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お姫様の恋 ~ハーボルト王国 王室に嫁いだ姫君たち~  作者: 松本せりか
見た目は17歳、中身は12歳の悪役令嬢
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第34話 クラレンス殿下の寝室

 知らない天井だ。

 って、この前もそんな事を考えたような……。マンガの見過ぎかな?

 

 まだ、外は暗いみたい。

 すぐ横にクラレンスが寝ているって事は、戻って来たのね。

 なんでか賢者の間からは、自動的に飛ぶ前の場所に戻って来るのよね。良いんだけど。

 

 昨日はリリーを隣の国まで無事送り届けることが出来た。

 捜索隊も、リリーたちが国内で見つからなかったら、諦めるよね。

 

 あれだけ頑張ったんだから、もう少し……侍女が紅茶を持ってきてくれるまでは、寝ていて良いよね。クラレンスもまだ寝てるし。

 明け方の寒さに負けて、クラレンスの方にすり寄ってまた寝入ってしまった。




「うっ」

 う? なあに? 

 

 窓辺から、暖かそうな光が差している。

 もう朝なんだ。

 何だか体がだるい。頭がボーっとする。


 何か、クラレンスが変な顔してこっちを見てる。

 でも、体がきつくて眠い。

 クラレンスが掛布を剥ぐもんだから、寒いよ。

 私は、二度寝するためにクラレンスの方にすり寄った。


「こらこらこら。起きろ。キャロル」

 うるさいなぁ。

「あ……れ? クラレンス殿下?」

 寝ちゃダメなの? そう思って、起き上がりベッドの上に座った。

「何で、ここにいるんだ? 賢者の間に寝せて帰ったはずなのに」

「ああ。昨日、ここから飛んだから……。なんか、朝になったら戻っちゃうんですよね」

 てへへって感じで言った。

「……そうなんだ」

 なんだかクラレンスはぐったりしているけど、体きついのかな? 


 クラレンスは私から離れ、ベッドから降りようとしている。

 そして、ふと言い忘れていたというようにこっちを向く。

「あのな。分かっていると思うけど、リリーたちが国外脱出したことは誰にも……たとえば、君のお兄さんにも言ってはいけないからな」

「あっ、はい。そうですね」

 私はふにゃって感じで笑った。まだ、色々力が入らない。

 クラレンスの顔が少し赤い感じがする。


「体、きついなら、もう少し寝ていて良いよ。私は朝食を食べに行くけど、キャロルのはここに持ってきてもらうようにするから」

 クラレンスはベッドから降りながらそう言った。

「あ……いえ。わたくしも一度家に帰らないと」

 少し頭がしっかりしてきた。

 もう一度、転がってしまったらしばらく起き上がれなくなる。自宅のお屋敷ならまだしも、ここで動けなくなるわけにはいかないと思う。


 私は動かない体を、一生懸命動かしてベッドを降りようとした。

 足が床に着いた途端、よろける。

 クラレンスがとっさに支えてくれた。

 そして、私をすぐさまベッドに座らせる。


「侍女を呼んでくるから、そこにいて」

 何だか焦ってる。寝室のすぐ側に侍女たちは待機していたようで、クラレンスと入れ替わる様に、私の衣装と共に入ってきた。

 そして慌ただしい王宮の朝が始まった。

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