結
犀月鼠日
最近魔王軍と勇者の戦いがさらに激しくなってるらしい。
と,闇勇者君と光勇者君が教えてくれた。
あの二人,あれ以降もちょくちょくここにきてくれます。
闇勇者君も光勇者君もおおむね,ご飯が目的だが。
光勇者君,君,勇者なのに扇風機の前で,あ~とかやんないの。
なぜか,光聖女ちゃんが俺に向ける視線がどんどん厳しくなるんだから。
というか,魔王軍ががんばってるって聞いてもな~。
それを確認するすべもないし,そもそも,ここから出ちゃいけないことになってる。
けど,さすがに外にいる愉快なお祈り集団とか,看守さんがいなくなるとさびしいからなー。
何か部屋にいたまま,魔王軍をどうにかできないものかなーと,幼女ちゃんにいってみた。
邪神さま,今ゲーム制作に忙しくてそれどころじゃないってさ。
……邪神様ぇ。
梓日虻日
朝起きたら,部屋に巨大スクリーンとテレビゲームができていた。
今までどんなに祈っても出てこなかったそれがどうしてと思ったら,幼女ちゃん曰く,あれが邪神の祭具が変形したものらしい。
邪神様が1か月頑張って製作したゲームだから,ぜひ闇巫女様にプレイしてほしいとのこと。
……何やってんの邪神ぇ。
とりあえず,ゲームをプレイしてわかったこと。
何このクソゲー。
操作性が悪いってレベルじゃねぇし,ステージもばらばら。
その上,プレイするごとにキャラ性能まで変わるし,基本的にコンティニューもセーブもなしってひどいってレベルじゃねーぞ!
まあ,自分にとってはクソゲーだけど,幼女ちゃんはそれをキラキラした目で見てた。
だからましばらくの間はこれをやっててもいいかもと思う。
あと,この主人公の姿が,NINJYA固定っていうのはマジで邪神の趣味なんだな。
蝮月蜆日
クソゲーのテスト作業の日々。
しかもこのクソゲー,地味に自分の祈りパワーを消費するらしく,画面が激しく動くような激しいキャラプレイをすると,あっという間に眠くなる。
あと,最近外の銅像にNINJYAの銅像が増えた。
……エロ銅像と邪神像の横に並ぶそれはシュールを通り越して芸術的な気がしなくもない。
鼈月蚯日
久々に闇勇者君が来た。
最近,魔王軍の進行が少しましになったらしい。
噂によると,なんか魔王軍に対抗できる新しい勢力が表れているらしい。
「……前はこんなことは……いや,いまさらか。」
闇勇者君,なんか意味深なことを言った気がするけど,詳しく聞いてもはぐらかされた。
あ,そんな考え事してるから,何,カップ焼きそばをだばぁしてるんだよ。
え?代わりをくれないかって?
なら,その秘密を教えてくれたらいいよ。
……ごめん,うそうそ,ハイお代わりの狸な緑,かき揚げは抜き。
虱月貉日
光勇者アンド聖女コンビが来た。
魔王軍に対抗してる第3の勢力の正体を知らないかとのこと。
いやいや,知るわけないでしょ。自分ひきこもりだから。
え?そいつの姿は忍者の姿をしてるって?
そして,邪神の魔力を放ってる。
神出鬼没で,まるで死んでも煙のように消えてしまう……と。
最近ココにそいつの姿をまねた銅像がいっぱいたってるんだから,関係ないわけがないだろうって?
そんなこと言っても知らんもんは知らん。
聖女のほうが,一瞬がちギレしたけど勇者君になだめられて帰って行った。
いったい,なんだったんだ。
あ,今日,あのクソゲーで初めてボスステージに行けた。
なんか,派手な翼をはやしたまさしく悪魔って感じのやつだった。
なお,ボスのくせに途中で逃げられた。マジクソゲー!
獏月蚕日
「よくもあのような傀儡で,我が軍をここまで追い詰めてくれたな!闇の聖女よ!
しかし,貴様の運命もここま……ぎゃあああああぁぁぁぁ!!」
今日初めて魔王軍にあった。
そいつは幹部だった
監獄の外壁前に飛んでた。
幼女ちゃんが祭具をバズーカに変形させてそれ撃ち落した。以上。
なんかあっけないうえに,初めからこっちを敵視しているとか,闇の聖女裏切りとはなんだったのか。
あと,なぜかその自称魔王軍の幹部さんはあのクソゲーに出ていたボスにそっくりだったけど,とくに関係ないよな。
それと,幼女ちゃんが祭具をバズーカに変形させたから,もうあのクソゲーをやる必要はないらしい。よかった,あれ,地味に疲れるんだよね。
鯊月鯉日
どうやら,幼女ちゃんが倒した幹部は魔王軍の中でもなかなか厄介な奴だったらしい。
闇勇者君がそう言いながら,幼女ちゃんの頭を撫でようとした。
当然ブロックした。残念だったな!幼女ちゃんの頭は私専用だ!
代わりに自分が撫でられた。解せぬ。
それと,近々,魔王軍との最終決戦が近いらしい。
へー,とりあえず,こちらとしては絶対に勝ってくれなきゃ困るんだが……。
何か協力できることはある?ここから出ない範囲で。
……とりあえず,幼女ちゃんの邪神の祭具を一時的に貸すことになった。
それ,(幼女ちゃんの)大事なものだから,絶対にこっちに返しに来いよ~。
蝦月鰯日
なんか,外が騒がしい。
どうやら,マジで魔王城が地上に出現したとのこと。
ここからでも、遠くの方に暗雲が漂っているのがわかる。
けど、その城が出たと同時に,でかい爆発を起こしたらしい。
……マジで物騒なことこの上ないな。
勇者たちは無事にやっているだろうか?
麻月鵤日
昼間なのに闇勇者が来た。
おいおい,昼間からきて捕まるぞと言いたかったが,お偉いさんも看守さんも,ましてや外にいる人達でさえそれを止めなかった。
どういうことと思ってきいたけど,なんか疲れている上に聞かないでくれって言われたから,とりあえず我慢しておいた。
何か食べたいものある?
え?ふかふかのベットで眠りたい?仕方ないな~。おい、鎧脱いでから寝ろよ。
……よく見たら,こいつ熱があるじゃねぇか。
仕方ない,幼女ちゃん,治療手伝って~。
とりあえず,アイスノンとか風邪薬とか,そっちらへんを祈ってやるか~。
麻月雉日
光勇者と光聖女,あと,よくわからない男女の集団が来た。
え?ほかの風とか火の勇者や聖女なんだ,へー。数が合わないのは……あ、うん、すいません。
あ,こんちわー自分闇の巫女です。よろ。
とりあえず,今は闇勇者治療中だから,話は後でねー。
「……っほ,よかった,とりあえず闇勇者は無事なんだな。」
そうだよ~,というか光勇者君,闇勇者君を捕まえに来たわけじゃないんだね。
よかった。
「魔王との戦いで,あと一歩で全滅するところを助けてもらったからな。
……思うところがないわけではないが」
うんうん,まあなんだ,今は見逃してくれるとうれしい。
後,いまから,闇勇者君のお食事の時間だから。
「……って,あ!それ,パックおかゆじゃん!闇勇者のやつ,ずりぃ!
闇巫女!俺も俺も!」
うるせぇ!お前はバナナオレでも飲んで我慢しておけ!
麻月鼬日
現在、自分の部屋(監獄)で光勇者君と闇勇者の目覚め待ち中。
光聖女は襲われるといやだってことで、別の場所にいます。
とりあえず、光勇者君に魔王が倒せたかどうか確認したけど、どうやらダメだったらしい。
え?こっちが勇者パワーで時止めたのに向こうも時を止めることができた?
それで油断して殺されかけた?
闇勇者も時を止められたって?
……何そのksゲー。
明らかに人外バトルゲームです、本当にありがとうございました。
光勇者と闇勇者以外はできないから、勇者としてのデフォ能力ではないと言うのだけは安心した。
……なんだよ、生まれ付って、もしかして日本にいたころからできたん?
そこ絶対俺の住んでる日本と違うわ。自分の知ってる日本に超能力者なんていないし。
後、闇勇者、寝言でも光聖女のことを言っている。
愛が深いのはいいことかもしれんが、男のヤンデレは男のツンデレ以上にやばいぞ。
「お~い、ときどき、闇巫女のことも言ってるぞ~」
きこえな~い、きこえな~い。ヤンデレ二股ホモ男子とか、誰も得しないぞコラ。
麻月雀日
やっと、闇勇者君がまともにしゃべれるまで目を覚ました。
で、光勇者君との談話が始まると思ったら、なーんか光勇者君も闇勇者君もぎすぎすしてる。
……とりあえず、2人とも協力して魔王倒さないの?
え?光勇者君、そんないきなり光聖女を襲う危険人物とくめるだって?
闇勇者はなんだ、別に光勇者と組まずとも勝てるって?それにこいつに光聖女を任せられないって?
……そういう痴情のもつれ的な議論は魔王を倒してからにしてくれませんかねぇ。
というか、もし互いに気にくわなくて、光聖女を取り合うなら、ちゃんと彼女の意思をはっきり聞いてからにしろ!
……え?本人に聞くのは恥ずかしいって?
バカ野郎!てめぇらの恥ずかしいで、何人の無力な人たちの命が失われると思うんだ!(よく知らないけど)
別に恋するなとは言わないから、そういう面倒なことは魔王をぱっぱと倒してからにしやがれ~~!!
胡月鰊日
どうやら自分の熱い説得のおかげか、2勇者とも一時的に手を組んで、魔王を倒してくれるとのこと。
けど気にくわないからか、外で素手で殴り合ってる。
なんか漫画とかだとベタな光景だけど、実際には初めて見るな。
なお、光勇者君以外の勇者君や聖女と少しだけ会話したけど、どの人も壁を感じました。
やっぱり、部屋にあるエアコンとか扇風機、外にあるバナナの木やその他変な銅像の性だろうか?
あ、囚人だからか。
まあ、光勇者君の人望のおかげか、とりあえず敵視はされなかったけどね。
蛭月蜩日
光勇者と闇勇者達一行が、とうとう魔王との最終決戦に行きました。
どーやっていくのかなーって思ったら、風の聖女の呪文でみんな一気にポーンと飛んでいきました。
なお、当然自分は行きません。
みんながんばれーって祈っといた。
蛭月樒日
暗雲が晴れた。
どうやら、魔王は倒されたようだ。
なお、監獄の下にいる人たちは喜んでいる人と、悲しんでいる人が半々といったところ。
おい、なんで悲しむんねん。
え?邪神って、一応魔王軍の信仰対象の1柱でもあったって?
……今更かよぉぉ!!!
菘月薺日
正式に魔王が倒されたと発表された。
あと、なぜか魔王と倒した功績者に自分の名前が書いてあった。
そのおかげか、外の邪教の人たちがいろんな意味で狂乱していた。
もちろん賛否は両論だが。
ごらぁ!光勇者と魔王と闇勇者と自分と光聖女の5Pとかいうカオスな銅像作ったバカはどこだぁ!
リアルでゴールデンピコハン頭に落としてやるぞ!
蓬月艾日
久しぶりに闇勇者君が来た。
どうやら、光勇者や光聖女と和解して、さらには指名手配も取り下げてもらったらしい。
それなら、なんで泣いてるんだお前は。
「全部平和に終わった……!!光聖女も救えたし……
過去を変えることもできた……!!光から闇に堕ちた買いもあった……!!
けど……けど……やっぱり、光聖女は光勇者を選んだ!
そんなこと……そんな風になることを俺が一番よく知ってたのに……!!
けれど……けれど……!!」
そうか、ふられたのか。
まあ、ある意味わかっていたことだが、それでも光聖女のために頑張ってたお前にとってはつらかったろうな。
泣け泣け、せいぜい泣いてる間くらいだけは慰めてやるから。
蓬月蒿日
「……付き合って下さい。」
闇勇者君、いろいろ言いたい事があるけど、とりあえず、返事はわかって行ってるよね?
「まあ、どうせNOだろうけど。」
もちのろん。自分はノーマルでレズだからね。
残念ながら、男である闇勇者君とは付き合えないよ。
それに自分は囚人だし、自分はこれから幼女ちゃんといちゃこらして過ごしていくだけだね。
だから幼女ちゃん、自分の太腿を抓るのやめてくれ。地味に痛いんだ。
「……もし、自分が女になれたら……返事を受けてくれるか?」
そこまで思い詰めるなら、素直に君を愛してくれる人を探した方が早いと思うけどねぇ。
まあ、もし闇勇者が女になれて、さらに自分をここの監獄からでれるようにして、幼女ちゃんが許してくれたらOKだよ!
「……実質、それって無理って言うじゃないか。」
要するにあきらめろってこと。
自分みたいなTS女と付き合うよりは、おとなしくかわいい女の子見つけて新しい恋に励めってことだ。
闇勇者はイケメンだし、根はまじめだから、きっと引く手は数多だろうしね!
イケメンめ!もげろ!
「まあ、俺はあきらめるつもりはないけどな!それじゃあ、それまで待っててくれよな!
いざとなったら、無理やりにでも攫いに来るからな!」
そんないい顔で、変な事を言いながら、件の闇勇者君は去って行った。
……もしかしたら、自分はとんでもない爆弾に火をつけてしまったのかもしれない。
龍月猫日
あの魔王騒動や闇勇者騒動からそこそこが去った。
幼女ちゃんも幼女から少女……いや淑女ぐらいの年齢になったかもしれない。
光勇者と光聖女も結婚したし、時がたつのは早いものだ。
……で、そんな折にそれは発表された。
『闇巫女殿へ告ぐ。貴殿の功績をたたえ、貴殿の永久出獄件を認める。』
要するに、自分はもう部屋から出ていいとのこと。
それと、幼女ちゃんにもそれは出たようだ。
……今まで出るな出るな言われていたけど、いざ出ていいよって言われると迷うものだ。
ん?何?元幼女ちゃん、もしかして、外に出たくなったとか?
「……約束、覚えてますよね?」
……え?
「女になったら、ここから出れるようになったらいいんですよね?」
……いやいや、な、何を言ってるの?
「そして、私が許せば付き合ってくれるって、確かにそう約束しましたよね?」
ま、まさか、君は……
「私の力、とうとう、時を止めたり、過去の戻るだけじゃなくて、産まれる前の輪廻までいじれるようになったんですよ、アナタへの愛のおかげで」
な、な………
あ、アッ――――――――――――!!
闇巫女日記
お
わ、
れ