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雷鳴の猫王と勇者達の旅路〜猫の獣人に転生した中二病、勇者達を魔王の元まで導かん〜  作者: 一筋の雷光
神々の陰謀編

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46 全てを無に帰す最強

 闘技場にはライトニングの登場により、敵味方関係無く、痛い程冷たい空気が漂っていた。そう、彼からは神や天使すらも警戒せざるを得ないほどの強者のオーラが出ていたのだ。


 彼の周りには漆黒の雷が漂っていたが、何故か右腕に集中して発生していた。


 その場に居た全ての者が、彼が作り出した静寂を消すことが出来ずに居た。


 暫くして、彼が喋った。


「何だ? 邪神共、来ないのか?」


 挑発された邪神達は、各々の魔法を彼に打ち込んだ。


 十数発の爆発音が闘技場に鳴り響く。


「ふん、邪神もこの程度か」


 だが、彼には傷一つ付くことは無かった。


 彼が左腕を上に掲げた。


 それと同時に、捕まっている神や天使の下に穴が空き落ちていった。


「なっ! これはフライムかっ!」


 デスラントは、直感で今から起こることを感じた。


 彼の魔力が上がり続けている。


「ふっ、どうせこれでは死なんのだ。存分に味わうが良い」


 彼の魔力が臨界点に達した。


 オルドの全てが揺れ始めた。


万雷之黒衝撃(万雷インパクト)!』


 彼が左腕を振り下ろしたと同時に上空から巨大な漆黒の雷が地面に降り注いだ。


 ライトニングが放った魔法が消えた後、そこには巨大な穴を残し、その他全てが消え去っていた。


 彼は漆黒の雷を纏いながら、空に浮かんでいた。


「おい邪神共、この程度では死なんはずだ。さっさと蘇れ」


 彼がそう言うと、魂までも破壊されたはずの邪神達が無傷で蘇った。


「ハッ、まさかこの世界にあのガキと同じ様に最強の概念を雷に付与できる奴が居るなんてな」


「あのガキ? 何のことだ?」


 ライトニングは、いつもの如く低い声で質問をした。


「あ? お前知らねぇのか、何でも混沌の世界にはお前と同じ様に最強の概念を雷に付与できるライムってガキが居るらしいぜ」


「へぇ~そうなんだ」


 ライトニングはそれが自分の事だと瞬時に理解したが、陰の実力者ムーブを続行するために白を切った。


「まぁ〜そんなことはどうでも良いだろう。さぁ邪神共よ第2ラウンドを始めようか」


 彼はそう言いながら、左腕を前に出し、拳を握った。


 邪神達が戦闘準備をした。


「待て! 俺が行く!」


 デスラントが鬼の形相で邪神達を止め、一歩前に出た。


 すると、雷神がデスラントを止めた。


「デスラント。悔しいが、お前一人ではアイツには勝てないぞ」


「黙れ! そんな弱気な奴は勝てる場面でも勝てねぇんだよ!!」


 デスラントは、荒い口調で言い返した。


「うん。僕もそう思うよ」


 ライトニングは軽い口調で言った。


「チッ、ライトニングとか言ったか。その減らず口気に障るんだよ、今すぐ俺がお前の全てを破壊してやるよ!」


「出来るもんならやってみなよ。僕は、逃げも隠れもしないからさ」


「だから、気に触るって言ってんだろ!」


 デスラントはそう叫びながら、上空に居るライトニング目掛けて思いっきりジャンプした。


 デスラントはライトニングに渾身の一撃を振るった。


「何!」


 だが、その一撃はライトニングに届くこと無く、彼の漆黒の剣によって防がれていた。


「ふっ、もはや我には誰の攻撃も当たらぬ……」


「ほざけ!!」


 デスラントはヘルト様以外に初めて自分の攻撃を完全に防がれた事実を受け入れることが出来なかった。


 デスラントは力任せにライトニングに連続で打撃を繰り出す。


「力任せの攻撃も破壊神らしいが、やはり神の繰り出す攻撃にしては品がなさすぎるな」


「ふんっ!」


 ライトニングは剣を思いっきり横に振り払い、デスラントを吹き飛ばした。


「フライム。頼んだぞ」


「任せて。さぁ思いっきりぶち壊しちゃいなさい」


 フライムはそう言い、オリード全土に魔法を展開し、天使達を他の世界へ送り、邪神を空間魔法で縛って動きを封じた。一方神達は、自分達で他の世界に移動したようだ。


「なっ! 動けない! だが俺なら壊せるぞ」


「ふっ、そんな暇を与えるわけが無いだろ?」


「なっ!」


 デスラントの視線の先には、今まで頑なに使ってこなかった右腕を前に出し、指先に魔力を集中させ指パッチンの準備をしているライトニングの姿があった。


 確か、前居た世界の宇宙一威力の高い爆発って超新星爆発で、その威力が星を何億個も吹き飛ばすほどの威力なんだよ。

 それで、僕もそれぐらいの威力の技を出したいって思ってたんだよね。


「取り敢えず、ヘルト様からはこの世界に居る邪神を撲滅できるなら何でもして良いって許可は降りてるから、この世界壊しちゃうね」


 そう言ったライトニングは、魔力を開放した。その魔力の光は黒く、全てを飲み込むブラックホールのようだった。


 風でライトニングのフードが外れた。そして、ライトニングは禍々しい仮面を外した。


「なっ! その顔は! ライムか!」


「今更気づいても意味ないでしょ。ま、だから仮面を外したんだけど」


 神を嘲笑うライムの指に全魔力が集中した。


「刮目せよ! 世界を壊し、全てを無に帰す我が最強の神技にして真の理不尽……」


 大気の震えがピークを迎えた。


黒雷之超新星爆発スーパーノヴァ・ライトニング!』


 ライムはそう言って、指パッチンをした。


 その瞬間、オリード全土が漆黒の光に覆われ、オリードの時空含む、万物が消え去った。


 ただ、そこには漆黒の光が残るのみ。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 時は遡り、神の試練にて3人の神が蘇った直後。


「どうやって勝つか悩んでるみたいだから、ヒントをあげるよ!」


 僕が悩んでいると、フライムが大きな声で話し始めた。


「おい、フライム。それはズルいぞ!」


 赤髪の男が大きな声でフライムに訴えた。


 フライムが話し始めると、3人の神は慌て始めた。


「君が神を倒すには、君の魂の特性に『時空を破壊する最強』を付与すれば良いんだよ」


「は? 時空を破壊?」


 僕の頭には、はてなしか浮かばなかった。


「うん。いくら魂を壊されても蘇る神でも、蘇る場所は同じなんだ。だから、時空を破壊して、その場を何も存在することが出来ない無の空間にすれば魂を復活させることが出来ずに神は死ぬってことさ。神も宇宙も、絶対に時空ありきで存在してるからね」


 フライムは腕を組み、自慢げに僕に助言をした。


「まぁ、言われてみればそうなのか。分かったやってみるよ」


 そう言って僕は、再び3人の神と戦い始めた。


 そして、この戦いで黒雷無双に『時空を破壊する最強』の効果を追加し、僕が編み出したのが、世界全てを無に帰す最強の爆裂神技『黒雷之超新星爆発スーパーノヴァ・ライトニング』だ。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 舞台は戻り、宇宙の原初の姿、"無"へと変わり果てたオリード。


 そこでは"無"の中でも存在することが出来る、創造神ゼイト様が頭を抱えていた。


 銀髪ショートに赤い瞳。

 人間で言う10代前半ぐらいの幼い外見をしていて、灰色のパーカーとダボダボの黒いズボンを着ている。

 一見普通の女の子に見えるが、無の中で浮いているのもあって異様な神々しさがある。


「あ〜あ、オリードって他の世界と比べても小さいし、宇宙も1つしか無いから、本当に"無"になってる」


 ゼイトは、長い溜め息を吐いた。


「う〜ん。ここから、またオリードを作るの嫌じゃ〜。でも、邪神が生まれたのは私の責任でもあるし、頑張らないと。今頃、アニマちゃんもライム君を生き返らせるのに頑張ってるんだもんね。後、今度は邪神になる子が現れないように気をつけて神達を創造しないと」


 ゼイトは両拳を強く握り、強い眼差しで"無"を見つめた。


「てか、何で"無"にブラックホールがあるんじゃ」


 そう、ゼイト様の眼の前には、ライムが起こした爆発が時空とオリードを破壊した後に発生したブラックホールがあったのだ。


「まっ、時空と世界を同時に破壊するなんて初めてのことだし、例外も起こり得るか。取り敢えず、アレの影響を受けない所にオリードを創り直そ」


 そう言ってゼイト様は、ブラックホールから遠ざかっていった。


 こうして、神と天使の世界オリードに居た邪神は全滅したのだった。

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