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宿屋の娘は聖女と呼ばれ転生す  作者: 紅羽夜


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310/435

第310話「絶対サボりですよ」

 沈黙の中、ルリレッタは手にハンマーを持ち、振り上げる。


『カン』


 それはとても小さい音だが、校庭に広く響き渡る。

 ルリレッタはナイフを手に持ち、上に掲げる。

 零れた水のように歓声が溢れる。

 ルリレッタは一礼し壇上から去って行った。


「か、感激です」


 エステリアの目はうるうるであった。


「七年ぶりだから一度見れるかどうかだものね。は、まさかサラ何かお願いしたの?」

「してないですよ。でも七年ぶりって少し怠けすぎじゃないですかね」

「サラ、失礼よ。ルリレッタ様は、とても忙しいお方なのよ?」

「いや、違いますね。一年に一回しかないので予定は空けてるはずです。で、朝起きれなくてとかで来ないとか、そんな感じがしますね」

「ちょ、サラ。そういうのはあんまり大きい声で言わないの」

「サラちゃん、ルリレッタ様のファンは多いのですよ。サラちゃんは親しいので軽口のつもりでも、他の人が大袈裟に捉えてしまうかもしれませんよ」

「あー、ありがとうございます。確かにそれは気を付けないとですね」


 大半の生徒にとって学祭はこれにて終わりだが、三人は翌日がある。

 翌日、制服姿で王宮へと足を運んでいた。

 各部門の優勝者、発表の最優秀に選ばれた発表者には王に謁見し、お褒めの言葉を貰えるのだ。

 サラティス達は謁見の間に入ると、ほどなくして王と、ヴァルザがやってきた。


「ジェリド・ルワーナ・リステッド」

「は、はい」


 ヴァルザのが読み上げジェリドが一歩前に立つ。


「上級生に勝ったのは立派じゃな。日々の研鑽の賜物であろう。これからも精進し、将来国の為に尽くしてくれ」

「は」


 ジェリドは深々と頭を下げた。


「ギブン・レイブン・ガルヘブン」


 ジェリドが下がり、隣の生徒が前に立つ。

 格闘で優勝した五学年生だ。


「去年の雪辱が果たせたようじゃな。おぬしは家を継ぐのじゃろ?慢心せず、国のために尽くしてくれ」

「はい」

「ミリア・ラーヴェル」

「はい」

「先と同じになるが、上級生に勝つ。しかも女子の身でときた。よくやった。いいか、おぬしは魔人だろう?此度の活躍、嫉妬などから愚かな戯言を投げられることがあるやもしん。だが、儂は努力の証だと思っておる。腐らず励むように。それと王宮は血で差別せん、それを忘れないように」

「あ、ありがとうございます」


 ミリアは頭を深々と下げる。


「スライド・ラムル・タラディン」


 魔術で優勝した生徒だ。


「忍耐を軸にした戦略、実に見事じゃった。おぬしは家を出て王宮に仕えると聞いた。その力を遺憾なく発揮し、この国に尽くしてくれ」

「はい」

「ホナヘド・マール・ムウ」

 回復魔術で最優秀の評価を受けた生徒だ。

「回復魔術の速度、練度共に素晴らしかった。おぬしも王都の病院に仕えると聞いた。その力を遺憾なく発揮し、この国に尽くしてくれ」

「はい」

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