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異世界の王女は現代で異世界の夢を見るか  作者: うあこ
第三章 二人の王女と異世界探検
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ゲームが終わって

『目標金額に到達しました!ゲームは終了となります!』


景色が歪み、気が付くと最終目的地であるエルデリア聖王国王城、玉座の間に立っていた。同じようにルッカも飛ばされたらしい。全員が揃っている。


「はっ!見つかったのじゃ!」


隠れていたのであろうカルミラが慌てた様子でさらに逃げようと動き出すが、


「させないわ!」


壁から木の蔓が伸び、カルミラを捕縛した。どうやらフィオナの魔法のようだ。


「一体どういう事なの!?どうしてお父様が殺されなきゃいけないのよ!ゲームとはいえ流石に怒るわよ!?」


激怒しているフィオナを、そりゃ怒るよなぁと遠巻きに見ていた俺だが、さすがにフォローしようと口を挟む。


「怒るのも無理はないけどさ、落ち着いてフィオナ。そもそも、目的地のイベントフラグはどうしたの?」


本来であれば、目的地に到着して賞金を貰って終わりのはずだが、フィオナに続いてイーリンまでもがイベントマスに変わっていた。


「それは、わしにもさっぱりでのう。変に弄って直らなくなってしまったんじゃろうか」


首を傾げているが、カルミラに分からなければ他の誰にも分かるはずはない。


「最後は変な終わり方だったけど、フィオナが元気になったなら良かったんだぞ」


ニコニコとルッカがそう言った。確かに、元々ルッカが元気の無いフィオナの為に徹夜して仕上げたゲームだ。本来の役目は果たせたというなら、大成功ではあるだろう。


『王様のイスふかふか!』


イーリンが玉座に座って感触を堪能していた。横で執事が「お似合いでございます、王様」とか言いながら扇子のようなもので扇いでいる。


「良かったねって素直に言えないのがね」


フィオナの心にトラウマを植え付けていそうで、少し怖い。


「もやしの耳長の王が大根というのはお似合いね、笑ってもいいのかしら」


マグノリアが既に大爆笑しているにも関わらずそんな事を言うので、フィオナに睨まれていた。


「とにかく、これでゲームは終わりなんだぞ!」


長かったゲームもこれで終わりだ。命の危機を何度か乗り越え(本当に死ぬ訳では無いが)、知らなかったフィオナたちの世界に間接的にだが触れることが出来て嬉しかった。俺はその事がたまらなく嬉しかった。


「じゃあ戻るんだぞ。スイッチオフ!なんだぞ!」


ルッカの言葉に合わせて体が浮き上がるような感覚を覚える。周囲を見渡すと、俺とフィオナ、ルッカにイーリン、そしてカルミラが浮かんでいた。そのまま空高く浮かび上がり、突如として眩い光に包まれたかと思うと、気付いた時にはゲームを始める前のダイニングに戻っていた。


「中々濃い時間だったね」


一生に二度と経験することの無い大冒険だった。もし俺が異世界に飛ばされたとしたら、生きていく自信はない。それくらい過酷な一面もあった。だが、他種族同士でも手を取りあい、助け合って生きていると感じて、いい世界だったなと思った。


「そんな事より解くんじゃ!あれは事故じゃから!」


ゲームから出た後も縄で縛られているカルミラ。


「自業自得よ、少しは反省しなさい!」


少し藻掻いて、逃げられないと悟ったのか動きを止める。


「まぁその、なんじゃ。色々言いすぎたかと思っての。すまなんだ」


真面目な顔で謝罪するが、フィオナはまだプンプンしたままだ。


「それだけじゃないわ!目の前で父親が殺されたのよ!?ゲームだとしてもあんまりよ!」


「だからほんにすまんかったと……」


「ま、いいわ。おかげで少しスッキリした気分だもの」


怒っていたのが一転、和らいだ表情へと変わる。


「そ、そうか!なら良かったのじゃ。早速縄を解くんじゃ」


「それとこれとは話が別よ、もう少しそうしていなさい」


二人のやり取りを、俺は暖かい目で眺めていた。


外から夕日がダイニングに差し込んでいる。ゲームをしている間に、夕方になってしまっていたようだ。


「もう晩ご飯の時間だね。今日はもう出前にしちゃおうか」


「助かるわ、なんだかとても疲れてしまって……」


「そうなんだぞ、ルッカも疲れたぞ」


ゲームの中で遊んだので実際に体を動かした訳ではないが、それでも疲れは感じる。脳が疲労を感じているのだろうか。


『楽しかったけど、僕も疲れたかも!そろそろお家に帰るね』


「イーリンもお疲れ様。今日は楽しかったね」


わさわさと頭を揺らして肯定すると、イーリンはベランダに出ていった。


「わしもご相伴にあずかろうかのう」


「図々しいわね、今すぐ帰ったら?」


「それは酷いのじゃ!お主の為にゲーム作りにも協力したんじゃぞ!?」


「まぁまぁフィオナ、カルミラも食べていきなよ。今日はありがとね」


「やはり話が分かるのう凪は」


これで美味しいご飯が食べられると、カルミラは嬉しそうにぴょこぴょこと羽を動かしている。


「今日は寿司にするんだぞ!」


「いいよ、お寿司にしようか。フィオナも元気になった事だし、お祝いだ!」


「やったぞー!」


「ありがとう、凪」


「うなぎじゃ!いくらじゃ!大トロじゃぁぁ!」


皆で楽しく喋りながら、ゆっくりと寿司を味わった。


余談だが、デザートにとカルミラに血を要求されたので、頑張ってくれたしなと思って「いいよ」と許可を出すと、また首筋に噛み付こうとしたので、フィオナに再び縄で拘束されていた。

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