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雷鳴の猫王と勇者達の旅路〜猫の獣人に転生した中二病、勇者達を魔王の元まで導かん〜  作者: 一筋の雷光
凛然編

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38 作戦変更

 僕が宿屋に戻ると、二人はすでにお風呂上がりだった。


「遅かったなライム。僕達はもうお風呂屋さんに行ってお風呂にも入っちゃったぞ」


「まぁ色々あってね」


「そろそろ寝る時間なんだから、早く入ってきなさいよ」


「うん、行ってくる」


 僕は着替えを持ってお風呂屋に向かった。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 お風呂屋さんに着くと、カウンターには猫獣人の女の人が居た。


 ここもサンダーパラダイスの店なのかよ。


 僕はカウンターに行き、お金を出した。


「お一人様ですか?」


「はい」


「それでは、ごゆっくりしていってください」


 僕は、暖簾をくぐった。


 服を脱いだ僕は、体を洗い露天風呂に浸かった。


「ふぅー、最高だなぁ。夜も遅いから、人も居ないし」


 僕はふと空を見上げた。

 ライムが見上げた夜空には、綺麗な星々が輝いていて、月もライムを照らしている様だった。


「それより今は、レイラとどう戦うかだよな。戦うのは絶対にやりたいけど、最後をどんな形で終わらすかが問題だよな」


 まぁ、なるようになるか。今悩んでもしょうがないよな。


 そして僕は温泉から上がり、体を拭き、お風呂屋さんから出て、宿屋の部屋に向かった。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 僕が部屋につく頃には、すでに深夜0時を回っていたので、二人共ぐっすり寝ていた。


「まぁこっちの方が有り難いな」


 僕はリュックから仮面と雷鳴スーツを取り出し、着替えた。


「よし、作戦開始だ!」


 こうして、僕はレイラの居る鉱山に向かった。




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 鉱山に着くと、何やら騒がしかった。


「ん? どうしたんだろう?」


 僕は気になったので、岩の陰からこっそり覗くことにした。


「おいっ! 大丈夫か!」


「くそっ! 何なんだよコイツ!」


「私がやるから、皆んなは下がって!」


 そこにはスライムが無数に居て奥に一人悪魔らしき人が居て、そいつ等と戦っている作業員達とレイラの姿があった。


反射水(ウォーターリフレクト)!』


 レイラがそう言うと、相手の放った魔法がレイラの作った水の盾に当たると相手に跳ね返った。


「うわ! すげぇー、どうやったんだろ?」


 すると、僕の後ろにシエル達が現れた。


「到着が遅れ、申し訳ございません」


「いや、別に遅れてはないよ」


「そうでしたか」


「それで、これからどのように動けば宜しいのですか?」


 うーん、どうしよう。


 正直言ってこの状況を見るに、明らかレイラはいい奴だ。

 それなのにレイラと戦うって言ったら、僕の信用が崩れるだろうな。


 しょうがない、レイラと戦うのは今は諦めて、あの悪魔を倒すことにするか。


「うーん、取り敢えずあの悪魔を倒そっか」


「承知しました。ではどのように倒しますか?」


 シエルは、遠くの悪魔を見据えながら話した。


「取り敢えず、カルラの戦い方は影魔法での後方広範囲援護型だから、ここから奥の方に居るスライムを一掃して僕達の道を作って」


「わっわかりました。頑張ります」


 カルラは、気合を入れて返事をした。


「アイは、確か近接戦が得意なんだよね」


「うん、そうだよ!」


「じゃあ手前に居るスライム達をぶっ倒してきて」


「オッケー!」


 アイは、元気よく両手で頭の上に丸を作って返事をした。


「あっ! でも、あまり鉱山を傷つけないようにしてね」


「わかりました!」


 アイはいつもの如く元気過ぎる程の声量で返事をした。


「シエルは僕と奥に居る奴を倒そうか」


「了解しました」


「それじゃあ、作戦開始!」


 僕の合図と共に、アイはスライムの群れに突っ込んでいった。


「おりゃー!」


 アイは、魔力で身体強化をしているとはいえ、まさかの生身で突っ込んでいった。


「何だ!」


 レイラ含め、鉱山に居た人達は全員困惑していた。


影之雨(シャドウレイン)


 カルラは影魔法で作った雨雲を、人が居ない鉱山の奥に展開した。 


「シューー」


 スライム達は、どんどん雨によってぐちゃぐちゃに壊されていった。


「うわっグロいな」


 すると、影の中からディストラが飛び出してきた。


「ちょっとちょっと! 僕は何をすれば良いんですか?」


「あぁディストラは、僕が合図したら影魔法であの悪魔を縛ってくれ」


「そんな事しなくても、貴方なら勝てるでしょ?」


 ディストラは一歩も下がらず、強気に言った。


「いや、もしもの為だから」


「ハァ〜、わかりましたよ」


 ディストラはそう言って影の中に戻って行った。


「ハァハァ、疲れた……」


「お疲れ様、カルラ」


 僕たちが話している間に、カルラは奥の方に居たスライムをすべて倒し終わっていた。


「それじゃあ、僕達も行きますか」


「はいっ!」


 僕らは、雷鳴と共に姿を表した。


「今度は何だ!」


 作業員の一人がライトニングを指差して言った。


「おいっ! 漆黒のコートに雷が散りばめられている服を着ているってことは、コイツ等って最近巷で噂されているサンダーパラダイスとか言う組織のやつじゃねぇか?」


 細身の男は、ライトニングを見ながら真剣な表情を浮かべていた。


「サンダーパラダイス?」


「何でも、大陸のあちこちで勢力を拡大していて、魔王討伐を目指している謎の組織らしいぜ」


「てことは味方なのか?」


「さぁな。でも悪に勝つためなら何でもする連中らしいからあまり安心はできないぞ」


 ふむふむ、素晴らしい解説だ。

 こういうのが居ると、一層やる気が上がる。


 僕達が進む方向には、すでにカルラの魔法でスライムがほとんど居らず、楽々鉱山の奥に行くことが出来た。


 そして、僕達は奥に居る悪魔の元へと到着した。


 僕達が到着すると、悪魔が話し始めた。


「ねぇねぇ、もしかして君たちが少し前から僕達にちょっかいかけてきてるサンダーパラダイスかな? 本当に迷惑してるんだよね。魔将軍を3人も倒しちゃってさ」


 なっ! 何故バレてるんだ!


 アンナ達が魔将軍は倒されたという情報を流さないようにしているのは魔界にだけだから、知っていてもおかしくはないが、3人倒したってことは勇者が倒したラヴィーネはカウントされてないことだよな。

 つまり、誰かに僕が魔将軍を倒しているところが見られていたということか。


 一体誰に? 何処から見られてた?


 そんな疑問が頭をよぎったが、僕はひとまず目の前の敵に集中することにした。


 だが、シエルは違った。


「どうしよう。アンナ様に早く報告しないと」


 シエルは冷や汗を流しながら目線があちこちに泳いでいた。


「おいっシエル!」


 ライトニングは大きな声で叫んだ。


「ハッ!」


 ライトニングの声で、シエルはなんとか正気を取り戻したようだ。


「申し訳ございません。少し取り乱してしまいました」


「まぁ良いよ。僕もまだ整理出来てないとこあるし」


「ひとまずコイツは、殺しきらずに色々聞き出す方向性にするぞ」


「了解しました」


 ライトニング達は、再び戦闘態勢に入った。


『黒雷無双!』


 ライトニングの周りには、漆黒の雷が漂っている。


「フッ、その漆黒の雷。やはり魔将軍を倒したのは貴様のようだな」


「あぁそうさ」


 ライトニングは仮面の中でニヤリと笑った。


「なっ、あれは魔力の覚醒!」


 レイラはライトニングの雷を見て驚いていた。


 良いね良いねぇ、盛り上がってきたじゃん。


「そんじゃ、行くぞ!」


 居合の構えをして、ライトニングは笑みを浮かべる。


「あぁ、魔将軍3人に勝った実力、見せてみろ!」


「シエルは無理して僕に合わせなくて良いからね。自分のスピードで援護してくれたら良いから」


「了解です」


 ライトニングは魔力を高めた。


 そして、漆黒の雷獣を纏った。


「グルルル」


「ハッ、それは雷獣か! 面白い!」


「だろ? ……、今だ!」


 ライトニングは合図を出した。


 すると、ライトニングの足元から影が伸び悪魔を捕らえた。


「なっ! これは影魔法か!」


 ライトニングの魔力は限界まで圧縮された。


『獅黒迅雷!!』


 ライトニングは勢いよく前へ飛び出した。


「ちょ、ちょっと待ってくれ。これはズルだろ」


 ライトニングは悪魔を斬った……はずだった。


「なーんてな」


「なっ!」


 確かにライトニングは悪魔を斬った。


 だが、何と悪魔は漆黒の雷で僕の剣を防いでいたのだ。


「フフ、ハーッハハハ」


 悪魔は恐ろしい笑い声を鉱山に響かせた。


「くそっ」


 ライトニングは、一旦悪魔から離れた。


 すると、ディストラが話しかけてきた。


「ライトニング様、まずいですよ。あいつは魔将軍の一人、ドッペルゲンガーのコービアです。コービアは、スライムの変化する魔法に相手の全てをコピーする、魔力の覚醒による追加効果を付与している完全コピーの使い手なんです」


 ディストラは焦った様子で早口で話した。


「でも、コピーのストックとかは出来ないので、そこを上手く利用すれば勝てるのですが」


「すでに、最強の僕がコピーされてるから絶望的という訳か」


「はい」


 すると、コービアは一度スライムの姿に戻った後、ライトニングの姿に変化した。


「ふっ、マジでドッペルゲンガーだな」


 いや、強さも同じらしいからそれ以上か。


「まぁ、確かに僕一人じゃきつかったかも知れないが、今回は一緒に戦ってくれる二人が居るんだ、なんとかなるさ」


「そうだな」


「そうですね」


 コービアは準備体操をし始めた。


「おぉー、この身体は今までコピーした中で一番動きやすいな。魔力も無限に感じるし、何よりこの漆黒の雷がおかしいほどの性能をしている」


「そりゃあそうだろ。自身の思う最強の概念そのものを付与できるんだからな」


「ほう、それは素晴らしい」


 コービアは不敵な笑みを浮かべている。


「まぁ、能力の説明は程々にして早く始めようか」


「フッ、今まで自分自身に勝てたものは魔王様と他四人しかいない、お前はどうだろうな」


「すまんな。今回は一人じゃないぜ。自分があまりにも最強すぎるからな」


「出てこい、ディストラ」


「はい」


 ディストラは影から出て姿を現した。


「なっ! お前は裏切っていたのか!」


 コービアは冷や汗を流しながら驚いたからか、後退りした。


「サンダーパラダイス……。危険な組織なのは確定ね」


「サンダーパラダイスには悪魔もはいっているのか!」


「ますます本当に味方か怪しくなってきたな」


 コービアとは別にレイラ達も驚いていた。


「フッまぁいいさ。どうせ勝つのは私だ。ついでに裏切り者も始末しよう」


 コービアはそう言って素敵な笑みを浮かべていた。


「さぁ漆黒の雷を操りし同胞たちの仇よ。私が思う存分仲間の敵を取ってくれるわ!」


「ふっ、仲間意識が低いのに、仇はちゃんと意識してるんだな」


「そりゃあそうだろ?」


「そうか、まぁいいさ。僕はお前を倒してさらなる最強に近づいてやるよ」


「さぁ来い!」


 コービアは明らかに気分が高揚していた。


「行くぞ二人共!」


「はいっ!」


「了解です!」

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