第12話 マンハント
「新規冒険者が三人も行方不明になっている件について何かわかったか?」
「はい、犯人たちの見当はついてます。後は現場を押さるだけです」
「わかった、全て任せた」
「ではこれから彼らが向かった先、リマラの街へ行ってきます」
「マンハントか、頭のいかれた連中だよまったく」
冒険者になって数日経過、今日もレッドビーク狩り。まだここで狩っているのはスキルに慣れるためでもある。主に速度のコントロール。他の狩場はここと違いそこそこ人がいるから完全に制御できるようにしておきたい。狩りをしているとレベル3になりスキルを習得。
「マジックストーンサモン、変わったスキルだな」
このスキルは特殊で、一つのスキルではあるがスキルチェンジすることで三つのスキルを使用できる。まずはビリングブレイクというお金で止めを刺すスキルを使うことで虹色の石を入手することができる。入手した石を使い神獣召喚という名のスキルのガチャを回すことが可能になる。一戸で一回転。R、SR、SSRとあり、確率は87、10、3。10連でSRが確実に出現。現在入手可能なSSRは二枚、レベルが上がると種類が増える。三つストック可能だが他は廃棄となる。ソシャゲのガチャとはかなり違う仕様、あくまでスキルというわけだな。こうして入手した神獣をマジックストーンサモンのスキルで召喚、スキルを発動後消滅する。
「まとめると金で石を入手してガチャを回した後に召喚獣を出し攻撃できると」
お金はたいしてかからず魔物は何でも良さそうなのでそこまで入手は大変ではない。弱いほど手間がかからないからレッドビークはうってつけだな。ただ、この倒し方だと討伐証拠品を入手できないだけでなく黒獣石すら消滅してしまうという弱点がある。財布と相談して考えながらストックしていきたいところだ。依頼を受けた分の討伐を終えマジックストーンサモンを試してみることに。その前に神獣のチェック、かなり強力な効果が並んでいる。威力の方は試してみないとわからないな、今度どこかで試し打ちをしてみようか。欲しい神獣を三つ選んでおく。
「石を集めるぞ」
銅貨を取り出しスキルを発動、刃のような形の光が銅貨を包む。そして銅貨を敵に向かって放り投げる。お金を投げ捨てるなんてなかなかしない行為だ、背徳感を感じる。
「ギィェェーー!」
断末魔を上げ即死、銅貨と死体が浮かび上がり光って圧縮され召喚石に変化した。見た目はよくあるガチャ石だな、ソシャゲ経験者の俺には馴染みが深い石だ。敵が弱いからビリングブレイクを直接撃って一撃で倒せた。HPを削る必要がないのは地味に助かる。こうして石を集めガチャの神獣召喚をすることに。安全な位置まで移動してから十個の石を使いガチャスタート! 石が消え目の前がホワイトアウトして別世界に飛ばされる。広大な草原、ここは神獣召喚の世界かな。天候が変わり雷が落ち空には虹が。まさかのいきなり虹演出発生、こいつは期待ができるぞ。草原を駆けていくとそこには十体の神獣達が俺を迎え入れるように並んで待っていた。そして一番奥にいる神獣こそが!
「SSR、断滅の冥獣!」
早速SSRを入手! しかも他狙っていた神獣も引いている、運を使い切ってないだろうな、怖い。まあぶっちゃけると総数が少ないから出る確率がかなり高いというからくりがあるけど。初期ガチャは狙いやすいんだよね。目当ての神獣三つをストックしガチャを終了。帰ってご飯を食べ宿で眠る。
「ふんーん、すがすがしい朝だ、今日も冒険者稼業を頑張るぞ。ん? あいつらは」
「おらっ、邪魔だ」
「ひっ!」
宿から出てギルドに向かっていると高そうな服を身にまとい笑いながら道いっぱい横並びに歩き我が物顔にふるまう男達を見かける。貴族の人達かな、しっかしガラが悪い。ああいった人間には近づかないのが一番だ、道を変えるとするか。回り道をしてギルドへ。
「今日はどうするか」
掲示板を眺める。そろそろ速度を制御できるようになってきたし今日は最後の調整をして明日からは狩場を変えようかな。考え事をしている扉が開きギルドの職員の服を着た女性が入ってくる。見たことがない人だ、新しい職員さんかな。
(こ、これは!?)
彼女のあるものがとんでもないことになっていることに気が付き驚愕する。
(でかい!)
服が今にもはちきれんばかりの大きなお胸。あの大きさでは地上を見ることができないほどだろう。‥‥いけない、そういうのは良くないね、時代じゃない。いや、世界は違うんだけれども。俺は紳士だからすぐに冷静になれた。依頼を受けギルドの扉に頭をぶつけていざ狩場へ。
「今日も無事狩れた」
依頼を達成してそろそろ帰ろうかというところで数人の冒険者が狩場に入ってくるのがわかった。大人数でここに来るとは珍しいな。PT連携のテストとかな。
「いたぜ」
「久しぶりの獲物だ」
「最近は目が厳しくなったからな」
彼らは会話を交わしながらこちらに近づいてくる。よく見ると仮面をかぶった奇妙な集団だ。何かの儀式でもするのかな、関わると面倒だなと無視して帰ろうとしたとき一人の弓を持った男がこちらめがけて射かけてきた。




