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第一話・宿敵、獄参の花嫁になる事になりました。

初めましてGADY CHUuと申します。是非、ご拝読お願い致します。

10⚫️

-何故、姉上がこんな目に遭うのだろうか。僕に、一体何が出来るのか。

僕も不安なのかもしれない。幼い頃は何も考えなくて良かった。

ただその日、その日を生きれば良かった。僕は今年で十四になる。

僕は姉上を立派に守れるのでしょうか。姉上が朱桜城に嫁ぐと聞いて僕は直ぐに伝えた。

「僕も行きます!父上っ。」また優時に不安が滲む。姉上に何かあったら、どうしよう。


しかし優時は決意を表す瞳で笑みを咲かせる。「うんうん、僕がいます。」

優時は頭を横に左右に動かす。鈴子はそんな優時に優しい笑みを咲かせる。

「ありがとね、私の味方は貴方、だけよ。」-ふと、もし、獄参と分かり合える日が、何てね。

あって欲しくない。でも、やはり真実は気になる。鈴子の瞳がより強い光を宿す。

すると姉上は黙ってしまった。言葉が見つからない。「大きくなりましたね、優時。」


すると姉上が口を開き僕はまた視線を姉上に移す。

たぶん、今日のこの日を忘れない。久々に心から笑みを咲かせる姉上の姿を。

そして優時は照れ臭そうに顔を赤くする。「姉上っ、僕は真剣なんですよ。」


9⚫️

あの日、私を殺そうとしたのに。もしかすると囮かもしれない。

色んな不安が脳裏に滲むのです。次は確実に殺されるのかもしれない。

「姉上。」すると弟である優時が優しく私に声を掛ける。「大丈夫ですか?。」

私は我に返り笑みを咲かせる。優時の頭を撫でる。「うん、少し、不安なだけ。」

すると優時は私の手を握ってくれる。「大丈夫ですよ、僕が居ますからっ。」


本当にこの子は小さい頃から優しい。兄は悪戯な部分も強く、少し嫌な時期もありました。

けど、そんな兄も優しい所は沢山ある。あの時だって私の為に身を挺してくれたのです。

-あっ、駄目だ。またあの日が脳裏に過ぎる。あの日の悪夢はまだ私に囁く。

その度に無力になるのです。-一層、奴を殺せたら楽なのに。すると優時は更に心配する。

「本当に、大丈夫ですか?姉上。」私はまたハッと我に返る。「ごめんね、優時。」


8⚫️

死因は退鬼隊の花炭呼世晴氏による者でした。彼もまた、父、母、姉弟達を殺された身。

退鬼隊になって、約一年で討伐をしたのです。

それも天獄により造られた、千年朱桜城を単身で乗り込み、約三日で討伐なさりました。

彼は我等の英雄で、現在は天方に仕えてるそうです。

しかし、次は真鬼による襲撃が増え始めています。真鬼とは産まれてからこの方鬼という事。

狙いは朱桜鬼神の血でしょう。鬼にとっても鬼神の血は喉が渇くほど欲しいもの。


現在、成鬼の勢力は大幅に減少。また退鬼隊も天獄、二獄との抗争で減少しています。

それにより政府は現在の頭となった朱桜獄参と平和条約を組み今日に至る。

それ故、向こうの条件は私との婚約だそうです。よりにもよって何故、この私なのでしょうか。非常に不愉快極まりない。

今でも全身が震える程、沸々と怒りが込み上げてくる。-何て、この世は、理不尽なのでしょうか。


そして今、獄参が待つ朱桜城に向かっているのです。


7⚫️

しかし、それでも獄参の足元に及ばなかったのだろう。

我々一族に安倍晴明様から賜った非常に強力な式神を初代から受け継いている。

それは十二支になぞられ、十二支になれなかった最凶の妖猫、魔多々尾<マタタビ>。

猫又とは違い、世界を破滅しかねない。その為、基本的には封印をされている。

しかし、その封印を解くには自身の命を差し出さなければいけない。

それ故に母は自身の命を代償に魔多々尾と一体化。


しかし、私が目が覚めた時には獄参の姿は無かった。母は負けてしまったのだろう。

私達には何も残らなかった。漸く私が回復をの兆しが見えた頃だった。

大正五年となります。そう丁度一年前の事。獄参の兄であり、元凶であった、天獄が死去。



6⚫️

だが剛時は胴体を真っ二つにし、二人に大輪の朱い桜が舞い、朱く染まる。

そして鈴子とお里は絶望と恐怖に悲鳴を挙げる。

それに兄はそのような状態になっても私達に笑みを咲かせ申し訳無そうに逝ってしまったのです。

しかし、凡ゆる負の感情に打ちひしがれる間もなく獄参は再び大剣を振り翳し容赦なく振り堕とすのです。

私は本当に愚かで無能です。二人の目の犠牲を出したのですから。

お里さんが自分の身をていし、私を庇ってくれたのです。お里さんは頭から抉られ真っ二つに。


私はただ全身で息をし悲鳴を挙げる人形でしか無かった。一般の方を犠牲にさせて。

そしてそれからの記憶はございません。気付いた時には私しか居なかった。

目の前には母が仰向けになって安らかに眠って居たのです。その現実が受け入れられなかった。

何度も母や兄、お里さん、従者の皆さんの名前を悲鳴で挙げるしか出来なかった。

それからは食も飲物も喉を通る事は愚か口に出来なかった。

生きる希望をなくし、自分の価値も見失ったのです。それでも父と弟の献身な支えがあり今があります。


本当に二人には感謝しか無い。


5⚫️

しかし、当時の当主である母は何度も危惧していて拠点を変えたりしてました。

それに何年も歳月を掛け特殊な結界も作成していました。容易に見つかる事が出来ないように。

しかし、この時が来てしまった。千年生きる鬼です。我々よりも経験は違う。

何かしらで判明したのでしょう。例えば退鬼隊の一人を拷問し聞き出したとこか。

しかし、それは出来ない。全員の舌には呪印を施していた。十三土家を口にすれば死は確実。

それかこの一族に裏切り者がいる。今も判明はしていません。


そして屋敷内は騒然としていた。私もその中にいた。けど当主の娘として意を決する。

私は式神を行使し空を飛ばせ、目を通して現状を確認する。-一体の鬼。

その鬼は非常に大きく筋骨隆々でした。それが獄参です。でも少し、私は安心した。

幸いにも兄、剛時が帰っていましたから。兄は退鬼隊、白虎組の隊長でしたから。

それはとても優秀な証。退鬼隊の四天王という位置付けですから。

しかし、屋敷内は悲鳴と恐怖に包まれました。私は人命救助を優先する事にしたのです。


「大丈夫ですか!?お里さんっ。」しかしそんな時でした、背後に強い妖力を感じたのです。

同時に耳が破裂しそうな地響きも轟いていたのですから。

目の前にいるお里さんは強い絶望を表情にしていました。私も直ぐに背後を振り向きました。

しかし、獄参の素早く手に持ってた大剣を振り翳したのです。

私は一人の陰陽として未熟でした。その場で死を悟り思考は停止しその場から動く事は出来なかった。

すると兄、剛時の声がしたんです。「鈴子!!。」


鈴子は目を大きく目を見開く。目の前に一瞬にして兄が現れた。


4⚫️

そして獄参という成鬼は我が一族を惨殺するまでは名も出てなかった。

噂では常々、あの兄弟に弟がいる噂があったようだ。それまでの成鬼の頭は天獄。

その次の位が二獄であった。彼等は鬼神、朱桜童神の血を継いでいる事が反面。

鬼神とは名の通り鬼の神である。通常の鬼より非常に恐ろしい。しかし、人以外にも多くの怨みを買っていた。

それにより我々一族と妖は手を組み式刀を完成させ退鬼隊により殲滅活動を行った。

そして私はまた父から告げられた言葉を反芻する。


「上により、お前は成鬼の頭であり、現当主、朱桜獄参<しゅおうごくざん>の花嫁に決まって、しまった。」

それから何度も謝る父。私はとにかく父を労る事しか出来ない。

上の命令は絶対。けど同時に理不尽も感じた。脳裏のどこかで怨みを晴らしたら、楽になるのか。

そう思うと快感と同時に非常に強い罪悪感もある。それにこの一族を穢したくない。

そしてあの事件がまた私の脳裏に過ぎる。まるで自分を自分で虐めてるようだ。


当時の私は眠っていました。夜も更けていた頃です。すると鼓膜が痛む程の爆音が鳴りました。

私は慌てて起きたのです。幸いにも別の場所だったようで。

「えっ!!。」-襲撃っ。そして襖を開けると向こうの方は火の海でした。

我々は式刀を唯一造っていた場所。いつかは襲撃があると思っていた。けど絶望はいつも突然に来る。


3⚫️

そして私は家族を惨殺した成鬼の花嫁になる事になりました。

仕方ないけど、悔しさと怒りが沸々と込み上げています。それも1時間前の事でした。

父は大変、辛そうな表情で込み上げて来る感情を必死に堪えていました。

私はまだその時は知らずに父が心配で尋ねます。父の目から涙が溢れ始めた。

「すまん、鈴子よ、私は、何も、何も、出来、無かった。」私は心配と強い好奇心でまた尋ね。

成鬼の花嫁になる事を聞かされました。しかも、我が一族を惨殺した獄参という現成鬼の頭に。


そして鈴子は大きく息を吸い、大きく息を吐き出す。心に滲む負の感情を落ち着かせる為に。

我が一族、十三土家は上にある十二座の使い捨てに過ぎない。

十二座とはかの安倍晴明に組まれた退魔特殊精鋭隊を設けた。

しかし、非常に強力な使い手が多く一国を滅ぼし兼ねないされ我々一族が設置された。

勿論、十二座、安倍一族のお墨付きではある。しかし、犠牲は少なくない。

この約千年間も彼等は全く動く事は無かった。全て、私達と退鬼隊で成鬼殲滅活動を終えるまで行った。


2⚫️

そして私は成鬼千年事変集を読み始める。紙を捲る度に胸に悲しみ、怒り、痛みが押し寄せて来た。

鬼にとって、人は餌。改めて残酷で残虐な行為に頭は酷く怒りと悲しみに苛まれる。

そして新しくある事件が加えられていた。それが私達一家、十三土家惨殺事件だ。

ここにいた従者の方々も兄である剛時、母の凛子が亡くなった。

それにそこに私も居たが幸にも命は免れた。母が救ってくれた。

それを教えてくれたの母の式神、数炎という猫又の妖怪だ。


母が幼い頃から父、私でいう祖父から与えられた式神だ。

そして私は成鬼千年事変集を簡単に紙を捲り読み終える。

一枚一枚が辛く、最後の我が一族の惨殺は控えめに言っても辛い。

あの日から暫くして食も水も喉を通る事はありませんでした。

けど昨年の事。成鬼千年事変は終わった。それはある人物によって。

けど、それで母も兄も従者の皆さんは帰って来ない。あの楽しい日々は、もう。


1⚫️

大正六年の頃。私、十三土<トサド>鈴子は今年で18歳となりました。

鈴子という名は父が名付けてくれました。父は幼い頃、両親、兄妹を鬼より惨殺されました。

運良く父は身を隠し、幸いな事に退鬼隊という鬼に特化した狩り人により命を救われたそうです。

しかし、父は身寄りが無くなりそんな時に母の父に養子として迎えられたそうです。

父と母の両親は幼い頃から仲良く、その縁で引き取ったそうです。

因みに父と母の名は金時と凛子でございます。そして父が誕生日の時。


養子になってから一年の月日が流れた頃に母から贈り物を貰ったのです。

父は大層、喜んだと父自身も母も仰っています。とても微笑ましくて私も幸せです。

そして父は鈴と母の名前、凛子の子を取り鈴子となったそうです。

因みに先程の述べた鬼についてですが、江戸の頃より現在千年以上も殺喰をしてます。

これを成鬼千年事変と呼称されてまります。そして成鬼とは人から鬼へとなった者を指します。

ご拝読、誠にありがとうございます。

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