1章 人と運命。
『人という漢字は人と人とが支えあって出来てる』という有名な言葉を知っているだろうか。
また、『人という漢字は人と人とが支えあってできているが、片方楽をしてできている』という言葉も僕は聞いたことがある。
活字で見る限り後者のほうは成り立たないけど、それでも誰もが一度はどちらかの、もしくは両方の言葉を聞いたことがあるのではないかと思う。
これに対して僕は、『人』という漢字は、磁石のS極とN極のように、人と人が離れたくても離れることができない、そんな強い『縁』という、言葉ではっきり言い表せないものを表しているのではないか。
そんな事を考えるようになってきた。
世の中には幼馴染という言葉が存在するが、別に僕と彼女は幼馴染というわけではないし、昔会ったことがあるというわけでもない。
むしろ僕と彼女が出会ったのは、この世界に来てからが初めてだ。
しかし、僕と彼女は何かしらの『縁』でつながれてるのだと思う。
それは腐れ縁なのか、因縁によるものなのか、もしくは運命というものなのか。
未来は変えられるが、運命からは逃れられない。
元々決まった運命に向かって生き進み続けるのが人間だと僕は思っている。
だとしたら僕がこの世界に閉じ込められてしまうのは運命だったのだろう。
どんなに足掻いても。たとえこのゲームを知らなかったとしても、僕はこの世界に閉じ込められただろう。
最初は後悔もしたけれど、今は感謝している。
この世界に来たからこそ、僕は彼女に会うことができたし、そして太陽の光に当たりながら前へ進むことができる。
うまく言葉で言い表せないけど、つまりこの世界に感謝してるってこと...になるのかな。
でも僕が何を言っているのかは読者には、全く分からないと思う。
少し時がさかのぼるけれど、少し話が長くなるけれど、僕と彼女、そしてこの『オーズ』の世界に来てからについて、その時の感情なども加えながら話しをしてみようと思う。




