第98話「先住民?」
このサイズの眼球を監視などの目的で作る技術は
やっぱり元の世界ではない
少なくとも一般社会には、だ
確か巨大なイカで最大サイズが
これくらいの眼球だったと記憶しているが
仮にそのイカの目玉をこんなに多数採取して
何千年も使えるようにする技術があるのか?
逆に人工的に作った眼球がここにあるのなら
それはそれでオーバーテクノロジーだ
だが、これでどこかにこの画像を見ている
コントロールルームがどこかにあるはずなのははっきりした
他のビルなどには眼球なりカメラなり
人感センサーの類はなかった
そう考えるとこのドームが重要施設であり
かつ何かの目的で最低でも入退出を管理されていると
考えるのが妥当
その目的はわからんが、見る人なり目的がなければ
設置する意味はない
悪さをしなければ眼球とその監視システムそのものの調査は
今回の目的ではないが、長の言からすれば
恐らくこれで入退室管理をしていて
当時は警告などが流れていたのではないか?
壊したのか、経年劣化で破損したのかわからないが
数千年単位で稼働してるほうが
不思議なくらいだし
検知したときの音声が止まっただけではないだろうか
実害がなければ当面放置だな
そう思って長の元に戻り
見てきたものの話をしたところ
現物が見たいと言い出した
「わしらが長い長い間気が付いてなかったものを
こうもあっさりと見つけるとはのぅ」
そういいながらどっしりした足取りで歩いてくる
デカい
長だからか、数万年生きている超越した生物だからか
何十トンもあろう巨体だが軽快に歩いてくる
ただ、その足が着地するたびに
私らには地響きと震度4くらいの揺れが襲ってくるが
ゲートに着くと流石にすぐ目に入ったようだ
「なるほどの、これは確かに目じゃの
何を見ているかわからんが
これらの繋がっているところはわかったぞよ」
「は?」
「わしはこういった“縁”といえばいいのかの
繋がりが見えるのよ」
ネットワークが可視化できるって凄くない?
と思っていたらルカが一番驚いた顔をしている
「知らなかったのね、君」
固まったままの彼女にそう声をかけた
「ところで、どこに繋がってるのかな?」
「どれ、皆で行ってみるか
久しぶりに外にでるのもよかろうて」
長を先頭に、そのまま歩いて外に出た
後をついて歩くと、数分で着いた
直径10mくらいか
岩手名物ごま摺り団子のようなプリンとした球形
一部が接触面で潰れた感じまでそっくり
半透明感もあるがサイズがでっかい
材質はわからないがうっすらと透けて見えるのは
なんなのだろう?
「ここじゃの、繋がっているのは」
周囲を回って建物を観察すると
2か所明らかに入口だろうと思われる個所があった
扇型が180度展開しているし、シャッターか?
周辺の壁を探してもボタンなどはない
リモコンなどなのか?
フレイア、白夜と3人で見直すもなにも発見できない
正確に言えば、頂点部の構造体にセンサーらしき
でっぱりは見つけたが、高さもあるので届かない
しょうがない
「ルカ、悪いけど抱えて飛んでくれる?」
「任せるのじゃ」
中世貴族のドレス姿した女の子に
後ろから抱きかかえられるアラサーおっさんって
どうだろう?
かかえられたままシャッターに近づくと
でっぱりが青く点灯したと同時に扇が畳まれる
シャッターが開いたのだった
試しに一度離れるとタイムラグがあって閉まる
完全に自動ドア、だ
しかし、何に反応したのだろう?
あそこまで近づかないとダメなのか?
だとしたら相当大きな生物が
この施設の利用者だったってことになる
さっきまで開かなかったのに
変化点は飛行、近接と・・・まさか?
「ルカ、歩いて近づいてみてくれる?」
「わかったのじゃ」
閉まったシャッターに歩み寄る
でっぱりが光り、シャッターが開く
「おお、開いたのじゃ」
開いた状態で他の面子が中に入っても
警告が鳴ったり攻撃されたりはない
内部には光る苔で灯りはあり
壁にはドーム内の様子が映っていた
長の言う通り
ドームの眼球カメラはここに繋がっていたわけだ
ルカにだけ反応するドア
つまり、龍神族だけ認識するシステムってことだ
ということはここの元の管理者は龍神族?
ルカが検証に必須になるんだろうな、これ
「我にだけ開くってなんじゃ?これ?」




