこと、所までは俺も知っていた、新作販売は過分にして知らなかったのだ

 

「文明未開拓人か、、、」


 その響きは、俺にとっては良い音色に聞こえる。

 俺は外宇宙探査に、何か冒険心をそそられる、ロマンのようなモノを感じ、求めたい気風だ。

 この科学で全てが解明され尽くされた、ロマンの薄い世界において、

 資本主義の限界を、鬱々と痛感させられる、停滞の気配漂う、暗澹する昨今の世で、

 それは、俺にとって光明とも言うべき、斬新に吹き続ける、熱い風なのだ。

 むしろ、

 俺は世捨て人みたいな奴が、此処には、一杯居るものだと、そう思っていたのだが、

 どうやら、そうでもないらしいのだ。

 

「イリスは知っていたか?」


 こちらも隣、イリス=リリス=エリス少尉。

 一方の隣の彼女と似た、同系統のタイプに分類されるべき少女だ。

 

「もちろん、知ってる、知らないはずが無い」


 断言調で言われてしまった、それも、なぜかジト目向けられている。

 ちょっと挑発気味な、ふんぞり返っては、いないが、心なしかドヤ感が、ある、

 なにかしら、言い返したくなった。


「ああ、最近はやりの、否、昔から流行っている人気タイトルだが、

 俺も、リメイクされて、どうやら最熱したらしい、とは、知っている。

 それは戦争の大陸という名前の、酷く史実に忠実な、、、

 だが、IFシナリオを創作できる程度に、汎用性の高いハードで作られたゲーム、、、なんだろう?」


 即興で、知っている限りの事を話して、質問で会話を続けてみる。


「うん」


 彼女はそれだけ発して、後は終わりとばかりに、目線をディスプレイに戻してしまう。

 、、、、、。

 彼女達は、アレだ、そうアレ、

 なんかそういう、つまりアレなのだ、

 電波漂う現世離れした、そう電波系、意味分からない少女なのだ!!!。

 

 内心で、彼女達にステレオタイプのレッテルを貼り、憂さを晴らしていると。

  

 艦内通路を抜けて、此処まで、つまり艦橋、駆けてくる物体を、観測する。

 ディスプレイには、彼女を示す赤い点があって、それを追って、向う先を特定した。

 その物体は、艦橋に侵入、

 下部CIC、つまり此処に、駆け下りてきた。


「やあやあ! みんな元気ぃ!?? べレスだよぉ!!!」


 手を上げて、挨拶。

 そしてから、自分のコマンドモジュール席に戻り、何かしらの作業を開始した。

 彼女は、べレス=ベリス=クラリス少尉だ。

 まあ見ての通り、俺命名、電波少女三人組の、筆頭を勤める、

 でも、俺はあいつが一番マシだと思うね、なによりも愛想だけは二重丸だからな、うん。 

 

 制御卓の、モニター画面、上隅が点滅して、メール着信を告げていた。


『みんなぁ! 今日は戦争の大陸の発売日だよぉ!

 知ってたぁ!?? 

 わたしなんて、もう超級難易度の、鬼畜外道な無理ゲーIFシナリオ作っちゃったよぉ~!

 うわははぁ!

 もうネットに投稿して、ね、クッソ叩かれてるんですけどぉw!超受けるぅ!』


 俺は、制御卓に向かって腰掛けながら、さっそくメールをくみ上げて送信。

 しようと思ったが、既に艦内個別ラインで奴らは話していたので、そこで言う事にした。


『ステラ・任務中の私語は慎みましょう、だが軽度なら任務の集中力持続に貢献するので許可する

 イリス・それちょうだい、クリアしてあげるから

 べレス・うえーい、うえーい、うえーい、うん、今送るから、バグとかあったら教えてね』


 それもやめておいた、

 既に、俺にもメール送られてきてるんですけど、や、その他もろもろのツッコミは時代遅れ過ぎていたからだ。

 ふぅ。


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