表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宿屋の娘は聖女と呼ばれ転生す  作者: 紅羽夜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

311/436

第311話「お褒めの言葉」

「フィーナ・ロスダル・ダルサグ、サラティス・ルワーナ・リステッド、エステリア・ノウヴァ」


 三人の名が呼ばれ、厳かな空気の中を泳ぐ。

 三人はこっそりと合図しあい、揃って前に出る。


「正直儂は魔術に詳しくない。おぬしらの研究内容が凄いということは理解できるのじゃが、どれだけすごいは理解できておらん。魔術師達の騒ぎ具合から探るしかできん。此度の発見、よくやった。先五人と違い、こればかりは努力だけでどうにかなる訳じゃない。運や環境なども関係してくるじゃろう。なので、引き続き頑張れと言っても何をとなるじゃろう。じゃが、三人は一学年でここに立った生徒は記憶がない。この国にとって若き優秀な人材は宝。来年同じように何かを見つられんでもいい。日々正しく生活し、学園生活を過ごすように」


 王がふと穏やかな笑みを浮かべる。


「時に、幼いのに生意気だ、そんなの非常識だなんてのが言われるやもしれん。おぬしらには実績がある。所詮は妬みだと、本気にすることなく自分の信じる道を進むのじゃ」



 そして、ヴァルザから一人ずつにペーパーナイフが手渡された。


「三人には申し訳ないのだが、魔術発表に関しては複数人の場合は人数ではなくチームに一つという決まりがあり、全員には渡せない。先に所有権を決めてくれ」

「お父様、今決めなくてはならないものでしょうか?」

「ああ。これはルリレッタ工房が作った記念品。過去誰が所有するかで揉めたことがあってな。この場で決めてもらうことになっているのだ」


 王の御前である。

 ここで決めたことを覆してなどの暴挙は当人、家の格にすら影響が出る愚行である。


「私は不要なので、お二人で決めていいですよ」


 サラティスからすれば、風魔術でどうにでもなるので、普段からペーパーナイフを使う場面がない。


「……」

「……」


 二人は沈黙した。

 正確には何を言えばいいかと停止であった。

 本音は二人とも欲しい。

 フィーナからすれば、王女の立場で欲しいと言えば、確実にエステリアが譲るのは分かっている。なので言いたくても言い出せなかった。

 エステリアも当然、王女を差し置いて自分が貰うなどありえないと黙っていた。


「……分かりました。これは私が貰います」


 サラティスは二人の様子から解決案を提示した。


「ええ、それがいいわ」

「サラちゃん主導ですから、私も異存はありません」


 こうしてペーパーナイフをサラティスが受け取った。

 二人の分を後で個人的に依頼して作ってもらうつもりだ。


「本来であれば、これにて終わりなんじゃが、今日は珍しいのが来ておってな。……入れ」


 王の合図とともに扉が開く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ