サーキット場
「ヒミコ様、ご機嫌いかがですか?」とうさちゃんが尋ねてきた。
「あっ!いいところに来た。あのさ、あんた一体どういう管理してんのよ!男が怪我ばかりしてるじゃない」
ヒミコ様は文句を言った。
「怪我ですか?」
「そうよ。その度に治療にいくのが面倒なのよね!自動車事故がやたら増えたようだけど」と指差す。
そこには男性が数人ゴザの上に横になっており、かなり重症なようで包帯や湿布などを貼って治療を受けている。
「ああ、あの男達は自動車事故で負傷した者たちですよ」
うさちゃんは答えた。
「事故?何があったのよ?」ヒミコ様は更に聞くと
「あー、どうやらスピード出し過ぎて制御不能になったみたいです」とうさちゃんは言う。
「はぁ?どういうこと?」ヒミコ様は理解できないといった表情を浮かべる。
「まあ簡単に言えば暴走族みたいなものですね。彼らは日々自分達の車をカスタムして速度を競っているんです。この前は280km/hだ!って言ってましたよ」うさちゃんは笑いながら言う。
「280km/h?何それ?普通そんなに出したら危ないじゃない」
ヒミコ様は呆れる。
「そうですよ。でも彼ら曰く、もっと速く走ってみたいとか。だからと言って法律を超えることだけは絶対にダメですけどね。だから私達も一応監視していますが基本自由にさせています」
うさちゃんは苦笑した。
「まったくアンタ達は何やってるんだか……スピードを出したがるのは男のさがでしょ。サーキット場でも作ってあげたらどう?街中では徹底的に安全運転を守らせるなどしてさあ」
「サーキット場ですか?作ってはみたいのですが予算がないので難しいですね。でも一応申請書類は提出しましたよ」
うさちゃんは言った。
「嘘、で、す。金とオイルでかなり儲かってるって聞いたわよ。糞くだらない街づくりするくらいならそっちに力を入れてよね。いくら餌のためとはいえ回復させるのは面倒なんだからさ」
ヒミコ様は言うと
「わかりました。じゃあ今度予算を増やしてもらいましょう」
うさちゃんは答えた。
「お願いね。あんたの国の事なんだからちゃんとしなさいよね!」
ヒミコは注意すると
「はい!」とうさちゃんは返事をした。
「そう言えば他の国はどうなの?」
「他の国ですか?」
「そう。例えば桃源郷は自動車に乗りやすい環境を作ったりしないのかしら?」と聞くと
「桃源郷ですか?そうですね、まず桃源郷ではそもそも女性しか住んでいないのでそもそも自動車に乗る人が少ないですし、大体タクシーやバスなどでの移動みたいですね」とうさちゃんは答えた。
しかし続けて
「自転車も増えてきているみたいなので自動車はそんなに乗っていないみたいですよ」
うさちゃんは補足した。
「なるほどね。じゃあ、桃源郷は特に問題ないわけね」
「そうですね」
「ならいいけど。でも油断しないでね。あそこはまだまだ発展途上なわけだし」
「了解しました」うさちゃんは答えた。
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「うーん、サーキット場か…興味がないからどうしていいのか全然解らないし…、気分も乗らないし…何が面白いのかしら。あんなの乗り回して」とうさちゃんは言う。
「麗奈さんは日本出身だからわかるよね?」と続けて言うと
「うーん、どうかな‥」と麗奈は曖昧な返事をする。
「えっ!どういうこと?」うさちゃんは疑問を持つ。
「いや、だから私が言ってるのは単純に日本人とか関係なく男はみんな好きなんだと思う」と麗奈は答える。それを聞いて
「そっか‥」とうさちゃんは納得して
「やっぱり男性はそういうのが好きなのね」とうさちゃんは頷いた。
「まあ、大体はそうね。みんな乗り物が好きだから」と麗奈も同意した。
「そう。それじゃあ麗奈さんに任せるわね。私には何もできないから」とうさちゃんは言った。
「え!?任されても困ります。私も詳しくなんてありませんし」麗奈も答えた。それに対して
「じゃあどうすれば良いと思う?私は詳しくないから任せてしまうわ」とうさちゃんは言うと
「そう言われても・・・。まあ、うさちゃんさんと同じで車に関してはまったく興味ありませんし」
麗奈は困った顔をする。
「こんなの女性じゃ解らないしこの際、男性の中から責任者決めて丸投げでいいんじゃないかしら。もう好きなように作ってくれって!」と麗奈は言う。
「まあ、それがいいかもしれませんね。私達じゃどうすることもできないし」うさちゃんは納得したようだ。
そして「じゃあ、早速候補を選定しましょうか」と言う。
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「そうです。できれば自動車学校とかライセンス制度なども構築できないかと考えておりますが……」
と一人の男が話している。どうやらこの人物はサーキット場建設委員会のメンバーらしい。
「なるほどねえ。まあ、女性達の反対意見はないと思うけど」麗奈は言うと
「ありがとうございます。まあ、男性の希望とヒミコ様の要請だからですね」
「そうですね。私としてはありがたい限りですよ」うさちゃんも答えた。
「しかしうさちゃんさんには感謝感激雨霰でございます。まさか我々の為にここまでして頂けるとは」
と男が感涙している。
「いやいや、いいんですよ。それに、私としてもこの国に来て楽しい思いをさせていただいてますから」うさちゃんも嬉しそうに答えた。
「いや、それでも我々はまだまだ至らぬ点もありますし」
と男が言ったので「気にしないでください。あなた方がやりたいことをやるのが一番です」とうさちゃんは言うと「そう言ってもらえると助かります」と男は頭を下げる。
「では早速始めますか?」と麗奈が聞くと
「お願いします。私はサポートに回りますので」と男は言う。
「わかりました。では私は資料を集めに図書館に行きますので」うさちゃんは答えた。
そして二人は行動を開始する。麗奈はサーキット場を実際によく見るために実際に赴いて見て回る事にした。
「ほうほう、中々楽しそうな場所ね」
麗奈は思ったよりも楽しんでいた。
(確かによく考えれば普通ならいけないようなところだからね)
麗奈は思った。そして周りを見渡すとそこには沢山の男性達がいた。
そして聞こえてくる声はどれも楽しげなものであった。しかし側に近寄ると
「わお麗奈さんだ。噂通りスゲーいい女だな♡」の声が多くなってきた。
男が多い中での麗奈は完全に目の毒である。
「ちょ!ちょっと待って!これでは私もタダでは済まされないのでは……」と麗奈は焦る。
しかし、そんなことはなく
「麗奈さん、お疲れ様です」との声に変わってきた。周りでは写真を撮り始める者もいた。
「麗奈さんが来るだけで周りのテンション上がりますね」と言う者まで出てきた。
「サインお願いします」「一緒に写真撮ってもらってもいいですか?」
などと言った言葉も多く飛び交い始めた。
「はいはい。順番に並んでくださいね~」と麗奈は言うと「はい!」と元気よく返事をした者もいれば「え、マジでいけるのか……」と言っている者もいた。
「本当にありがとうございます!こんなに集まっていただいて」
麗奈は深々と礼を言う。
「いえいえ、こちらこそ呼んで頂きありがとうございます。それに我々にとってもメリットのある話ですからね」と男は答えた。
「ま、まあ悪い気はしないわね」と麗奈は思った。
「でもこの国は本当不思議。ここは男性が多いけど躾がいいのか襲われる心配がまずないのよね。外の国だったら確実にレイプ確定だもん」と麗奈は思った。
むしろ丁寧に接してくれるので逆に好感を持っているほどである。
「さて、戻るわよ」と麗奈は言いサーキット場を後にした。




