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View ー 覗き見 ー  作者: 喜遊元 我可那


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15/15

対価とペナルティ

「あっ終わったみたいだね…。これでまた一つ、誰かの日常が終えた様だね…」

 何も映らない大きなモニターを観ながら、見知らぬモノが言う。

「今観た日常って、ちょっとホラー感が有ったり、心霊的な部分も有って、中々見応え有ってさ、結構楽しめたよね。君は如何だった?」

 見知らぬモノが、如何だったのかと聞いてきた。

 正直、余り感想を述べたくは無かったが、今迄通りにコクンと頷き、見知らぬモノの意見と同じだと答える事にした。

 そうしないと多分、見知らぬモノの機嫌が悪くなり、余り得策では無いと、何故か思えたからだ。

 案の定…

「だよね〜、君も僕と同じだと思ったよ〜。凄いね〜、此処迄同じ感性だとさ、他人じゃない気がしない?もぅ既にさ、同じ人物にさへ、思えてくるよね…へへっ…」

 等と言って、とても上機嫌の様子だ。

 自分としては、見知らぬモノに同調して良かったと思う。

 以前、同調せず、暫し黙ったままでいた時に、とても不機嫌そうな表情をし、何故か見知らぬモノから、危険な香りが漂って来た。

 下手をすれば、身の危険を感じずにはいられないと、見知らぬモノと同調したのだが、同調した途端に、あれ程感じていたヒリツク感じは、しなくなっていた。

 それを思い出し、今回も同調したのだが、同調して正解だと、やはり思えたのだった。

 そう、安堵していると

「そういやさぁ、今回の日常、初めは可愛らしいワンちゃんが一匹、窓の外を眺めて、ウロウロしたと思ったらさ、寝ちゃって夢を見て、その夢がさ、少女のかくれんぼになったでしょ?それだけでも、ん?ってなったのに今度はさ、少女だと思ってたら醜い男の姿に変わるんだもん…もぅビックリしたよ…。君もそうだっただろ?」

 見知らぬモノの意見に、今回は素直にそう思えたから、自分も同じだと何度か頷くと

「だよね〜!まさか、あんなに可愛い少女がさ、ひっどく醜い男になるんだもん、あそこ迄醜い姿をしてるだなんて、それこそ思わなかったし、見たくは無かったよ…」

 その意見にも、確かにそうだと思えて、うんうんと頷いた。

「でさ、日常が進んでくうちに、醜い男がドアを開いたでしょ?その先に見える風景が、悍ましい犬と、グロテスクな部屋が映し出されててさ、あれ?もしかして、この犬とあの犬は同じモノ?部屋も同じモノなのかな?って思ったらさ、あの可愛らしいワンちゃんは見た目だけで、偽物だったのかよ!?って驚いちゃったよね…。未だに信じられないよ…」

 この意見にも、全く同じ感想を抱いたから、数回頷いてみせた。

「それにさ、あの酷く醜い罪人の男が、この日常を覗き見し始めた時に出てきた男だよね?あれ?違ったかな…いや間違いない!あの殺人者だよね〜。まさか今回の日常にも登場するだなんて、何だか不思議な感じがするよね?」

 この意見にもとても納得し、まさにその通りだと力強く、うんうんと頷いた。

「あはっやっぱり〜?君もそう思ったんだ〜。アハハ〜ッ自分と同じ感想だと、何だか嬉しくなるね〜アハハハハ〜ッ」

 とても嬉しそうに、無邪気に笑う見知らぬモノ。

「アハハッあ〜笑った…。余りにも嬉しくて、本当、笑いが止まらなかったよ…」

 一頻り笑い、満足そうな見知らぬモノが

「あの世良場って奴?あいつ、本当何してるんだ!?って、僕は思ったよ…。どれだけ悪事を働いたんだ!?ってね…。バカだよね〜本当、世良場って男はさぁ…。人恋しくて、全てを殺し喰べるだなんてさ、ハハッバカな奴…。やってる事、矛盾してるって思わなかったのかな〜?本っ当、バカだよね〜」

 世良場の馬鹿さ加減を笑い、小馬鹿にする見知らぬモノ。

 自分もその感想に共感したのだが、何故か頷こうとしても、上手く頷けない…。

 何故だろうと思っていたら

「あれ?今の感想には、共感出来なかった?返事が、返って来ないけれどさ…」

 違う、そうじゃないと、首を横に振りたいのだが、首を振る事も、何故か上手く出来ない…。

 余り怒らせたくは無い相手だから、ちゃんと意思表示を示そうとするのだが、体がいう事を効かないのだ…。

 何故だろうと、ボンヤリ考えていたら

「んん?おや?…あぁ、なぁ〜んだそういう事かぁ…君、今とても眠たいんだね、疲れた顔をしてるよ…。瞼も閉じかけてるしね…」

 見知らぬモノにそう言われると、確かに疲れを感じ、眠気が襲ってきた感じがする…。

 だから上手く、返事が返せなかったのだと思った。

 そう思うと次第に、強い眠気で体が動かせなくなってきたみたいだ。

「………やっぱり君は、疲れてるんだよ…。そりゃ〜そうだよね…。だって、此処迄ずっと通して観て来たんだものね…。休憩を挟まないと、流石に体が持たないよね…」

 極上な椅子から立ち上がり、ゆっくりと此方に近づいて来る見知らぬモノ。

 優しい笑みを浮かべながら、顔を近づけ

「本当に疲れてるみたいだね…暫く寝ちゃいなよ…。こんな時の為にもさ、超極上のベッドも用意してあるんだしさ、ゆっくり寝ちゃいな?ね?」

 と、優しく語りかけ

「ヨイショっと…。それじゃあ僕が、君をベッド迄運んであげるよ。如何やら歩くのもままならなさそうな程に、疲れてるみたいだからね〜…」

 と言って、語り合う相手を軽々しく持ち上げ、ベッドに運ぶ、見知らぬモノ。

 ありがとうと言いたいのだが、それすら言えそうに無い程疲れているのか、瞼が重く、開こうとしない…。

「さぁさぁ安心して、ゆっくり休むと良いよ。君が目覚めたらさ、また新たな何モノかの日常が、始まるだろうからね…。その時また、一緒に観ようよ…。それじゃお休み…」

 お休みと言って、スヤスヤ眠りにつく相手に、柔らかく暖かい掛け布団を掛ける見知らぬモノ。

 スタスタと、自分の席へ向かっている最中に


 ブゥ…ン……


 大きなモニターに、文字が映し出される。

 その事に気づいた見知らぬモノは歩くのを止め、その場に立ち止まる。

「ん?あー何なに?……ペナルティを執行します?それと同時にぃ…ん?何だ…?対価の支払いを…回…収…しますう?…えっええっ?い、今!?」

 映し出された文章をそのまま読み上げ、困惑する見知らぬモノ。

 更に続きが映し出されて、その全文を読み上げる、見知らぬモノ。

「えぇっと〜何なに?ペナルティの内容とは…」

 モニターに書かれている文章の続きを軽く読み、またスタスタと歩き始め、自分の席に着く。

 テーブルに置かれた、香り高い極上の紅茶を一口飲み

「ふ〜…美味しい紅茶は、やっぱり心が落ち着くね〜。紅茶だけじゃなく、極上なモノはどれを取っても、心が安らいちゃうよね…。あぁ〜落ち着く〜…」

 と言って、紅茶の香りを楽しみながら一人、ゆったりとした時間を暫し楽しむのだった。

 テーブルに片膝を置き、鼻歌を奏で、ゆったりとした時間を過ごした見知らぬモノが

「う〜〜〜んん…はぁ〜〜〜楽になった〜」

 と、胸を張り腕を上に伸ばし、大きく呼吸する。

「如何やら僕も、そこそこ疲れてたみたいだね…。まぁ確かに、此処迄ぶっ通しで観てたからね、疲れない訳が無いよね。この僕でも疲れるんだから、()()()()()じゃあ無理だろうね〜フフフ…」

 此処にきて、また何かを含んだ意味ありげな言葉を口にする、見知らぬモノ。

 何かを含んだ言葉を呟いた、見知らぬモノが

「さてと、あの人の様子でも見に行くかな…」

 と立ち上がり、ベッドで静かに寝ているモノに向かって、歩き出した。

 ベッドに着くなり、ベッドに軽く座って、眠るモノを見ながら

「フフッ…グッスリと眠ってるみたいだね…。寝てて聞こえないだろうけれど、君に伝えたい事が幾つか有るんだ〜。先ずは寝ている君に、此処迄付き合って観てくれた事を感謝するよ、ありがとう…。それとね、さっきさ、モニターに文字が映し出されてさ、その内容がね、ペナルティと対価の内容だったんだよね〜。それを一応伝えておくよ」

 寝ているモノに、語り掛ける見知らぬモノ。

「ペナルティはね、何でも、垣崎 慎司と真帆露達の続きを観る時に、いいえを選択しているのに、無理やり続きを観たモノ達にはさ、如何やら永遠に夢を見続けて、目を覚さないんだって。君は、はいと答えた筈だから、ペナルティを受ける事は無いよね?…でもさ、もし、もしもだけれどさ、本当はいいえだったのに、僕がはいって答えたから、いいえでも、続きが観られると考え、続きを観ていたのなら、ペナルティを受ける事になるんだよね〜。ねぇ君はどっちだったの?…って聞いても、眠ってる君には聞こえてないだろうし、既にペナルティを執行されてるみたいだよね…。残念だよ、本当にね…。君とは楽しく覗き見出来ると思ってたけれど、此処迄の様だね…」

 少し寂しそうにベッドから離れ、眠るモノに、そう話し掛けていく見知らぬモノ。

「嘘を吐いたモノの末路ってね〜、残念だよ…君にはガッカリだ…。でもまぁ良いっか。()()()()()()()()()()()からね…。それじゃ最後に、この言葉を永遠の眠りにつく君に送るよ。嘘を吐くクズめ…永遠の眠りすら、貴様には相応しく無い…。消えろクズ」

 辛辣な言葉を眠るモノに吐く、見知らぬモノ。

「まぁでもさ、此処迄付き合ってくれたお礼として、その極上のベッドは上げるよ。嬉しいだろ?…ハハッ僕って、何て優しいんだろうね〜あはは〜。まぁ正直な話、クズが使ったベッド何て、気持ちが悪くて使えないからね〜。このまま破棄しちゃおうか…」

 そう呟き、パチンと指を鳴らし、眠るモノごと、消滅させる見知らぬモノ。

「これで良し!あ〜スッキリした〜!見てて気分が悪くなるモノは、処分しなきゃねぇ」

 満足そうに呟く、見知らぬモノ。

「さぁ〜てと…次の覗き見は、どんなモノと一緒に観ようかな…。悩むなぁ〜…」

 次の覗き見をする為、一緒に観るモノをどんなモノにするかと、思案していた時

「ん?あれ?またモニターに文字が追加されてきたぞ?…ん?何なに?…」

 またモニターに、追加の文章が、スクロールで表示されてきた。

「えぇ〜と…ペナルティは完了しました…。うん、はいそうだよね〜…。で、えぇ〜と…只今から対価を徴収致します…と、あぁ()()()()()()()()()…」

 対価の徴収が、これから開始されると書かれていた。

 書かれていた文章に、軽い気持ちで相槌を打つ、見知らぬモノ。

 相槌を打った後直ぐ、またスクロールで、追加の文章が現れる。

 モニターに映し出された、追加の文書を読んだ見知らぬモノが

「ま〜た後だしで出てきたよ…。で?ん〜と…エッ!?マジ!?…そんなぁ〜…殺生だよ〜…」

 と、何か見知らぬモノに対して、不都合な内容が書かれていた様だ。

 その内容とは…

「とほほ…マジかぁ…。えぇ〜っと、対価は観るモノによって変わります。観るモノが、今一番欲しいと思うモノ、したいと思うモノに対して、干渉する能力の一部を徴収します。徴収後、干渉は一時的に、使用不可となります。よって、いかなる手段を持っても、干渉する事は出来ません。徴収された分が消費され次第、ご使用が可能となります。以上の内容をご理解された方は、はい又は了解、了承等、肯定でお答え下さい。ご理解、了承出来ない方は、否定でお答え下さい。否定された方は、別のモノを徴収させて頂きます…だって…。あ〜あぁ…僕さっき、はい、了解と言っちゃったよ…。何だよも〜!文章出てくるの遅いよ〜!」

 モニターに映し出された文章を、全て読んだ見知らぬモノが、嘆きながらボヤくのだった。

「はぁ〜…やる気出ない…。だって…僕の欲しいモノ、したいモノって、誰かと一緒に覗き見何だけれど…。それ暫くは、出来なくなるんだ…最悪…」

 と、つまらなそうに、呟いた…。


 あぁ如何やら、僕の徴収が完了したみたいだね…。

 本当は、未だまだ覗き見を誰かと一緒にしたかったんだけれど、徴収された所為で、此処迄の様だね…。

 チェッつまんないよね…。

 暫くって書いて有ったけれど、どれくらい待たなきゃいけないのかな…?

 出来れば早く、終わって欲しいよね…。

 また誰かと一緒にさ、知らない誰かを覗き見したいなぁ〜…。

 はぁ〜長くなければ嬉しいのだけれど、こればかりはその時が来る迄、待つ事しか出来ないもんね…。

 ヨシッ気持ちを切り替えて、その時を待つ事にしようか…。

 それ迄に、次は誰と一緒覗き見するか、選んでおこうかな〜。

 うん、そうしようっと!

 それじゃ僕はこの辺で、一旦お別れしちゃうね。

 次の覗き見が出来るその時を、僕は楽しみにしてるよ…。

 その時一緒に覗き見するモノは、一体誰なんだろう?

 今、()()()()()()()()()()かな?

 それとも、次、覗き見されるのは()なのかも知れないね…。

 それじゃ、覗き見が出来るその時迄…。

 如何でしたか?

 此処迄読んでくれてる読者の方が、少しでも面白かったと思って頂けたなら幸いです。

 このView ー 覗き見 ーは、初めは書く気が全く無く、当然話の内容も決めてもいませんでした。

 知人がカクヨムにて、「実は、自分も小説を投稿してるんだよね」と言って、話が盛り上がりまして、メンバー登録したんですよね。

 その内に、貴方も投稿しませんか?の文章にふと、(このサイトの小説の書き方とか、なろうとは違うのかな?)と、何気に一行分だけ書いて、何ヶ月も放ったらかしにしてました。

 暫く経って、件の知人に、「このサイトで小説書かないの?書いてくれたら読むのに…」の一言で、「よしっ、自分もちょっとだけ書いてみるかぁ〜」と、少しずつ言葉を紡ぎ、完成させた小説です。

 完成後、自分でも(よく書き上げたよなぁ〜。矛盾も無さそうだし、何よりも、見知らぬ誰かの存在に、仕掛けがきちんと表現出来たのが、ビックリだわ…)と、思いました。

 そんなふわっとした感じで作り上げた作品です。

 如何?凄くないですか?

 自画自賛をして、締めようと思います。

 此処迄のお付き合い、誠にありがとうございました。

 また家族やキューも引き続き、投稿して行きますので、そちらの方もお付き合い下さいませ。

 ありがとうございました♪


         by 喜遊元 我可那でした。

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