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弱小球団奮闘記  作者: 鈴兼哲
1章:1年目
12/17

8話:シーズン開幕前

約1カ月に及んだオープン戦。全16試合を戦い10勝5敗1分と上々の結果を見せた。

オープン戦の成績はそのままシーズンに直結するわけではないが球団関係者や選手、ファンは心の中では「今年はやれる」という自信ができたようで・・・


そして、人知れず一軍の開幕1週間前の3月22日に二軍のシーズンが幕を開けたのはいうまでもない・・・

若手ばかりかと思いきや二軍の開幕投手はベテランの箕浦投手だったとは他球団の首脳陣は知る由はなかった



そして、球界初の試みとして都内ラグランジェプリンスホテル高ノ輪国際ホールで12球団の監督が勢ぞろいして開幕に向けた抱負をファンとマスコミ向けのイベントが開催されようとしていた



「皆様、大変お待たせいたしました。只今より2010年プロ野球シーズン開幕前、12球団の集いを始めたいと思います。司会進行は私、佐野悠基(さのゆうき)が勤めさせていただきます。それでは12球団の監督さん壇上へどうぞ」


司会のアナウンスで昨シーズン5年ぶりの日本一に輝いた大阪浪速タイガースの十和田敦(とわだあつし)から順に上がる12球団の監督。1人ずつ順に壇上に上がるたびにファンから温かい拍手が響いていた




「では、昨シーズン日本一に輝きました大阪浪速タイガースの十和田監督、開幕に向けて抱負をお願いします」


「今年はリーグ連覇、そして連続日本一を目指して戦います。ご声援どうかよろしくお願いします」


「そして、こちらが大阪の1軍登録メンバーです」



ホールのビジョンに映し出されたのは1軍に登録された全26選手の顔写真と昨シーズンの成績が表示されていた

登録メンバーの中にはアニキこと兼本や代打の神様と称される会山(えやま)、開幕戦の相手である名古屋戦通算25勝左腕の能美(のうみ)、昨シーズン最多勝利と最多奪三振2冠の近藤(こんどう)などそうそうたるメンバーが登録されていた。



※1軍登録選手:1軍の試合に出場できる選手のこと。各球団最大で28人登録することができ、そのち25人までベンチ登録することができる。



因みに、他のどの球団も開幕1軍に選ばれた選手は昨シーズンとさほど変わり映えしていなかった・・・とか

広島が若手を積極的に登録していたや北海道が3年間1軍で投げていない投手を登録とかはあったが・・・



「最後は横浜シースターズ、指揮を執るのは杜克己監督です」


「皆さん、初めてお目にかかります。今年から指揮を執ることになりました杜克己です。最下位脱出を目標に今シーズンを戦っていきたいと思います。ファンの声援で選手たちは燃えるはずです、どしどし球場に足を運んでください」


「そして、開幕1軍登録選手たちだー!」


投手:西田、垣ヶ原、深江、金城、江村、箕浦、小出、勝喜、伊藤、陽

野手:鶴、原口、櫟、西岡、近藤、比企、A.トニー、鶴岡、庄司、ディラン、昭人、糸井、鵜島、G.W.ベロン、森下



続々と名前が発表されてい行く中でファンからは驚きの声が幾度か漏れた。

チームの大黒柱である箕浦が呼ばれたが球界最年長の杉下の名が呼ばれなかったからである、ファンは内心「開幕は箕浦か…」と思ったことだろう・・・


横浜の開幕登録選手を聞いて開幕戦の相手、東京ツインゴリアスの監督である原辰巳(はらたつみ)はほくそ笑んだと同時に「開幕投手は箕浦。楽に開幕3連勝」と内心では思っていた

しかしながら、監督の思惑はものの見事に外れる・・・とはこの時思っていなかった


ファンイベントは盛況のうちに幕を閉じ、各球団の監督は先ほどのイベントで公表された登録選手から開幕予想オーダーを立てたのはいうまでもない

それは杜とて例外ではなく・・・


(思った通り昨年の開幕メンバーが多いな、ただ投の中心がいないのは気になるな。新人はいないし新戦力も見立て通りだし…。あとは開幕まで対策をとればアイツでも勝てるだろうな)



「杜監督ですね?」


「はい。そうですが」


「始めまして。東京ツインゴリアスの原です。開幕は互いに健闘しましょう、そうファンのために」


「こちらこそ、名門ツインゴリアスと開幕を迎えるなんて夢のようです。開幕は胸を借りるつもりで…」


「胸を借りる…とはまた、まぁ詮索はこれくらいにして当日楽しみにしていますよ」


「こちらこそ」



原は杜との会話をそこそこに切り上げて立ち去った


(新人監督の割に目が真っ直ぐ見つめていたし、なんだあの自信は…。ふっ開幕が楽しみだ)



(恐らく、ツインゴリアスの開幕はメンバーから考えれば5年目の宮原(みやはら)あたりだろうな。奴とは昨年1度だけ対戦していたよな。あとは2軍の試合を中心に…ってあるかな?)



開幕まであと7日。新生横浜シースターズの船出の行方は・・・



☆鶴信二☆

9年目32歳 捕手

昨シーズンから選手会長を務める野手陣の中心選手でシースターズの頭脳ともいわれる

昨シーズンからシースターズの若手を誘って合同自主トレを行うという後輩思いの一面もある

獲得タイトル:なし


昨シーズン成績:144試合 打率.245 4本塁打 37打点 0盗塁

通算成績:984試合 打率.207 5本塁打 50打点

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