34 新生サンダーパラダイス始動
アンナ達を新たな道へと導いた僕は、ディストラを連れて部屋に戻った。
「いやーしょうがないことだけど、今日は寝不足確定だなぁ」
「そうですね。それに明日にはこの街を出るんでしたよね」
「そうなんだよ。だからゆっくりできないんだよな。一応ハルカに頼んで回復魔法かけてもらうか」
「それが良いですね」
「うん、それじゃあおやすみ」
「はい、おやすみなさい」
こうして、ライムとディストラは眠りについた。
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翌朝。
ライムはゼーレ達と一緒に部屋に運ばれてきたご飯を食べていた。
「ライム、ハルカ、今日の昼までにはこの街を出るけど用意はできてる?」
「うん、バッチリだよ」
「私もできてるわよ」
ライム達は豪華な朝ごはんを食べながら話していた。
「そうか、それとご飯を食べ終わってから11時半までは、自由行動だから体を休めといてくれ」
「了解」
「私はお風呂に入っとくわ」
「ハルカは、本当にお風呂が好きだよな」
「えぇそうよ」
こうして、僕達は一度解散した。
ご飯を食べ終わった僕は、部屋で少し休んでいた。
「それじゃあ、僕達は社長室に行くか」
「はい、今日から暫くアンナ様達に会えないですからね」
ディストラは、影から少し顔を出してそう言った。
「後、シエル達にも会っときたいしな」
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社長室に向かっている途中、何度か従業員さん達に握手など求められて、着くのに一苦労だった。
「いやー、僕って有名人だなぁ。アハハハハ」
「浮かれすぎですよ」
「おっ、嫉妬か?」
「そんなわけ無いでしょ。私は陰の者何ですよ? 目立つわけには行かないですから」
「それもそうか」
そう言っている間に、社長室の前に着いていた。
「よし、社長室に着いたぜ」
「失礼します」
中に入ると、シエル達やジョンさんは居たが、アンナ達、虹雷剣の姿は無かった。
「あ、おはよう御座います、ライトニング様。こちらライトニング様の要望にあった服でございます」
ジョンさんは、ハンガーに掛けてある服など一式をクローゼットから出して僕の前に持ってきた。
「ライトニング様や虹雷剣の皆様方、それにシエルさん達の服だけ特別にご用意させて頂きました」
そこには、僕の要望をしっかり汲み取りつつ、より格好良さが増している服達が並んでいた。
「うわぁーかっけぇ。しかもちゃんと黒だけじゃなく黄色も程よく入っていて陰の組織っぽくなさすぎる。完璧だ。てか、仕事が早いですね。ありがたいです」
「ありがたいお言葉ありがとうございます。伝えておきます」
「うん、お願いするよ」
これで、普段着ているコートと使い分けができるな。
取りあえず、この服はリュックに詰めるか、今着るのはもったいないしね。
すると、アイが近づいてきた。
「おっはよーございまーす。ライトニング様」
「うん、おはようアイ。今日も元気だね」
「うん、アイ。ちょー元気!」
アイはそう言いながら、僕を強く抱きしめてきた。
「こら、アイ。元気なのは良いけどあまりライトニング様を困らせちゃだめよ」
「はーい」
「僕は全然良いよ。あっシエルもおはよう」
「おはようございますライトニング様」
「カルラもおはよっ」
「おっおはよう御座います。ライトニング様」
カルラは相変わらず緊張してるな。
ただの人見知りなら良いんだけど、人見知りじゃなかったらただ怖がられてるだけになるからな。
「そうだ、シエル。アンナたちってどこに居るの?」
「アンナ様達なら、朝早くに本拠点に戻られて、これからの仕事や、人員の調整などをすると言っていました」
まじか、優秀すぎて逆に心配になるタイプじゃん。
昨日は眠たかっから後回しにしたけど、アンナとノアになにかお礼しようとしてたのに。
まっ、次会った時でいっか。
「そうなのか、まぁ言いたいことは言えたし、服もいつかは見れるだろうからいっか。それじゃあ今日からよろしくな、シエル、アイ、カルラ」
「はいっお任せ下さい」
「お任せ下さいなのです!」
「がっ頑張ります!」
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僕はそれから近くの山に行き、日課のトレーニングをしている。
「95、96、97、98、99、100……。ふぅー」
「ライトニング様。休まなくて良いんですか?」
「ん? あぁ確かに疲れてるけど日課のトレーニングはサボりたくないし、ハルカも居るし大丈夫だよ」
「そうですか。でも、そういう努力がライトニング様を最強にしたんですもんね。私も見習わないといけません」
僕達はその後も約束の時間ギリギリまでトレーニングを続けた。
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数十分後。僕達は荷物をまとめ街の北門に居た。
門の近くには、多くの人が僕らの見送りに集まっている。
「ジョンさん。今までありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそ短い間でしたが勇者様にあえて光栄でした」
「ライムさん、ハルカさんもお気をつけてくださいね」
「はいっ、ありがとうございました」
「まぁ私は付き添いなんですけどね」
一通り挨拶を終えた僕達は、町を後に旅に出ようとしていた。
「皆んな荷物は持ったな?」
ゼーレが僕達の方を見て言った。
「うん、持った」
「持ったわよ」
「よし、それじゃあ行きますか」
僕達が街から出て歩いていると、後ろから見送りの言葉が聞こえた。
「私達はいつでも待っていますので、またお越しくださいね」
「勇者様達〜、頑張ってくださーい」
「うん、またねー」
こうして僕達は、2日間お世話になった温泉街を後にした。
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数時間後。僕達は、森で休憩をしている。
「なぁハルカ。ここからレイラの居るはずの村までどのくらいなんだ?」
「ここから2日程で村に着くわよ」
「まぁライム。急がずに行こうよ」
「うん、そうするか」
後ろには戦闘服に着替えて、木の陰に隠れているシエル達の姿があった。
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その頃、サンダーパラダイス本拠地では任務の引き継ぎや、新たな商会設立に向けて大忙しだった。
アンナの居る会議室に、ユキネが訪ねた。
ユキネが扉を叩いた。
「入っていいわよ」
「失礼します」
ユキネは扉を開けて中に入った。
「取りあえず商会は設立できそうね。ユキネ」
「そうですね、サンダーパラダイス傘下の会社に経営指導や金銭の援助などの要請をして、昼には許諾が降りましたからね」
「皆んな、仕事が早くて本当に助かるわね」
「そうですね、私も商会についてだいぶ教えてもらいました」
アンナ達は安堵の表情を浮かべながら話し合っていた。
「入りますよ」
そこに、組織の戦闘服一式を七人分持ったツカサと他の4人が来た。
「これがライトニング様考案の戦闘服だぜ」
ツカサはそう言って、長机に服などを広げた。
広がった戦闘服一式を見たアンナが話し始めた。
「改めて現物を見ると、より良い感じに仕上がってるわね」
「そうですね。流石はライトニング様だ」
ホノカは生地の触り心地を確認していた。
「本当にあの人は偉大な方ですね」
ユキネは服を手に取り、サイズがあっているか確認した。
「ボク、早く着たいです!」
「ラビッシュ、これは戦闘服だから、基本戦闘をするときしか着れないんだよ」
ノアがラビッシュを掴み、優しい口調でそう言った。
「じゃあノア、今から僕と戦うのだ!」
「嫌だよ。僕はホノカとツカサと一緒に軍を作らないとだから。ミズキにでも頼みなよ」
ノアがそう言うと、ミズキは慌てて話し始めた。
「なっ! 私だって、やることがあるんですよ!」
「まぁ確かにそうか。じゃあ残念だけど、そこら辺の暇そうにしてる奴を捕まえて来い」
「むぅー。分かったよ。暇そうな奴をさがしてくる。行ってきまーす」
「行ってらっしゃーい」
ラビッシュは会議室から飛び出していった。
「ちゃんと村の外で戦うかしら?」
「大丈夫だよ、アンナ。流石のラビッシュもそこまでバカじゃない」
ノアは、戦闘服を整えながらそう言った。
「確かにそうね」
「それと、皆んなに再確認しておくことがあるの」
「何だ?」
「皆んなわかってると思うけど、ここからは、私達サンダーパラダイスの活動が直接、勇者の命運を分けることになるわ。まぁ彼が居れば安全だと思うけど、気を引き締めて、各々の仕事をきちんとこなしていきましょうね」
「えぇ勿論です」
「了解だぜ!」
アンナの言葉で、虹雷剣達は更に気を引き締めた。
「さて、それじゃあ、皆んなも戦闘服一式を持ったら仕事に戻って頂戴」
「はーい」
「またな」
こうして、皆んな各々の返事をし、会議室から出て行った。




