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麻痺無双!~ぶっ壊れスキルを手に入れた俺は、異世界まるっと麻痺らせる~  作者: スギセン
5章

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201/201

200話 故郷の地、故郷で血

「あぎゅうっ」


 意気揚々と飛び出していったラヴィだったが、ワイルドタスクにドーンと体当たりされ、ゴロゴロ転がりながら馬車の所まで戻ってきた。


「斬新な帰り方だな、ラヴィ。 ケガはないか?」

「……むぅ。 へーき」


 俺はグイッとラヴィを起こすと、ワイルドタスクに目をやった。

 相変わらずのサイズ感というか……体はデカいし、何よりも二、三メートルはありそうな牙がやべぇ。まさに野生的(ワイルド)(タスク)ってとこだな。


「ワイルドタスクは危険度D+のモンスターですわ。 しかも、二体――これは強敵ですわ……!」

「なるほどな。 じゃあ、いつも通りでOKってことだ。 せーのっ【パライズ】!」


 俺は即座に、二発のパライズを発動。

 びぃんと放たれた稲妻エフェクトはどデカイ的に命中し、ワイルドタスクを見事に痺れさせた。


「参る……!」

「いきますわっ!」


 ベルとラヴィは、同時に戦闘態勢を取った。

 漫画とかアニメなら、かっこいいカットインが入るところだ。


 ラヴィはシュタタっと駆けていき、ベルは魔法陣を展開させてセバスチャンを召喚――すんなりと各個撃破を果たした。

 セバスチャン……最近B級ホラーみたいなやれれ方してたから活躍できて良かったな。


「よーし、二人共ナイスだ。 そんじゃ早速、いただくものを――ん?」


 ドド――ドドドドドド――ッ!!

 妙な振動が体に響く。


「あれは……?」


 俺たちの少し先で、砂煙が立ち上っている。……というかそれは、徐々に近づいている。

 否っ、もの凄いスピードで俺たちに猛突進してくる――!!

 ワイルドタスクの群れだッ!!!


「おーい、そこの()()()()! 危ないぞ!!」

 誰かが叫ぶ声が聞こえた。

 うん、そうだね!危ないのは分かり切ってるっつぅの!!!


「マヒルさんっ!来ますわっ!!」

「うおぉぉ任せろぉぉっ――【麻痺連鎖(ショック・チェイン)】ッ!」


 バリバリビィン――砂煙に向かってエフェクトが迸る。

 ドサッ、バタンッと音を立ててワイルドタスクは次々と倒れていき――遂に、最後の一体もバタリと倒れ込み、ブブブブッと震え出した。


「……まっ、こんなとこだな」

「すごいですわ……さすが、麻痺だけはできる男ですわね」

 ベルがボソリと呟く。うっせ、お前こそ麻痺らせんぞ。


 ワイルドタスクの群れには驚いたけど、今はそれよりも――。 


 「うわっ、なんだこれっ!?」「倒した……いや、痺れてるだけだ!!」「今夜はご馳走だな!」


 砂煙の向こうから、ガヤガヤと声が聞こえる。 

 状況的に、ワイルドタスクを追ってた人達……狩人だろうか。

 最悪の場合――つまり、盗賊かなにかだった場合に備えて、俺は麻痺を放つ準備をする。


 だが、ラヴィは俺の手をソッと握ると笑顔で首を振った。

 えっ?なに?恋の始まりですか?


「大丈夫。 あの人たちは――」

「おーい、そこのニンゲンたち、大丈夫か?」


 ワイルドタスクの陰から姿を現したのは、筋骨隆々、屈強な男たちだった。

 おまけに――耳やら尻尾やら生えているじゃありませんか。ムキムキのケモミミたぁ、恐れ入ったぜ。


「いやー巻き込んじまって悪かった! ケガはねぇか?」

「あ、まあ、一応……」


 話しかけてきたのは、淡い橙色の体毛がトレンディな獣人だ。

 ぶっとい爪と牙、ゴワついた尻尾……どことなく犬っぽい印象を受ける。

 ついでに、もさもさの胸毛がダンディだ。

 

「悪さをしてたワイルドタスクを追ってたんだが、まさか、ニンゲンがいるとは思わず……まあ、無事だったんなら何よ……り……? って、お前もしかして、()()()()()()()()()()()()


 トレンディな獣人は、驚いた様子でラヴィを見つめている。

 それに対してラヴィは、照れくさそうに頷いた。


「……久し、ぶり。 トレッティさん」

「ははっ!二年振りくらいか!? こいつぁ、ダリの野郎喜ぶぞぉ!! おおい、お前ら!ほれ、ラヴィーナちゃんだ!!」


 トレンディな獣人もとい、トレッティは仲間に声をかけた。

 それに応えるように、ゾロゾロと他の獣人が姿を現した――しかも、それぞれが血の滴る大振りなナイフを手にしたまま、ゾロゾロと。


「死ッ!?」

「ヒィッ!?」


 あまりにサイコホラーな登場に、俺とベルは小さく悲鳴を上げた。

 状況が状況なら失禁ものだが……どうやらラヴィの知り合いらしいから大丈夫だろう。

 ……いや、大丈夫かなぁ。すっごい不安。

 

「ガッハッハ! ありゃあ、ワイルドタスクに()()()()しただけだぜ! そんなに心配しなくても、獲って食ぃやしねえから安心しなっ!……()()()()()()

 

 最後に、とんでもなく不穏な言葉を残したトレッティ。

 まさか、食人族でした――なんてオチじゃないよね?ね?

 

 こうして、俺たちは無事?ラヴィの故郷の地に足を踏み入れた。

 トポの村までは、なぜかトレッティさんが先導してくれるとのことだけど――ごめんなさい、ちょっと帰りたい気持ちでいっぱいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

少しでも面白い!と思っていただけたなら、ブクマ、評価、感想等いただけたら励みになりますm(__)m

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