第75話「裁縫の形跡?」
綺麗になったマイカの着衣を二人で確認する
拘束したままなので脱がせることはできないが
ショルダー部を捲ると合わせ部の縫い目が見える
前後2パーツに分けた布を縫製している
縫い目を見るとミシンではなく手作業
太い針と太目の糸?で縫われている
布自体は伸縮性が少々あるくらい
布の切断箇所は、ほつれ防止にロックミシンで始末したり
折って処理したりもなく切りっぱなしだ
昔も昔、の製法だろうが、それでも布が出来ているってことと
針と糸がある、というのは少々驚きだ
「ルカ、悪いがマイカには確認したいことが出来た
急ぎでなければ、すぐ連れて行かずに少し時間をもらえないか?」
「旦那様が望むなら問題ないのじゃ、長は未だ知らない話じゃし」
了承を貰った
「ところで邪魔入ったけど、洞窟に向かってる途中なんだよね
こいつを連れてって大丈夫かな?」
倒れてるマイカを足で指す
「洞窟の場所を知られない方がよいと思いますわ」
「我もそう思うのじゃ
旦那様の聞きたいことを聞いたら
我らがすぐ長のところに置いてくるのじゃ」
そうだよねぇ
ロケーション取得する魔術とかかけられてたら、面倒だろうしねぇ
「私も二人に賛成です」
ニールも同様だった
「でもこの娘、お風呂入れてあげた方がよくないですか?」
阿部ちゃんの気遣いだ
「「「おふろ?」」」
未体験の3人がハモった
この3人、今朝逢ったばっかりだから風呂未体験か
「さっきの話を踏まえると
こいつが目を覚ますまで移動しないほうが得策だろうから
ここで風呂作って入るか!」
「「さんせーい!」」
阿部ちゃんと既に経験済みのアウラムが元気に返事をする
「じゃあ、露天風呂作るか」
はい、出来ました
「露天風呂だけど、覗き見と侵入防止でめっちゃ塀が高いのと
ネット張ってあるのは我慢してね
ついさっき上から襲われたばっかりだし」
内見しながら説明をする
「これ、もしかしたら【予約の取れない温泉】じゃないですか?」
「確かにあれをイメージはしたよ」
「行きたいって言いましたけど、覚えてくれてたんですね!」
「あっちだと遠いし予約取れないし、お泊り必須だからねぇ」
「一緒にお泊りでもいいんですよ?先輩を信じてますから」
含み笑いをする
まったく、自分の貞操の危機を感じないものかね、この娘は
「と、いうことで戦闘で疲れたろうし、休憩がてら風呂を楽しもう!
マイカも入れるなら、悪いがアウラムと私で起きるまで見張ろう
ニールは・・・・・今のうちに洗い方教えておくから、ゆっくり入ってて」
アウラムの時同様、シャンプー類の使い方を教えて戻る
水浴びと言ってもドラゴン形態でしかしない様子で
手で体を洗うことすら未体験の裸のおっさんに教えるのは少々難儀だった
戻ったらマイカが目を覚ましていた
説明すると
「風呂だと?」
驚いていた
「知ってるのか?」
「魔王城に魔王様専用の風呂がある
魔王様と奥方様、僕の者らが入るのを見たことはある」
やっぱりなにかおかしいな、魔王
「拘束は解けないがさっと洗っておいで
アウラム、悪いけど連れてって
みんなで手分けして洗ってやってくれないかな?」
ワンピースなので脱ぐのに支障がある
現状の縛り方だと困るだろう
と思ったが、手を縛ってしまうと
どうやっても脱がせられないことに気が付く
しかもマイカ、足首までを石化させられてるから
一人ではまともに歩けないんじゃないか?
「阿部ちゃーん、もう服脱いじゃった?」
少し遅れて
「覗きはだめですよー」
「違うわ!
まだ着てるなら、悪いけど一度戻ってきてくれるかな?」
少しあって戻ってきた
「どうしたんですか?」
経緯を話して
「拘束をほどきつつ新たに拘束しながら脱がせるか
服を切って脱がせるかどっちがいいのだろう?」
と相談した
「待て、何故風呂に入って洗わなければいけないのだ?
そんなに私が臭っているのか?」
気絶してる間に洗浄しちゃったから、わかってないのか
アウラムが耳元でなにか喋ってる
みるみる真っ赤になるマイカの顔
流石に魔族でもおもらしは恥ずかしかったのか
「まあ、そういうわけで洗浄はかけておいたけど
せっかくだし洗って来たらどうかと思って
ただ、縛ったままでは服を脱がせられないから
どうするか?ってので相談してるんだ」
「服を破って洗えばいいだろう?
敵の前で裸だろうが恥ずかしいことはないぞ!」
やっぱりそう言うだろうと思ったよ
こっちの人、全員羞恥心どこかに置き忘れたのかな?
おもらしは恥ずかしくて裸は問題ない、ってどうなのよ
まあ、この【世界】に一人で転移させられてれば
喜んで!と脱がせてるかもしれないけど
などと考えたが
「せ・ん・ぱ・い?」
ほら
隣からめっちゃプレッシャーがかけられてるのだよ




