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雷鳴の猫王と勇者達の旅路〜猫の獣人に転生した中二病、勇者達を魔王の元まで導かん〜  作者: 一筋の雷光
凛然編

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39 魔将軍コービア戦

 鉱山では、漆黒の雷を纏いし謎の男、ライトニングとその仲間のエルフと悪魔対魔将軍コービアが戦い始めている。


雷撃之機関銃(雷撃ガトリング)


 ライトニングは、攻撃を始めた。


影之拘束(シャドウバインド)


 悪魔がコービアを縛った。


「ふっ、無駄なことを!」


 コービアは漆黒の雷を纏い影を吹き飛ばした。


炎之玉(ファイアボール)!』


 コービアの後ろに回っていたエルフがコービア目掛けて魔法を放った。


「だぁかーら〜、効かねぇって言ってんだろうが!」


 コービアは苛ついた様子で声を荒げていた。


電気之銃弾(エレキショット)


 エルフの放った魔法はコービアによって壊された。


「ふっ、流石は僕だ。生半可な攻撃は通らないということか」


 すると、コービアがライトニングに向かって走り出した。


「おぉー!」


「今度は何をするんだ!」


 コービアはライトニングに触れられるほどに近づいた。


 ライトニングは余裕そうに立っていた。


「擬態、ドラゴン!」


「まじかよ!」


 なんと、悪魔はライトニングに近づくと、ドラゴンの姿に擬態した。


「フンッ」 


 コービアは自身の尻尾をぶん回した。


 ライトニング含め3人は、壁に打ち付けられた。


「ゲホッゲホッ。おいディストラ、ストックは無いんじゃなかったのか?」


「いや、ストックがないのは完全コピーであって、擬態に関してはストックできますよ」


「先に言ってくれよ……」


「すいません。でも擬態は擬態先の魔力や魔法などはコピーできないので大丈夫かなと思ってました」


 ディストラは少し声量が落ちていた。


「いや、いきなり別の姿になられたら流石に対処できないって」


「確かにそうですね」


 ライトニング達が言い合っていると、コービアはスライムの姿に戻った。


「ふっ、今度はどんな姿になるんだ」


 ライトニングは楽しそうだ。


「この戦いを楽しんでいる。なんて奴なのライトニングは」


 ここで、私はライトニングには追いつけないと自覚してしまった。


「擬態、巨大狼(ジャイアントウルフ)!」


 コービアは狼に擬態した。


「今度は狼か! 面白い! くらえ『雷撃之機関銃(雷撃ガトリング)!』」


「アオーン!!」


 コービアが吠えると、漆黒の雷が無数に落ちてきた。


「くそっ! 擬態しながらでも完全コピーが使えるのかよ!」


 コービアは漆黒の雷を全身に纏い始めた。


「お前の最強、使わせてもらうぞ! ガルルル」


 コービアは唸っている。


黒狼迅雷(こくろうじんらい)!』


 コービアは勢いよく前に飛び出した。


「なっ! その技はまずい! 皆んな避けろ!」


 ライトニング達は不意を突かれ、うまく体を動かせなかった。


 くそっ! 避けきれない!

 今からコイツを止めることは不可能だ。

 それなら、守りに魔力を回すしか無い。


 守りに使ったことはあまり無いが、初めにコイツが僕の攻撃を止めたんだ出来ないなんてことは無いはずだ。


 後はコイツの最強の矛と僕の最強の盾のどちらが最強かに賭けるしか無い。


 僕は避けきれないことを覚悟し、僕含め3人を漆黒の雷で守る準備をした。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 その瞬間、ライトニング達の後ろから強大な魔力が現れた。

 誰かがコービアに向かって飛び出してきたのだ。


反射之水盾(ウォーターリフレクト)!』


「なっ! またお前か! エルフごときが調子に乗るな!!」


 コービアは声を荒げてそう言い放った。


 そう、飛び出してきた正体はレイラだった。


 レイラは水の盾で黒狼迅雷を止めた。


「やはりライトニングは強いのだな。本人の魔力量で無くとも十分強い」


 レイラは、コービアの技に少し押されていた。


「だからこそ、私の前でこの人のことをコピーしたことが貴方の敗因よ」


 レイラは体制を立て直し、鋭い眼差しでコービアを睨みつけた。


「くっ、押し返される!」


 なるほど、レイラはこれをずっと狙ってたのか。僕はそんな事を考えながら、2人の押し合いを眺めていた。


「終わりよ、ついこの間の雪辱晴らさせてもらうわ」


 レイラは魔力を高めた。


 レイラの魔法は、コービアの魔法を跳ね返し、コービアに直撃した。


「くそっ! こんなところで負けてたまるかぁ〜!」


 鉱山には、コービアのそんな断末魔が響き渡った。


 レイラが跳ね返した魔法が少ししてから消えた。


「はぁー、なんとか勝てたわ」


 レイラはバタッと地面に膝をついた。


「それも貴方達が居たからよ、ありがとう。あれ? 居ない?」


 レイラがお礼を言おうとすると、すでにライトニング達の姿は無かった。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 僕はシエル達と共に宿屋に戻って居た。


「いや〜、満足満足〜」


 レイラの魂の特性の効果は気になるけど、最終的にはめちゃくちゃかっこよく去れたし別にいっか。

 どうせいつかは知れるだろうしね。


 後は、最強対最強でどちらが真の最強を想像できるか勝負もやりたかったんだけど。

 まぁ普通に考えて、コピーしたてのアイツと現世から色々なアニメや漫画とかで最強の概念を培ってきた僕のどちらが最強の概念が強いかは誰がどう考えても一目瞭然だよな。


「ライトニング様、今回もお見事でした」


 シエルはそう言いながら深々とお辞儀をした。


「うん、ありがとう」


「アイも悪魔と戦いたかったよ〜」


 アイはそう言いながら僕に泣きついて来た。


「今度ね」


「わっ私も活躍できてましたか?」


 カルラは恐る恐る僕に声をかけてきた。


「十分活躍してたよ」


 すると、影から勢い良くディストラが出てきた。


「私の出番少なすぎませんか?」


「いや、今回は相手が悪かったし、なんか最終的にレイラが全部持ってったみたいな感じだから良いじゃんか」


「もう、戦いたかったのに」


 ディストラはそう言いながら影の中に入って行った。


「おっ着いたな」


「それでは私達はこれで」


 シエルは深々と頭を下げた。


「うん、待たな」


「バイバーイ」


 アイはそう言いながら手を大きく振った。


「バイバイ」


「お、おやすみなさい」


 カルラはそう言いながらペコリとお辞儀をした。


「そろそろ緊張もほぐれてきたと思ったんだけどな。挨拶ぐらいは緊張せず普通にしてくれよ、寂しいじゃんか」


「っ! おやすみなさいライトニング様」


 カルラは、再びお辞儀をしながらハキハキと喋った。


「うん、おやすみ」


 やっと普通に話してくれたよ。これからも徐々に慣れてくれたら良いな。


 そうして、シエル達と別れた僕は私服に着替えてから、物音を立てずにひっそりとゼーレと泊まっている部屋のベッドに入って寝た。

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