第41話 パニック
「さっきすれ違った人『ニ゙ン゙ゲン゙……ぐゔ……』っていってたよ!」
私、コムギーノ・カホ! 14歳!
ド田舎育ちのパン屋の娘で、チコク魔法学校2年生!
詳しくは第1話を見てね!
でも第3話を見たほうがわかるって意見もあるよ!
【説明しよう!
チコク魔法学校とは――
天才魔法使い!
天才研究者!
天才研究者が偶然開発してしまった『ゾンビ薬』を外部へ持ち出してしまった助手!
など!
数々の有名人を輩出している由緒正しき魔法学校である!】
学校の教室、3階から何気なく校庭を見てるんだけど……。
あれは清掃員のおじさん?
なんだかすごくふらふら歩いてる。
2日酔いかな?
そのとき、清掃員のおじさんの正面から歩いてきた生徒が挨拶をすると……おじさんは生徒に噛みついた。
「えっ!?」
そして!
倒れた生徒が起き上がると、おじさんと一緒にふらふらと生気もなく歩き始める。
これってもしかして――
「ゾンビ!?」
私の声に教室のみんなが窓際に集まってきた。
「なになに?」
「たしかにゾンビっぽい!」
「演劇部のパフォーマンスじゃないの?」
みんな信じてないみたい……!
そのとき、『ゾンビ』の元へ走っていく生徒の姿があった。
あれは……モーブくん!?
「あっ、モーブ」
「あいつ、面白そうだから野次馬に行くって言ってたぞ」
モーブくんは噛まれてゾンビになった。
「「「モーブがゾンビになったあああぁぁぁ!!」」」
教室がパニックになる……!
と思ったけど――
「あいつ演技うまいな」
「いつも変なことには全力だよな」
【説明しよう!
普段の行いのせいか――
モーブはあまり信用がないのである!】
そのとき、『ゾンビ』の近くを歩く生徒の姿があった。
あれは……ヘンリーくん!?
「あっ、ヘンリー」
「あいつ、道で倒れた御老人を適切な手段で救護して、それによって命を繋ぐことができたことに親族から是非とも御礼がしたいってことで呼ばれたから職員室に行くって言ってたぞ」
ヘンリーくんは噛まれてゾンビになった。
「「「ヘンリーがゾンビになったあああぁぁぁ!!」」」
教室がパニックになる……!
さすがヘンリーくん!
説得力が違う!
その瞬間――
「ゔま゙ー」
「ま゙り゙も゙ー」
教室のすぐ外からゾンビの声が!
「きゃ――
悲鳴をあげそうになるナナーシーちゃんの口に、モテオくんが手を当てて遮った。
「静かに……今大声を出したら見つかってしまうよ。
ナナーシーちゃんがゾンビになるところ、見たくないな」
爽やかイケメンを振りまいて、モテオくんは微笑んだ。
「モテオくん……♡」
しかし!
「「「ナナーシーちゃんずるーーーーい!!」」」
「「「アタイたちも守ってモテオくーーーーん!!♡」」」
ナナーシーちゃんに嫉妬した女子たちが騒ぎ出すと――
「も゙な゙がー!」
ゾンビが教室のドアを破り、入ってきてしまった!
「みんな!
屋上へ逃げて出入り口を塞ぐんだ!
高いところなら外の状況も確認しや……うわあああぁぁぁ!」
モテオくーーーーん!
せっかく新キャラが出てきたのに一瞬で……!
「とにかくみんな!
モテオくんの言ったとおり屋上に行こう!」
私がそう呼びかけたが、その声に反応してかゾンビに囲まれてしまった!
どうしよー!?
「が、がめ゙ら゙ごぞゔー!」
ゾンビは一斉に襲いかかってきて――そのまま消滅した。
【説明しよう!
ゾンビとは既に亡者!
その肉体と精神が――
カホの覇気に耐えられなかったのである!】
あ!
清掃員のおじさん!
「ゔずじお゙ー!」
ジュワァァァ
あ!
モーブくん!
「お゙り゙がみ゙ー!」
ジュワァァァ
あ!
ヘンリーくん!
「み゙づあ゙み゙ー!」
ジュワァァァ
あ!
モテオくん!
「み゙がん゙……あ゙っ゙!」
ジュワァァァ
みんな消えちゃった……。
もしかして私、またやっちゃったー!?
【遅刻町を中心に発生した謎のゾンビパニックは謎のまま終焉を迎え、謎の失踪をした人たちが何事もなかったかのように後日、謎に帰宅した。
その前日に、謎の少女が謎の魔法を使っているのが目撃されたという。】




