効率厨は暗躍するようです。1
スマホで投稿しているのですが、いきなり強制終了したため落ち込んでましたorz
あれから一年が経過し世界は大きく変わりつつあった。
人間の侵略の最初に狙われる北陸の先端である村に住んでいる獣人の人々は疲れきっていた。謎の魔力不足、農地の栄養不足による作物生産率の低下、亜人軍増強の為の若者摘出。これにより村が一つ、また一つと廃村となり果てていった。この時奇跡的にもミルーマが到着し、村の向上を開始し隣村を全て吸収し中規模の村へと発展させ来たるべき人間の侵略に備え防衛壁を建築する。それから半年後に人間の軍隊である<聖十字軍>は北の大陸に上陸作戦を開始。亜人軍による防衛軍を編成し迎撃を行っていたが、人間は新しく開発した魔砲を船から発砲し上陸を許してしまった。防衛軍は近くの街まで撤退したが、聖十字軍は追撃を行わず沖近くに簡易の前線拠点を設置した。始めは近くの手頃な村を襲い食料を調達しようとしたのだがその村がなかった。なので、前線拠点を設置し中央から物資が送られてくるのを待つしかなかった。何故なら集合廃村と見られる場所の中心には10m近くある巨大な壁があり、上には弓兵が待ち構えているのだから。
前線拠点の司令部では三人ほどの男女が怒鳴り合いを毎日のように繰り返していた。
「だから、あれほど言っておろうが!あの忌々しい亜人共の拠点を落とすべきだと」
如何にも頑固な上官な男が声を張り上げ。
「かと言ってあの巨大な壁、破壊すること自体可能なのか、どれだけの兵を犠牲にするのかも分からない。よって賛同しかねます」
青いローブを被った青少年はやれやれといった感じで反論する。
「貴様、それでも聖十字軍の司令官か!聖十字軍はどんな犠牲を払ってでも亜人は一人残らず全滅すべきだ!」
「勝利の為には犠牲は付き物ですか・・・てはお聞きしますが三度の制圧作戦で失敗したのはどういうことですかな?勝利は掴んでいないようですが。」
「そっそれは偶々失敗しただけの話で」
「偶々が三度もあってたまるものですか。いいですか?この大陸に上陸してからもう一月は経過しています。それなのに拠点一つ潰していない、これはモスコフ司令の作戦ミスと考えられても仕方なしです」
そうこの頑固そうな中年司令官モスコフは三度の制圧作戦を実施、失敗している。
(あの壁は従来の魔法では傷ひとつつかなった。門も存在しないということは防衛拠点であり自給自足できるだけの食料を生産出来るということ。ということはあれは廃村にもともといた人々が作り上げたということ。どうやって?いや、問題はそこじゃない。問題はあの拠点を無視するか否だ。もし無視して背後からあの防衛拠点に潜んでいた亜人軍の残党に強襲を受け亜人軍と挟み撃ちに合った場合、我が軍とて膨大なダメージを受けることになるだろう。それだけは避けねばならない)
司令部は一気に静まり返り、ずっと黙り込んでいた一人の女性が立ち上がった。
「あぁ、そう言えば、今日届いた物資に魔砲の弾の材料が入ってたから船からの艦砲射撃が可能だぞ。」
「おお!ならばかの憎たらしい壁を破壊して貰いたい。そうすればあの中に」
「それ無理。」
女性はモスコフ司令を遮りさらに言った。
「私自身が偵察も兼ねて散歩したが、あれは我々人間の魔法技術の五世代は先に行ってる。魔防壁の弱点が無いやつがあれだ。分かるかい?魔法の根源である魔力を無力化し物理を材質上破壊不可能。できるのは材料を作った天才だけだ。」
「つまり、我々には絶対破壊不可能な壁というわけですね。しかし自由国家であり最高峰技術力である私の国ですらそんな材料を発見していないのですが。」
青少年の名前はコウ。自由国家の聖十字代表である。そして女性は自由国家技術主任ナイナ。自由国家は聖十字に膨大な物資を支援しており、この二人の派遣を拒むことが出来なかった。
「だからいっている。五世代は先だと」
「ならばワイバーンを中央から派遣してもらえばいいじゃない。」
「それが出来れば既にやっておる!しかし、中央は航空戦力を割く余裕は無いと言ってきた。こちらは戦争をしているというのに!」
三人が話をしているなかドアが突然ノックされた。
「なんだ?!」
一人の男の軍人が慌てた様子で入ってきた。
「急襲です!亜人軍による急襲です!!」
「な、何だと!」
ついに亜人による反撃が始まったのである。