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第13話 たまに現れるアイツ

矢は肩付近に接近し貫こうとするがこれを盾で弾いて防ぐ。まじか、生身の人間に対していきなり撃ってきやがった。


「へえ、流石ディフェンダー、硬いね」

「こうでなくては狩りは面白くないからな」

「必死に逃げて俺達を楽しませてくれよ!?」


大笑いする男達。おいおいまさか俺を狩ろうってのか。おかしな集団だとは思ったがまさか人間狩りをするようなぶっ飛んだ人たちだとは思ってもみなかった。世の中考えが及ばない悪党っているものだな。奴らは俺を殺しに来る、ということは敵と判断していいわけか。しかしいくら悪党とはいえ全員ミンチにするのは寝ざめが悪い。かといって簡単に黙らせる腕力はないんだよね、防御力はかなりのものだけど。低レベルディフェンダーの攻撃かミンチか。しかし大丈夫、準備は万端。こういう時のために取っておいた神獣が早速役に立つ時が来るとは。彼らと向き合い戦闘態勢をとる。


「ん、もしかしてコイツやる気か?」

「ギャハハ、初心者冒険者と中級者では天と地ほどの力の差があるのに。いいぜ怖がらせてやるか」


武器を持った男たちが近づいてくる。まずは動きを止めよう。


「マジックストーンサモン! 英雄戦士、召喚!」


裸の弱そうな戦士が叫び声を上げながら上から落下してきて地面に激突、ふらふらと立ち上がり敵の前へ。


「この弱そうなやつはどこから来た?」


急に現れた奇妙な戦士の登場に警戒し身構える彼ら。おかまいなしに裸の戦士がスキルを使用。


「アドバタイズメント!」

「な、なんだ、急に真っ暗になったかと思えばおかしなものが目の前に」


目の前に広告が現れバツを押すまで行動不能という、足止めには最適のスキルが発動。しかもソシャゲをやっていないこの世界の人間は解除法を知らないだろうしな。


(やはりマンハントをしていたのは彼らだったか。証拠は揃って言い逃れができない状況にまで来た、よし、彼をすぐに助けなくては‥‥いや、様子がおかしい。急に全員がうろたえながらその場で動かなくなった)

「ああ!? 今度は演劇が始まったぞ!?」


どうやら広告を押してしまってムービーが始まり状況が悪化したな。こうなると尚更どうやって止めたらいいかわからなくなる。パニックに陥る男たち。


「おお、出られた」


勘がいい奴が脱出してきた。ここで脱出法をばらされると面倒だ、口封じのついでに彼を使わせてもらおう。もう一度召喚。


「メインキャラクターズ!」


ポーズを決めた女の子が召喚される。どこかのゲームの主人公だろうか。


「バーサーカーチェンジ!」


広告を抜けてきた男にスキルを打ち込む。すると男は敵も味方もかまわず襲うバーサーカーに変貌。長く続いたゲームはメインのキャラが知性タイプだったのに脳筋になっていたりこんな性格だっけと頭を傾けることはよくある。それを表現しようとしたスキルなのだろう。持っている鉄のメイスで広告を見ている仲間を叩きだす。


「ゴォォー!!」

「ギャー、何が起こって!?」


次々と襲い阿鼻叫喚の場となった狩場。一人また一人と片付けていく。無抵抗だから簡単に倒せてしまう。ついに残りはバーサーカーの男だけ。一人ぐらいならチクチクと削りながらいけるか。彼と戦闘しようとしたところで先ほどギルドで見た職員が茂みから飛び出し胸を揺らしながら走って近づいてきた。


「大丈夫!?」

「ああはい、彼らに襲われたんですが、一人がいきなり仲間を攻撃しだしてわけがわからず」


とっさに嘘をつく。状況からしても男が暴れ出して仲間を襲いだしたようにしか見えないだろう。すみません、面倒ごとには関わりたくないんで。


「後は私に任せて」


そう俺に声をかけると単身丸腰で男に近づいていく。ちょっと危ないんじゃないかなと思ったけどだけど任せてって言ってたし手を出すのはやめておくか。男はメイスを彼女めがけて振り下ろす。


「危ない!」


攻撃が肩に直撃したが彼女はダメージを受けた様子はない。ああ、高レベルの冒険者なのかな。


「何人もの命を奪ったあなた達の罪は非常に重い。今すぐ殺してやりたいところだけど法に従わなくてはね、牢屋に入り反省なさい」


メイスを押さえつけて空いた左拳で顔面を強打、男は吹き飛び地面に叩きつけられ動かなくなる。一撃でノックアウトとは強いな、拳法家だろうか。


「後は私が処理しておく。よく頑張ったね」

「はい」

(目的の人間は圧倒的な力を備えている。彼がそうなのかはこれだけでは測れないな)


礼を言いこの場から去った。後に分かったことだが貴族の子供達がマンハントという遊びをしていてすでに数人の命が彼らの手によって失われていたことを知る。もし俺に力がなかったら死んでいただろうな。運がいいとは思うが亡くなった人たちのことを考えると非常に複雑な気持ちになる。後味の悪さが残るなんともやりきれない事件だった。

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