↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱小球団奮闘記  作者: 鈴兼哲
1章:1年目
PR
11/17

7話:キャンプ打ち上げ、オープン戦

2月も下旬になり各球団が春季キャンプを打ち上げに入って、オープン戦へと流れは移り変わりつつあった。

それは、横浜シースターズも同様で2月23日にはキャンプを打ち上げていた



横浜の練習試合の成果

2月15日 対大阪4-3○

17日 対千葉0-1●

18日 対千葉1-3●

21日 対広島2-3●

23日 対東北3-1○



オープン戦初戦を前日に控えシースターズの試合に出場予定の選手たちが宮崎県のホテルに宿泊

そんなホテルの一室では・・・


「監督、いよいよ明日からですね」


「そうだな。オープン戦だがな」


監督が泊まっている部屋に集まったコーチ陣一同


「しかし、明日のスタメンはこのメンバーですか」


「選手たちの結果は今は必要ない。このキャンプでどれぐらい動けるのか。そして、どんな課題を持って臨むのか、が私は気になるのでな」


杜がコーチ陣に渡した紙には広島レッドパール戦のスタメンが記されていた。


1番 センター 昭人

2番 セカンド 西岡

3番 ファースト 堂峯

4番 サード 阪口

5番 ショート 尾川

6番 レフト 糸井

7番 D.H ベロン

8番 キャッチャー 原口

9番 ライト 森下

先発 垣ヶ原



「中堅…いや、若手ばっかりですね」


「中堅選手やベテラン選手は開幕に照準を合わせて調整してくるだろうから、気にはしていない」


「先発が新人、オープン戦と言えども相手は昨シーズンAクラスの広島ですよ」


「その広島との昨シーズンの対戦成績は?」


「11勝11敗2分けです」


「五分五分か…。それに相手もオープン戦だ、選手の調子を見てくるだろう。それに本番は3月からだ。」


杜が見据えるのはオープン戦ではなく3月から始まる長いシーズン

いくらオープン戦で好成績であろうとシーズンが始まったら低迷というチームを多くはない

そして、それらのチームの多くは監督更迭…という事態も



「選手たちには明日の試合は伸び伸びプレーをしろ、と伝えておいてください」


「「「はい」」」






そして、迎えたオープン戦初戦の朝、シースターズの選手は10時ごろにホテルから日南球場入りをした

現在は、打撃練習の最中・・・



「野手陣は調子よさそうですね」


杜は打撃ゲージの後ろで波留打撃コーチと野手陣の調子を見ていた



「そうのようですね。昭人が特に振れています」


ゲージの左打席から低い弾道で快音を響かせる2年目の昭人

そんな昭人の快音に触発されたのか右打席に入っている堂峯も負けじと快音を響かせていた


「広島の先発が誰でしょうか?」


傍らの波留打撃コーチが広島の先発予想を聞いてきた

杜は「オープン戦初戦だから若手投手では」と返した



「話は変わりますが、監督は広島をどう思っていますか?」


「どうって…。『赤ヘル機動隊』のイメージが強いですね」



※『赤ヘル機動隊』:広島が赤色を基調とした縦縞ユニホームを使用している事と球団創設から一貫して足を使った攻撃を得意としていることから名づけられた。

さらに、ここ10年連続してチーム盗塁数が150個以上と機動力重視である




「昨年までは『機動隊』でしたが、スコアラーの話ですと今年は『超機動隊』みたいですよ」


「『超機動隊』…ね」


「下手したら1番から8番まで全員走れるとのことですし、打者関係なしに犠打や、盗塁、スクイズとか仕掛けてくるとのスコアラーの見解です」


1番から8番までということは捕手も走れる…ということです。

バッテリーとしては気が抜けない打線になっている模様。

尚、筆者は結構好きです(笑)



「…それはやっかいだな」


「そうですね。まぁウチも似たような攻撃ですけど…」


「それを言うな」



試合開始予定の30分前となって両軍の監督がホームベース付近に歩み寄ってきた。

そこで杜は懐かしい顔を見る事となった



「よう克己(かつ)。久しぶり」


「もしかして、哲也(てつ)か? お前監督していたのかよ」


「昨年の途中から。正式な監督としては克己(かつ)と同じ」


広島の監督鈴薗哲也と杜は高校・大学と一緒に通っていて、同じ野球部に所属していて殆ど旧知と言ってよい間柄である。


鈴薗は杜とは違って大学2年の時に右肩を手術して4年まで学生コーチとして杜やその他の選手を支えていた。そして、右肩が癒えた4年の秋に広島の入団テストを受けた経緯がある。

入団テストの結果は育成として入団が決定。育成2年目で支配下選手登録されるも実働4年で現役を引退。引退後は若手からの人望も厚かったので球団が2軍コーチのポストを用意。

2軍で経験を積んでから1軍のコーチ業を歴任。前任の山家(やまえ)監督が成績不振で解雇されてから監督代行を務める。監督代行になった時にあったチームの借金を完済し熾烈な3位争いを制し、チームを実に19年ぶりとなるAクラスまで押し上げた手腕を買われ、今シーズンから正式に監督として就任している。



「旧知と言えど手は抜かないからな」


「それはこっちも同じセリフだ」


両監督はメンバー表をそれぞれと審判団に渡し、挨拶を済ませてベンチへと引き上げた



今回は試合の方は割愛します。

試合結果は殆ど主力をそろえた広島が9-1で横浜を下した。


広島に敗れはしたものの1番で起用した昭人が3度出塁すると一人気を吐いていた。

そして、42歳ベテランのベロンが4回の第2打席で併殺打を打って一塁に駆ける際に右脹脛の肉離れを起こしたとか…。




☆G.W.ベロン☆

14年目42歳 外野手

大阪浪速タイガースに入団してから兵庫六甲ブルース、埼玉ブルーナイツ、鹿児島マイントパイレーツと4球団を渡り歩き横浜で5球団となる外国人であるが、FA権を取得したため外国人枠から除外される。

初来日から力に任せた打撃が持ち味で本塁打王と打点王を獲得する。長打力に陰りが見え始めてからは安打を量産するスタイルに切り替える。

やたらと怪我が多いのが致命傷。昨シーズンは怪我に泣かされシーズンの大半を棒に振るう。


昨シーズン成績:28試合 打率.215 5本塁打 28打点 0盗塁 ←来日してからワースト成績

通算成績:1378試合 打率.206 294本塁打 1307打点 0盗塁

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。