第73話「龍の呪い」
「お前は誰で、ここで何をしていたんだ?
先日通った時にお前は襲ってきていないが、ずっとここにいたのか?」
とりあえず確認してみる
無言だった
爆裂音は気絶するし、電撃も効かない
火あぶりなどもあまり期待できなさそう
「魔族を素直にさせる方法、なにか知らないかな?」
龍神族の二人に聞いてみた
「旦那様に頼まれれば仕方ないのじゃ」
何やら長い呪文を唱えると、雁字搦めのダークエルフの手を取り指を握り、自分の指先と合わせる
なにやら蠢くモノがシャールカーニの指先からダークエルフの指先に渡っていき、消えた
「今のは【沈黙の呪い】と言ってな、呪いをかけた術者に聞かれたことに対して、虚言や無言を行うとその都度、足先から順に石化するのじゃ
繰り返していけば最後には全身石化して沈黙してしまうというわけじゃ
そういうわけじゃから、素直に話すのがよいと思うぞ?」
付け加えるように、釘を刺す
「ああ、【呪い】じゃから魔族の魔術ではどうしようもないのじゃ」
ルカ、大分えぐい魔術、もとい呪いじゃないかい?
闇森人はルカを睨みつけている
「ではまずはお前は誰じゃ?」
「・・・・・」
刹那、
「ぎゃあ!」
叫びとも痛みともとれる音を発し、同時にダークエルフの足先が灰色になる
石化、か
それも激痛を伴うとは、精神的だけでなく肉体的にも拷問としてもかなり厳しい
「言っておくが、答えるまでは同じ質問を何度でも続けるぞ?」
口を開こうとしたその時
「魔族王【ノワール】の部下、【マイカ】だ」
余程きつかったのだろう
そして、その返答を聞き全員ざわめく
当然だ
この【世界】には名前、という概念がなかったはずなのに、魔族には名前があった
驚きがないわけない
「ほう、そのノワール、とやらはどこにおるのじゃ?」
「・・・魔王城にいらっしゃる」
「魔王城の場所はどこじゃ?」
「・・・・・・・・・・・・」
悲鳴を上げて石化が進行するが、それでも言わない
「なるほど、では同じ質問を最後にしようかの
ここではなにをしていたのじゃ?」
「少し前に起きた魔素爆発の原因を調べていた
高い魔素濃度を感知したので領地にすべく調査していた」
もしかしてドラゴンが大暴れしたくらいの魔素量、だと3人娘が言ってたアレのことかな?
だったら原因は私らか
・・・・・今は黙っておこう
少々背中に伝うものがある
阿部ちゃんも目配せしてきてるから、同じことを考えているようだ
「他に聞きたいことはないかの?旦那様」
「どうやって森蜘蛛を操っていた?
他の魔族も生物を自由に扱えるのか?」
「だ、そうじゃ、答えよ」
「森蜘蛛とは【合体】で一つになって操っていた」
「【合体】?」
「そうだ、記憶から体の動きまで全てを理解できる魔術だ」
龍神族二人がなにやら深刻な顔で話をしている
「旦那様、少し話があるのじゃ」
二人の話では少し前にドラゴンの里がいくつか襲撃された話があるとか
ルカの集落は襲われなかったが、襲われた里では見たことがないドラゴンが襲ってきたとか
「いくつかのドラゴンの血族があって、いずれかの末裔に繋がるのじゃ
じゃからなにか一つは種族の特徴があるのじゃが、そのドラゴンにはどこにも特徴が見当たらなかったのじゃ
しかも我らのようにドラゴンの姿で立つことをせず、あまつさえ腕と足が無かったと
おまけに見たことのない魔法を使っていたらしいのじゃ」
「ですから皆も一体どこのドラゴンなのか?本当にドラゴンなのか?と考えあぐねていたのです
しかし、もしこの闇森人のような魔族がかかわっていたとすれば・・・」
でも、襲ったドラゴンがこの【世界】の生物じゃないとすれば、一体どこから出てきたのだろう?
おまけに立たないドラゴン
日本の竜のようなものじゃないのか?
昔ばなしに出てくる、蛇の上位種みたいな奴
「もしかして、じゃが」
一息おいて
「我らの知らぬ魔術でドラゴンを作ったのでは?とも考えるのじゃ」
なるほど
ただ、製作:でも生物は作れないって弥生さんは言ってたはず
違う魔術なのか、それともJC女神以外の女神が関わっているのか
なんだか厄介事が降って湧いたように思えるよ




