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想像力皆無な世界で私と後輩、二人で現代知識を駆使してのんびり3年間を過ごしたいだけなんだけど!?【連載改稿版】  作者: 菜乃花 薫
異世界道中の、はじまりはじまり

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第96話「気を付けよう、速度感覚」

刹那、シャールカーニが消えた

厳密に言えば超高速で上に移動したようだ


音もせず、風も起きずに移動する昇降機

これ、テクノロジー的に最低でも数百年以上上だわ


しかも5000年経っても普通に稼働してるし

そもそも動力は?


〈一応無事に最上階に着いたのじゃ〉


通信が入る


「わかった、今から上がるよ」


そう言ってシャフトに入りボタンを押す


次の瞬間に見えたシャフトの外にはルカが居た


「これはすごいのぅ」


「確かに」


やはり天井には光る苔が全面

残念ながら最上階なのに窓がないから外が見られない

町の全容を見るには最上階にでも上がってみたいのだが

エレベーターの最上階はここだったから

あとは階段があるかどうか、かな


二人で探してみるが開口部すらない


1階もだったが、私らが考えるオフィスビルと違って

人が使うような感じがそもそもない


普通だったらトイレなりオフィスなり

それ相応の仕切りがあったり機材があるものだが

あった形跡すらない


朽ちて無くなった可能性もあるが

建物が残ってて内部だけ綺麗に無くなるようなモノづくりを

するのだろうか?


念の為すべてのフロアに移動して確認したがやはり同じ

無機質といえば無機質


なのに室内に灯りは点きっぱなしというのはよくわからない

人ならば灯りは必要だろうが

その人が使うためのものに見えない


ここだけなのだろうか


他のビルも似たり寄ったりなのだろう


無暗に見ても徒労に終わりそうな気がするので

きちんとマップ作ったりして作業するほうがよさそうだ


マップ作りは・・・どうするか


『ドローンをクリエイトして空撮したものを

アウトライン化すれば地図が出来ます』


これが個人レベルでできるのかよ

クリエイトと弥生さん恐るべし


他の偵察コンビにも通信で確認したが

どのエリアも同じような状態だった


全部回っても仕方がないので

一度ドームに戻って長に話を聞いてみようと引き上げる


帰路はルカが運転してみたいというので

ATVの操作を教えゆっくり走ってもらう


乗り物を動かすのは初という割に呑み込みが早く

あっという間にフレイア並みのスピード狂になっていた


そりゃ、今の姿になって数日で空を飛びまくってるわけで

装甲車で10時間かかる距離を

空を飛んでいるとはいえ1時間程度で移動できるのだから

300km/hくらいは出しているのだろう


5,60km/h程度ではゆっくりに感じてもおかしくない


慣れたところでそのまま運転すると言って聞かないので

後ろにタンデムして座面横のグリップを握る

「なんで我に捕まらないのじゃ?ほれ」


そう言うが、アラサーのおっさんが

見た目10代中盤の女の子の腰を抱いている絵面って

ヤバイ気がする


「どうせアヤノはおらんのじゃ

そのまま帰っても怒る者もおらんぞ?」


「誰かがチクる恐れもあるわけで、とりあえずなしで」


「知らんぞ?」


そういってルカはグリップを思い切り回した


うん、彼女用のATVにはリアシートに背もたれと

太目のグリップを付けておこう

そう決めた次第だった


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