第83話「懸念」
「オレスの分」
何故、背後から声が聞こえるのだろう。
「ぐああああ」
次の瞬間、新たな痛みが体を支配する。
魔族の右腕は切断され、地にぼとりと落ちた。
魔族の背後にニカルが立っていた。
ニカルが魔族の腕を斬り落としたのであった。
リッターはニカルが近づいてるのが分かったのであえて、上空で視線を上に向けさせてたのであった。
「ニカル!」
リッターは地に着地すると、全速力でニカルに飛び掛かる。
ニカルを避けその背後に。
「リッター!」
リッターは木々に叩きつけられた。
ニカルは後方に飛び去る。
新手の魔族であった。
「ゴウィン。はしゃぎすぎだ」
「……マズララグア族ね」
ニカルには新手の魔族を知っていた。
「エドゴウ!アレは俺が殺す」
「好きにしろ。だが、皆でやるぞ」
「はぁ?」
「そういう指示だ」
「……っち」
マズララグア族。
特徴的な見た目をしており、人間と間違うことはまずない。
まず身体が大きい。
二メル以上はある。
そして、単眼で顔の中央に真丸く眼球が主張している。
鼻はなく、大きい口。
そして、体が大きいだけでなく金属のように硬い。
鱗のような皮膚をしている。その皮膚は自身の魔力に反応し硬化しているようで、死体の皮膚はさほど硬くない。
ニカルは相手の出方を伺う。
エドゴウはニカル達など眼中にないようであった。
ゴウィンを担ぎ、そのまま立ち去った。
「いいのか?」
「ええ。あれじゃ分が悪いもの」
気にせず背中を向けている。
だがニカルはそのまま見送った。
「一度戻りましょう」
オレスは死んではいない。
相手にそれ相応やり返した。
「そうだな。だが、あれとは避けれねぇぞ」
「分かってるわ。いかにも執念深そうだったしね。目的は?」
「さぁ。声かけた途端ヤリあいよ」
「そ。困ったわね」
果たして、あのお兄さんは素直に教えてえくれるのか。




