第88話「絶対領域」
朝ごはんはスクランブルエッグにサラダ
チーズトーストと軽めにしておく
軽い分、おかわりが連発してフライパンとホットサンドメーカーは
どれだけヘビロテしたものか
食べ盛りの子供がいっぱいいるようだよ、まったく
後片付けをしてもらっている間に食料を選びに戻る
今回は少々多めに持っていくため
いろいろ考えた末、装甲車のヒッチメンバーで牽引できる
キャンピングトレーラーを製作してみる
当然、まともなトレーラーではない
移動時には装甲車追従になるが
緊急時には切り離しをして
自動で指定ポイントに向かう帰投機能付き
防御力特化だけども
非常時用に3名乗車での運転が可能なコックピットを設けて
武装もバルカンファランクスを前後に各2門搭載してある
へたをすれば装甲車の武装よりキツイかもしれない
ちなみに総重量の大半は食料保管庫とその中身だったりする
食い物を守るのは結構大事よね、この【世界】の現状を鑑みるに
魔素による動力システム様様、ですな
省スペースと省エネ、ほぼ無補給状態ってまさに神がかってる
てなことで食料も大分持てたし、再度町に向けて出発
光る苔を満喫するとごねるルカ用に壁面から採取したものを
トレーラーコックピットに置いて
ニールと二人、移動中堪能させてる次第
町に直行し、連絡しておいたカホル達に
門を開けてもらって居住区に入る
たった2日だけれど、家が30軒以上完成して人も大分増えていた
「ケイ!帰ってきたのか」
おっさん町長が声をかけてきた
住んでよかったから、と町に戻って
希望者募ってみたら結構な人数が手を上げて
モートラで何度か往復して連れてきたらしい
マンパワーがあるから同時進行で
1時間くらいで数軒が出来るペースだとか
そりゃ2日でこれくらい建つわな
おっさん町長にはあとどれくらいの家が必要か聞き取り
在庫が少なくなっていた家キットを補充する
まずは50軒あればいいだろう、だそう
元の町の家と言えない家では
家族が1つ屋根の下で住むのも難しかったようで
建物としては数があったものの
家庭の数としては半分にも満たないのがわかったんだとか
住民管理もないんだろうし、仕方ないか
名前もなけりゃ住民管理だってできんだろ
せめて家の区分けと人数、年齢、性別把握くらいはしてもらおうか
そうそう
「町長に先に言っておくが
ドラゴンの里を襲う生物が出てるんだと
万が一こっちに来られると惨事が起こるから
防衛能力強化するんで工事に来てる
みんなにも言っておいて欲しい」
かくかくしかじか
経緯を説明して、多分問題ないだろう天蓋の設置と
どう考えても稼働時に問題が出るだろう
迎撃システム稼働時の爆音についても理解を求める
基本、敵性存在を検知して発射シークエンスに入った時点で
警報・警告ガイダンスを流すってことにしておいた
その後はおっさんも気絶した爆音だったりワイヤーや
スパイダーネットで捕獲行動に入る、と
龍がどんな声あげるかわからんし
攻撃によっては危険が生じるかもしれない
警報聞こえたら管理棟か地下シャフト
とにかく建物内に逃げ込むよう徹底してもらう
話を付けたその足で先日作ったままだった防壁の足場に上がって
予定していた天蓋をクリエイトで作っておく
足場を拡張してここに迎撃システムを設置する
攻撃時に天蓋のシャッターが開いてせりだす
往年のロボットアニメの基地仕様だ
これをドーム外周に沿って12カ所
通用門部に片側4か所
農業区画ドームにも12カ所設置してきた
過剰?
そりゃ、どんなのが相手かわからないしね
複数で同時に対処する
もしくは敵性生物が複数同時襲来って可能性もあるからね
「ケイ殿~~~~
これはどんな仕組みなのですか~~~~」
赤髪の美人さんが
思いっきり走って足場を駆け上がってきた
後ろで結わえたポニーテールだけでなく
階段を駆け上がるモーメントであちこちを
ゆっさゆっさ揺らしながら
「君さぁ、タイトスカートだよね?
ずり上がらないのか心配だよ?」
「アヤノ殿が〈先輩が絶対ずり上がるって心配してるから
絶対領域死守するイメージで作りました〉って言っていました!
ところで、絶対領域ってなんのことなのでしょう?」
阿部ちゃん、いったいどこまで・・・




