表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
麻痺無双!~麻痺スキル縛りで異世界最強!?~  作者: スギセン
5章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

155/184

154話 竜の宴②

 ゴゴゴゴ――

 俺たちが山頂に着くころには、空は雷雲に覆われ黒い渦を巻いていた。

 そして、そこには俺たちを待ち構えるようにして佇む一つの影――


 体の形状は《バジリスク》とほぼ同じに見えるが、一目で違うと分かるのは、圧倒的なサイズ感。

 俺たちが乗っている馬車よりも遥かにでかい。さらに、見るものを圧倒させるような黒地に金のカラーリングは、カッコよさよりも正直恐怖の方が先に出てくる。


「……多分、あいつが原因なんだろうな」

「うん。 相当、強い」

「恐らく、ですわね……この距離でこの威圧感――間違いありませんわ。 あいつがこの竜明期(ドラグニア)を引き起こした犯人……《ロイヤル・バジリスク・ロード》ですわ……!」


 ピシャアッと雷鳴が走る。

 稲光に照らされた漆黒の肌は、ゾッとする程の質量を感じさせる。

 通常の《バジリスク》が南国感溢れる見た目なのに対して、こいつのそれはまさに強者そのもの――


「……で、どうするよ。 確認はしたから、帰るか?」

「そ、そうですわね……帰りたいのはやまやまですが……」

「……うん、囲まれてる」


 どこに潜んでいたのか、俺たちの周りには数十体もの《バジリスク》が、さながら闘技場のように輪を作っている。


「……こりゃあ、やるしかねぇってことだよな。 あっちのボスもそれを望んでいるようだし」

 《ロイヤル・バジリスク・ロード》はククククッと喉を鳴らした。

 規則正しく並んだ《バジリスク》たちは、襲ってくる気配はない。恐らくボスの狙いは、俺たちとの一騎打ち――といっても、向こうは完全に遊び感覚なんだろうけどな。


「――ベル、景気づけに一発、アレをお願いできるか? とびっきりアガるやつを」

「……! ええ、もちろんですわ……!」


 ベルはその言葉で全てを察して魔法の詠唱を始め、俺はスタンブレイカーを展開。

 黒く立ち込める雲から、ポツポツと雨が額を打った。


「……みなさん、いきますわよ! ワタクシたちに幸あれ!!」

 ベルは深く息を吸い込んだ。


「【高貴なる咆哮(ロイヤル・ハウル)】! お~ほっほっほっほ!!」


 ベルの高笑いが山頂に響いた。

 《バジリスク》たちは一斉にベルの方を向き、隊列が崩れたが、ボスの鳴き声一つで再び輪を作った。

 その威厳は、さながらトカゲの王――相手にとって不足なしだ……!


「――っし、闘志がみなぎるぜ……!! いくぞ、みんな……!!」

「はい!!」

「了解!」


 ベルの高笑いの効果により、俺たちの闘志は最高潮だ。

 怖くないと言えば嘘になるが、少なくとも負ける気はない……!

 

「ギュアァァッ!!」

 《ロイヤル・バジリスク・ロード》の凶悪な爪が地面を蹴り、化け物じみた咆哮が響く。

 ザァッと土砂のような雨が降り出した。

 

「はぁっ……!」


 ぬかるんだ地面を蹴って駆け出したのは、ラヴィだ。

 あの巨体を相手に、臆することなく突っ込んでいく。


「【パライズ】!」

 俺の右手から稲妻エフェクトが炸裂――駆けていくラヴィの横を抜け、ボスへと向かう。

 ――が、やつは横に大きく飛びのいて回避。

 俺の【パライズ】は後ろにいた《バジリスク》を痺れさせて終わった。

 

 見た目以上に素早い相手だ。

 それに、俺の攻撃を警戒してすぐに回避行動を取るあたり、さすがはボスってだけあるな……!

 俺はすぐに構えを取り、次の行動に備える。


 だが、ボスは着地と同時に長い首をもたげ、大きく目を開いた。

 瞬間、背中にゾワッとしたものが走り、大気が震えた。

 やつに向かっていたラヴィは咄嗟に距離を取り、俺はベルの前に身を挺した。


「ギュアッ――!!」


 ビシビシと空気の振動が身に染みる。

 《バジリスク》が使っていたスキル、【蛇睨み】の強化版ってとこか……!?

 耐性のおかげで麻痺こそしないが、ビリビリ痺れて普通に痛ぇっ……!

 俺は思わず膝をついた。


「ぐっ……これは想像以上だわ……」

「マヒルさん! 今、回復を――」

 

 攻撃魔法の詠唱を中断して、俺に回復魔法をかけようとするベルを制して俺は立ち上がる。


「……大丈夫、それは攻撃に取っといてくれ。 お前の力、頼りにしてるからな……!」

 ベルは無言でうなずき、詠唱を再開した。

 それを見て、俺は左手を銃のように構える。

 照準は、《ロイヤル・バジリスク・ロード》……!


 ラヴィが懸命に斬りかかってはいるが、やつは巨大な爪でそれをやすやすと弾き返している。

 あんな物騒なもん、一撃かすっただけでも致命傷になりかねない。

 何とか隙を作って、ラヴィに攻撃の機会を作る……!狙うは――右前脚……!


「【麻痺銃(パライ・ガン)】!」

 バシィッと麻痺の弾丸が高速で放たれる。

 今まさにラヴィとやりあっていたボスは、俺の攻撃に反応する間もないまま――


「ギュアッ!?」

 着弾――!!

 《ロイヤル・バジリスク・ロード》は片脚の感覚を奪われ、ぬかるみに滑って態勢を崩した。

 部分的ではあるけど、麻痺らせてやったぞ!後は――


「【羅刹(らせつ)】……!」

 

 一瞬の隙を見逃さず、ラヴィは一気に間合いを詰める。

 必殺の居合斬りが炸裂――!!ラヴィはやつの首元で刀を振り切った――が、次の瞬間、やつは大きく態勢を崩しながらも左脚を振り払い、至近距離にいたラヴィを吹っ飛ばした。


「ラヴィ……!!」

「ラヴィさん!!」


 ラヴィは軽く数メートルは吹っ飛んだが、なんとか着地。傷は浅かったようだが、鎧の隙間から見える衣服には、ジワっと血が滲んでいる。 

 対する《ロイヤル・バジリスク・ロード》はズベェっと体を滑らせていたが、麻痺の効果も切れたのかゆっくりと起き上がった。


 首元からはボタボタと血を流しているが、少なくとも致命傷にはなっていないだろう。

 やつは勝ち誇ったように目を細め、シュルシュルと舌を出した。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

感想、ブクマ等お気軽にいただけると励みになります。

次回もよろしくお願いしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ