第310話「絶対サボりですよ」
沈黙の中、ルリレッタは手にハンマーを持ち、振り上げる。
『カン』
それはとても小さい音だが、校庭に広く響き渡る。
ルリレッタはナイフを手に持ち、上に掲げる。
零れた水のように歓声が溢れる。
ルリレッタは一礼し壇上から去って行った。
「か、感激です」
エステリアの目はうるうるであった。
「七年ぶりだから一度見れるかどうかだものね。は、まさかサラ何かお願いしたの?」
「してないですよ。でも七年ぶりって少し怠けすぎじゃないですかね」
「サラ、失礼よ。ルリレッタ様は、とても忙しいお方なのよ?」
「いや、違いますね。一年に一回しかないので予定は空けてるはずです。で、朝起きれなくてとかで来ないとか、そんな感じがしますね」
「ちょ、サラ。そういうのはあんまり大きい声で言わないの」
「サラちゃん、ルリレッタ様のファンは多いのですよ。サラちゃんは親しいので軽口のつもりでも、他の人が大袈裟に捉えてしまうかもしれませんよ」
「あー、ありがとうございます。確かにそれは気を付けないとですね」
大半の生徒にとって学祭はこれにて終わりだが、三人は翌日がある。
翌日、制服姿で王宮へと足を運んでいた。
各部門の優勝者、発表の最優秀に選ばれた発表者には王に謁見し、お褒めの言葉を貰えるのだ。
サラティス達は謁見の間に入ると、ほどなくして王と、ヴァルザがやってきた。
「ジェリド・ルワーナ・リステッド」
「は、はい」
ヴァルザのが読み上げジェリドが一歩前に立つ。
「上級生に勝ったのは立派じゃな。日々の研鑽の賜物であろう。これからも精進し、将来国の為に尽くしてくれ」
「は」
ジェリドは深々と頭を下げた。
「ギブン・レイブン・ガルヘブン」
ジェリドが下がり、隣の生徒が前に立つ。
格闘で優勝した五学年生だ。
「去年の雪辱が果たせたようじゃな。おぬしは家を継ぐのじゃろ?慢心せず、国のために尽くしてくれ」
「はい」
「ミリア・ラーヴェル」
「はい」
「先と同じになるが、上級生に勝つ。しかも女子の身でときた。よくやった。いいか、おぬしは魔人だろう?此度の活躍、嫉妬などから愚かな戯言を投げられることがあるやもしん。だが、儂は努力の証だと思っておる。腐らず励むように。それと王宮は血で差別せん、それを忘れないように」
「あ、ありがとうございます」
ミリアは頭を深々と下げる。
「スライド・ラムル・タラディン」
魔術で優勝した生徒だ。
「忍耐を軸にした戦略、実に見事じゃった。おぬしは家を出て王宮に仕えると聞いた。その力を遺憾なく発揮し、この国に尽くしてくれ」
「はい」
「ホナヘド・マール・ムウ」
回復魔術で最優秀の評価を受けた生徒だ。
「回復魔術の速度、練度共に素晴らしかった。おぬしも王都の病院に仕えると聞いた。その力を遺憾なく発揮し、この国に尽くしてくれ」
「はい」




