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『月の滴』と猫と僕  作者: 洸夜 真琥


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1話 迷い人

学校帰りにいつもの電車に乗り、今日あった事をぼんやり考える。

俺は人と話すのが少し苦手で、学校でも親しい友達が中々出来なかった。

このままじゃダメだって分かってるのに、どうしても上手く話せないんだ。

今日も、向こうから話しかけて来てくれたけど、結局大した返事が出来ずに終わった。

変わりたい……

そんな事を考えていたらいつの間にか寝てしまっていたようだ。


ガタンッ

電車が止まった揺れで俺は目を覚まし、慌ててホームに降りた。


「ふぅ…危うく寝過ごすとこだっ…た…」


息を吐いて、顔を上げると突然強い風が吹いて、俺は目を瞑る。すぐに風が止んだので、そっと目を開けると、そこには見慣れない風景が広がっていた……

後ろを振り返ると、そこには電車も駅もなくなっていて、ただ川が流れているだけだ。


「え、なんで?え、さっきまで駅だったのに…ここ何処?」


きょろきょろと辺りを見回していると、ふいに声をかけられた。


「あなた、こんなと所で何してるの?あら?もしかして迷い人かしら」


声が聞こえた方を見るとそこには一匹のエプロンを着けた白い猫がこちらを立って見ていた。


「な、今猫が話した?え、しかも立ってる?」


頭の中が完全に混乱している…

え、夢?夢見てる?


「ねえ、大丈夫?あなた迷い人みたいだけど…混乱して聞いてないわね…」

「やっぱり…夢だよね」


俺がブツブツと一人で呟いていると突然大きな声で


「ちょっと!話聞きなさいよ!」

「!はい!な、なに」

「もう!あなた突然こっちに来たんでしょう?」

「う、うん?」

「どこ行けばいいか分かる?」


首を横にふって答える。


「はぁ、ならちょっと私に付いて来なさい」

「え、でも」

「いいから!ついて来なさいよ!」

「わかった…」


俺はちょっと強気な白い猫の言うとおりについて行った。


「私、コムギっていうの。あなた名前は?」

「司だけど……」

「ツカサね!わかったわ!」


「ねえ、さっき言ってた迷い人って何?俺どうしちゃったの?」

「迷い人っていうのは、私も詳しく説明出来ないんだけど、たまにこっちの世界に来ちゃう人がいてね、そんな人を、迷い人って言ってるの」

「こっちの世界?」

「うん、あなたがいた世界とちょっとだけ違うのよ、ここは猫達が暮らしている世界なのよ」

「え…猫達が暮らしてるって、みんな君みたいな猫ってこと?」

「そうよ」

「俺は、帰れるの…?」

「…分からない。でも、私も帰り方を探すの手伝ってあげる!」

「…うん」


普段人と話すのが苦手だった俺は、見た目が猫だからか、驚き過ぎたのか、普通に話せていたことに気づかなかった。



その日、俺を拾ったのは、名前はコムギ。白い毛並みが綺麗で、金色の瞳が輝いている面倒見がいい元気な女の子の猫だった。

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他にも、長編・短編など書いておりますので、ちらも読んで頂ければ幸いです♪


感想も頂ければ幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願いします。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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