ヒミコの結界
###うさちゃん国総理官邸
ずっどーーーーーん!突然何かが落ちてきたような物凄い音が響き渡った。
「なっ!何ごと?」突然の衝撃音を聞いて玉兎が飛び出してきた。
「ヤッホー、うさちゃん…元気してた?これお土産」とヒミコがニコニコしながら上空を漂っている。あぁ、あんたのせいか……。
はじめはなんだか解らなかったがよく見ると氷漬けにされた人工衛星だった。
「ついでにこれもあげる。ホイ!」と言って無数の何かを投げてきた。
ドスドスドスっと地面に散らばる。それは氷漬けにされたドローンだ。全部で50機くらいあるだろうか。
「あの……、これは一体……?」
「なんかさあ、上空から見られてるような気がしたからよくわかんないけど氷漬けにしといたの。このちっちゃい奴は私の結界の中でブンブン煩かったから捕まえといたわ!」
「あー、なるほど……。ありがとうございます‥でも人工衛星って…こんなのどうやって捕まえたんです?滅茶苦茶速いと思うんですけど…」
「簡単よ!瞬間移動で飛び乗って凍らせただけだし。」
「へ?あぁ……そうですか……(意味が解らん)。でも、なんでこんな事に?」
「さぁ?知らないわ。だけどこのまま放っておくと色々と困るでしょ?だから捕獲してきたってわけ」
「でも、これだけ大量のドローンと人工衛星はどうやって運んできたんですか?」
「それはね~。秘密よ♪」
「はい……(もう何も聞かない事にする)」
「でもこれ見る限り凄い技術だと思いますよ。解析して自国の技術にしちゃいましょうか?」と玉兎
が期待を膨らませると「こんなの三流以下よ。もっと凄いもん見てるから」とヒミコが切り捨てる。が解析する気満々の玉兎であった。
「確かに、ヒミコ様の力ならこれくらい余裕ですもんね。でも、この小さな飛行物体は一体……?」
「さぁ?偵察用かもね。私が気に喰わない連中の仕業かもしれないわね。そうなると面倒臭いわね‥」
「もしかして……中国軍の?」
「衛星はそうかもしれないけどドローンは盗撮じゃないの?いろんな種類で統一感がないし…」
「そうですね……ちょっと調べてみますね」と言うと玉兎はどこかに電話をかけはじめた。
「はい、こちらうさちゃん国。えっ、氷漬けになったドローンと人工衛星が見つかった?はい、はい……。なるほど、なるほど……」
どうやら何者かの所有物らしい。
「えっ!?もしかして中国軍!?」
「おそらく……」
「マジか……」
玉兎は頭を抱えた。「こりゃあ、ちょっと厄介な事になりそうね」とヒミコはつぶやいた。
「とりあえず、この氷漬けドローンは解析班に任せるとして……」玉兎はヒミコに向き直る。
「ヒミコ様、この人工衛星の件も相談したい事があるのですが……」
「えー、私はパス!めんどくさいし!あんたが勝手にやんなさいよ!」
「そう言わず、ちょっとだけ聞いて下さいよ~」
「嫌よ!私は忙しいんだから!」
「そこをなんとか!ヒミコ様!お願いします!」
「もう~!わかったわよ!少しだけよ!」
こうして2人の話し合いが始まった。
# 四女神連邦 - 膨張する版図 -
「それじゃあ説明するわね」と言って玉兎が話し始める。
「まず、このドローンの件だけど、これは個人の所有物らしいわね。数十台を何人かで動かしてたらしいわ。その内の一人を国外で捕まえましたがお金をもらって盗撮の仕事をやっていたそうですね」
「まぁ、それは当然ね」とヒミコは答える。
「ただ、その雇い主がわからないそうなんです。ただ私服姿の女性を撮るだけでもかなりの高額で売れるようでして、陸上用のユニフォームは最高額だそうです。」
「……そんなに欲しがる物なの?あのパンツの写真が?」
「ええ、もう相当なお値段で取引される予定だったようですね」
「予定だった?」
「ええ、みんなドローンが四女神連邦に侵入した途端に片っ端から氷漬けになり操作不能になったって言ってます。結界にそういう機能つけてたんではないのですか?」
「ああっ、そういえばふいにミサイルとかが飛んで来たらとか思って外部から機械類が侵入してきたら凍らせるようにしてたっけ‥」
「もう!相変わらずテキトーなんですから!」
「うっさい!てか、なんか話脱線してない?」
「すいません!それでですね、人工衛星の件なんですけど……」
「あれって、中国が管理してるものでしょ?」
「ええ、確か、そういう情報でしたね。なので、そちらの方はすでに報告済みですのでそのうち返事があると思います」
「ふーん。まぁ、どこの国だろうと私の結界内で好き勝手できると思うなって事よね?」
「はい、ヒミコ様の結界で捕獲したという事ですので。それにしてもヒミコ様の結界って凄いですね。もう、何でもアリじゃないですか」
「まあね」
「でも、それってつまり、今回みたいに人工衛星などを捕らえたりできると言う事ですよね?」
「まぁね」
「それって、弾道ミサイルが飛んできても大丈夫って事ですかね?」
「たぶんね。核爆弾くらいならどうにかなるんじゃないかしら?」
「えぇー……」
玉兎は唖然とする。
「ちなみに複数発同時発射されたらどうなります?」
「あんなのたかだかマッハ20から30程度のスピードなら瞬間冷却よ。絶対零度の防壁は伊達じゃないんだからね」
「は、はぁ……」
(いや、それはもう核兵器以上の破壊力じゃないですか……)
「ちなみに地球に向かってくる隕石とかを凍らすことも可能なのよね」
「え?それってつまり……」
「そっ、核ミサイルくらいなら簡単に止められるわ!」
「す、凄すぎです!ヒミコ様!!」
(やはりヒミコ様は最強ですね。まさに破壊神と言えます)
「ちょっと!なんか失礼な事考えてない?」
「いえいえ!そんな事ありませんよ!」
「そうだわ!いい機会だから中国に言ってくれない、核弾頭片っ端から撃って来いって!」
「はあっ?ヒミコ様!正気ですか!?」
「冗談よ!……半分は本気だけどね」
「でも、それなら人工衛星を取り返しにくるのではないですか?」
「どうかしら?私の結界を突破する手段を持ってるとは思えないけど……」
「確かに、そうですね」
「仮に奪われたとしても再び捕まえるだけだし……」
「では、この人工衛星とドローンはヒミコ様のご要望通り、解析班に回します」
「ありがと。ま、適当にあしらっといてね!さて、今日はこんなもんでしょ?あんまり長居すると眠くなっちゃうからそろそろ行くわ!バイバーイ!」
と言い残しヒミコは帰って行った。




