お母さんと一緒‥
夕方、ごろごろしながら漫画を読んでいると
「たーくん、食器洗っておいてねって言ったじゃない」
「あー、これ読み終わってからやるつもりだったんだよ」と言い返したら、
「まったくしょうがない子ね、私はあなたのお母さんじゃないのよ。やってって言った事くらいやってくれてもいいでしょ」
「いやいや、100%遺伝子レベルで母親でしょうが」と突っ込む隆だった。
すると
「そうでした。つい大学生気分で…」と言いながら舌を出した。どうやら本当に忘れていたらしい。
隆はイラつきながらも食器洗いに取り掛かった。
(ったく!高校まではこんな子供みたいな人じゃなかったのにどうしてこんなになったんだ!)
そんな事を考えながらも食器を洗い終えた。
「あ、それとこんなの見つけたんだけど」そう言って持ってきたのは大量のエロ本だった。
「なっ!そ、それは!」
慌てて取り上げようとしたが
「あら、こんなに沢山持ってるなんて‥本当にたーくんはお盛んね」
「い、いや、違うんだって!それは友達が勝手に置いて行った奴で‥」
「まあ、たーくんもそういう年頃だから仕方ないわね。でも、これ全部捨てといてもいいわよね?」そう言って隆から奪い取りゴミ箱へ放り込んだ。
そして「もう、本当に父さんに似てエッチねえ」と言って苦笑いした。
そんな星美を見て複雑な心境になる隆だった。
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それからというもの、隆はさらに過酷な日々を送っていた。
家でも学校でもいつも一緒なのだ。しかも、隆がどこに居ようと必ず現れ、常に一緒にいようとするのである。
最初は我慢していたのだが、流石に限界を感じていた。
そして、遂に隆は家出することを決意したのであった。漫画喫茶なら親の承諾なしで泊まれるだろう。
まずは、必要な物を揃えるために商店街へ向かった。
(確か近くに安売りのスーパーがあったはずだ。とりあえずそこで買おう)と思ったが、すぐに星美に見つかってしまった。
「あら、たーくん、こんなところで何してるの?」と話しかけてきた。
しかし、今の隆にとっては面倒な存在であるため無視しようとしたが
「ちょっと待ちなさい!」と腕を掴まれてしまった。
そして、強引に引き寄せられてしまい抱き締められる形となった。
「は、離してくれよ!」と暴れるが、星美は力を緩めようとせず、ますます強く抱き締めてきた。
そして、「たーくん、母さん心配してたのよ?」と言いながら頭を撫でてきた。
「(くそ!本当にこの人は!)」と思っていると
「さあ、帰りましょ?」と手を引かれてしまった。
そして、そのまま自宅へと連れ戻されてしまった。
(なんで俺、最初にあった時にこんな子が彼女だったらなって思ったんだろ…その時の自分をぶん殴ってやりたい心境だよ…まったく)
「ちょっと、たーくん!聞いてるの?」
「うん。ごめん、ちょっと考え事してた」
「そう、それならいいけど」と言い、星美はそのまま去っていった。
「父さん、俺もう限界だよ」と電話越しに泣き言をいうが、
「どうだ、若い頃の母さん、いい女だろう?でもいくらいい女だからって母親に手を出すなよ」
とからかってくる始末だった。
「うっさいわ!あんなのと一緒にいたくねーよ!もう出て行ってやる!」
と言って電話を切った後
「あー!もう!なんで母さんが大学生なんだよ!親父のやつ、絶対に何か企んでるだろ!」と叫ぶのだった。
そして、さらに過酷な日々が続いた。
ただその反面いいところも一つだけあった。小遣いだけは困る事はなかったが‥。でもバイトしたかったが星美に止められた。
星美自身は上場企業の大株主なので配当だけでも余裕で生活が出来るからなのだが‥。
だから、バイトさせて欲しいと父に相談したが、星美が拒否したので却下された。
そして、その代わりに星美が生活費を出してくれるようになったのだった。
そして、それは突如やってきた。
「たーくん、実はお母さん、一人で寝るのが怖くなっちゃって。お願いがあるんだけど、一緒に寝てもらえないかな?」と言いながらベッドに潜り込んできたのだ。
「え!?普通に嫌に決まってるでしょ。変態かよ!」と叫ぶ隆だったが
「違うって、怖いだけだよ!お願い!一緒に寝よう!」と言いながら隆の手を取りベッドの中へと引き摺り込んでしまった。
そして、そのまま腕枕をしてもらい、ぎゅっと抱き着きながら添い寝をするハメになってしまった。
(くそ!これが現実なのか!?マジかよ!こんな展開ありえないだろ!)
そう思いながらも星美を振り解けない隆だった。なぜなら彼女の巨乳が当たる感触が心地よいのだ。
そうして抱き締められて眠る羽目になる隆だったが
「(ああ、もうこのままでいいや)」と思うのだった。
そして次の日の朝
(くそ!なんで母さんなんかとベッドインしなきゃいけないんだよ!)と心の中で叫びながら起き上がり、朝食を作る為キッチンへと向かった。そして、冷蔵庫から牛乳を取り出しコップに注いだところで
「おはようたーくん。今日も美味しそうだね」
と背後から声を掛けられた。振り返るとそこにはエプロン姿の星美が立っていた。そして
「朝ご飯作るね。今日は和食にしようか」と言いながら卵を割り入れていた。
(はぁ‥まったく、俺が逃げようとしたのを見透かしてるのかよ‥)
結局朝食を作るのは諦めることにした隆だった。
そして出来上がった食卓にはご飯、味噌汁、焼き魚に漬物といった非常にシンプルな献立が並んでいた。そして
「さあ、いただきましょう」と言いながら向かい合って座った。そして食べ始める二人だが
(くそ!なんで母親と一緒に食事しなくちゃならないんだよ!)と思っていると
「どうしたのたーくん。まだ食欲ないのかしら?それならデザートもあるわよ」と言いながらプリンを取り出した。
そして隆の前に置くと嬉しそうに笑顔を見せた。
「そうそう。今日ねとってもいいものが届くのよ」
「いいもの?何それ?変な物でしょ。きっと」
「まあ、まあ、見てのお楽しみ。」
それから数時間後に宅配便であるものが届いた。かなり大きい。
何だろうと開けてみると‥‥
おいおい、マジかよ…。ビリーヤード台やキューやボール等一式だった。一体いくらすんだ?こんなの。確か家庭用でも30万はするんじゃなかったけ?
「すごいな。でもこんなのどこに置くんだよ。俺の部屋のスペース全部使わないと入らねえぞ」と言うと
「それはそうね‥じゃあ、部屋を改造しましょう。自分のマンションだからある程度のリフォームは出来るでしょ」と言い出したのだ。
「え?自分のマンションって‥?これ借家じゃなかったの?」
「私達がいる下宿ってね。じつは私の所有物件なのよ。だから、思いっきり改装しようかとね。ついでに私の部屋の近くにして部屋を広げてラブラブ部屋にするつもりよ」
「ちょっと待て!却下!絶対やめろ!」と、何とかあほらしい計画は阻止できた。だが好きな時にビリヤードが出来るのはいいことだ。
ちなみに部屋は4LDK。二人で住むには十分すぎる広さだ。
翌日、二人仲良く?大学へ登校する。しかし、周りからの視線が痛い。
(くそ!なんで母さんなんかと一緒に行かなきゃいけないんだよ!)と心の中で叫ぶが、表向きは冷静に振舞う。
しかし、周囲の視線は相変わらず冷たく鋭いものばかりだった。そして
「おい美都。お前も隅に置けないな。星美ちゃんとラブラブだな」とからかわれてしまう始末である。
「(こんな母親いらねえよ!)」と心の中で叫ぶ隆だったが、そんな事はお構い無しに星美はさらにベタベタとひっついてくるのだ。
そんな星美を引き剥がし無視しようとするが
「たーくん、何か怒ってるの?」と聞いてくる始末である。
(もう!放っといてくれよ!)
しかし、そんな願いは叶わない。




