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この世界、モノづくりも名前もお風呂もありません。だから後輩といっしょに、魔術開発と現代知識で雑貨から兵器まで作り放題の3年間をのんびり送ります【連載改稿版】  作者: 菜乃花 薫
異世界道中の、はじまりはじまり

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第90話「弥生さんの妄想暴走」

アウラムとフレイアに作ってもらう前に

またも弥生さんに動画作成を依頼


リアカーと自転車、それぞれの使い方を見てもらおう


前者なら手で持つより多くの荷物を軽く移動でき

後者は歩くより大幅に早く遠くまで行けること


それらのメリットを訴求して作ること自体のメリットも

理解してもらうことを最優先にしたい


まあ、ベアリングだとかチェーンだとか

確実に金属でないと作れないものもあるからね


素材的に代替品がないか、フレイアの知識に頼ってみたい

自前で作り上げることって大事だしね


クリエイトでテーパーだろうがスラストだろうが

ボールだろうがベアリングなんかすぐ作れそうだけど

それでは意味がないんだよね


とりあえず見本にそれぞれ2台ずつ作る

1つは分解して構造を見せる用、もう1台は実働兼完成見本かな


てなことで、自転車とリアカー2台ずつ完成


リアカーは自転車に繋げるように連結ロッドも作っておく


チェーンなどだとブレーキかけた途端

リアカーが突っ込んでくるし


どのみち連結状態だと制動力が足りないから

単独ではなく他にサポートが付いて押していく感じになるか


次は農機具、か


そうは言っても農業区の運用で考えているのは

人の手ならぬ「ドラゴンの手」


ドラゴンが手を使って土起こしから

畝づくりまでできればかなりのスピードになるはず

下手にトラクターや土起こし機を作るより

この【世界】でならば効率的で現実的


これもあって龍神族2名の〈契約〉を現地人二人にしたんだよね

私らが帰った後にもドラゴンと人が協力して生きていける


龍神族が間に入って取り持ってくれれば良し

もしなにかでお互い齟齬が生じてもそれは自己責任だろう


そこまでは流石に面倒見きれん

きっかけと流れは作ったのだから、あとは運用次第、か


で、ドラゴンの手の器用さがわからない現状と

どのみち種まきとか水やりとか手がかかるものが生じる


そこで、だ

生物はできなくともこれなら製作できるだろ


製作:(クリエイト:)人造(キュスティリッヒ)生命体(レーベンフォルム)


・・・・・

「思てたんとちゃう」


おかしい

いわゆるゴーレムを造ろうとして

弥生さん謹製魔術で製作したはずなのに


ゴッリゴリの「メイド服を着た女性」が出来てるんですけど??

しかも明らかに過剰すぎるダイナマイトボディで


『折角なのでこの機会に試作品を作ってみました』


弥生さん、あんたの仕業かい!


『私とはまったくの別人格になります

私とのリンケージはしていますが

【世界書庫】とのアクセス権限などはなく

強力なボディを持った戦えるメイドさん、です』


いや、今作りたかったのは農業で役立つゴーレムであって

戦いで役立つ暴力ではないのだけれど?


『鍬や鋤などもご主人様(マスター)が作れば立派な武器ですよ?』


屁理屈言うな!


ところで、なんでメイドであんなにダイナマイトボディなのよ?

弥生さんの趣味ですか?


『いいえ

単体で魔術を使うに当たっては

神の作られた生命体ではないことで

周囲からの魔素の吸収が上手くいかなかったのです


そこで魔素貯蔵庫として胸と臀部を集中的に大きくしました』


それ、本当なの?

『本当です

フレイアより大きくなったのは結果論です』


でも、この娘、弥生さん自身じゃないんだよね?


『うぐっ』


・・・・・この人、フレイアに負けたくなくて女性メイドボディを作り

ボーンキュッボーンボディにしたのはいいが

自分はそのままなのを忘れてたのか?


それとも脳内から移動するつもりだったのかね?


『う・・失念していました

ご主人様(マスター)と添い遂げると誓ったはずなのに・・・・・』


なんだか、みんなの影響受けまくりすぎじゃね?


ところでこの娘、量産化できるの?


『も、もちろん可能です

魔素量も相変わらず減らないので何体でも作れますよ』


じゃあ、まず起きてもらって、せっかくだから運用試験しようか


『運用試験、とはどういうことでしょう?』


ちゃんと使えるメイドさんならば、歩くPAC-3になってもらうんだよ

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