表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星間乱舞!キャプテン・アストラの大英雄譚 銀河の黎明(ぎんがのれいめい)  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

164/177

第百六十七章 全域同時異常

一つの異常なら、対処できる。

二つでも、連携すれば乗り越えられる。

だが――

“すべて同時”となったとき、

それはもはや個別の問題ではない。

エコー・ベルト全域に広がる異常。

均衡は、

一瞬で崩壊の縁へと追い込まれる。

◆同時発生


「……来た」

リーナの声は、かすかに震えていた。


モニターに、

無数の揺らぎが映る。


一点ではない。

数カ所でもない。


全域。


「……全部だ」

カイが呆然と呟く。


◆状況確認


「異常発生点、

同時に三十以上!」


「いや……増えてる!」


リーナの指が止まらない。


マリナが冷静に言う。

「単独処理は不可能」


◆影の反応


影たちも、

一瞬だけ動きを止める。


そして――

全方向へ一斉に分散する。


だが、

数が足りない。


「……カバーしきれてない」

リーナが言う。


◆ドタバタ崩壊寸前


「いや無理だろこれ!?」

カイが思わず声を上げる。


「静かに!」

反射的にリーナがツッコむ。


「静かにしてどうにかなる量じゃねぇ!」


プクルもパニック。

「ぷくる!?(いっぱい!いっぱい!)」


◆判断


アストラは、

即座に言った。


「優先順位をつける」


全員が動きを止める。


◆基準


「全てを守ろうとするな」


「崩壊に直結するものだけ、

優先的に処理する」


マリナが頷く。

「選別……ね」


◆分類


リーナが高速で解析する。


「高危険度、七箇所!」


「中程度、十五!」


「残りは低影響!」


カイが言う。

「七つか……

それならいけるかもな」


◆役割再定義


アストラが指示する。


「影たちには、

全体維持を任せる」


「俺たちは、

高危険度に集中する」


マリナが補足する。

「一点突破型の調整」


◆突入


ノヴァ・リュミエール号は、

最も大きな揺らぎへ向かう。


「距離、維持!」

リーナが叫ぶ。


「干渉ライン、超えるな!」


◆巨大塊


そこには、

これまで以上の塊があった。


情報の暴走。

確定の暴走。


「……デカすぎるだろ」

カイが息を呑む。


◆即応


「分割する!」

アストラが言う。


「一点に集中して、

流れを作る!」


リーナが操作。


微弱誘導。

連続パルス。


◆連携


影たちが、

その動きを察知する。


一部がこちらへ集まり、

分解を補助する。


「来た!」

カイが言う。


◆突破①


塊が、

分裂する。


「よし、次!」


◆連続処理


七箇所の異常を、

順に処理していく。


一つ。

二つ。

三つ。


だが――


◆限界接近


「……間に合わない」

リーナが言う。


「他の領域、

悪化してる!」


マリナが言う。

「全体の均衡が崩れ始めている」


◆究極の選択


アストラは、

一瞬だけ目を閉じた。


「……一つ、捨てる」


空気が凍る。


◆衝撃


「は?」

カイが固まる。


プクルも止まる。

「ぷくる……?」


リーナが息を呑む。

「それは……」


◆決断


「全部は救えない」


「なら、

全体を守るために、

一部を切る」


マリナが静かに頷く。

「合理的ね」


◆実行


一箇所。

処理対象から外す。


その領域が、

急速に崩れ始める。


だが――


◆安定回復


他の領域が、

一気に安定する。


影たちも、

処理に集中できる。


「……持ち直した」

リーナが言う。


◆沈黙


艦橋に、

重い沈黙が落ちる。


カイが小さく言う。

「……あそこ、消えたな」


プクルが静かに鳴く。

「ぷくる……(きえた)」


◆受容


アストラは、

前を見たまま言う。


「……それでも、

全体は守れた」


マリナが答える。

「それが、

調整という役割よ」


◆影の反応


影たちが、

ゆっくりと近づく。


そして――


これまでで最も明確な意図が伝わる。


“理解”

全域同時異常。

それは、

理想を捨てる決断を迫る試練だった。


全ては救えない。

だが、

何を守るかは選べる。


ノヴァ・リュミエール号は、

その選択をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ