第68話「寝床は問題」
都市計画説明用に作った模型は、外にそのままだった
サイズがでかすぎて運搬するには難しいと思ってたが
ドラゴンなら持ち上げて移動させるのは可能ではないか?
そう思って頼んだはずだが・・・・・
「旦那様、ここに置けばいいのじゃ?」
「お、おお
頼むわ」
・・・旦那様呼びを直すのは諦めた
ルカが一人で持ち上げ
そのまま歩いてきて会議室まで運び込む
手伝う余地はなかった
あれ、多分軽自動車くらいの重量あったと思うよ?
女の子一人で持つ重さでも大きさでも絶対にない
見た目は美少女、中身はドラゴン
うーん、ファンタジーワールド全開ですな
ルカとニールには、模型を少し見て理解できるか試してもらう
「さて、と」
一から作るのも一瞬だが
既存模型の再利用も練習しておけば
魔術のイメージ精度が上がって何かの役に立つかもしれない
練習がてら、模型に大豚用の運動用トラックと遊び場を追加する
分解できるようにして地下部分のイメージがしやすいよう改良し
ヴェルーリアにも見て貰った
装甲車で一部分とは言え移動してるからか
スケール感は何となく掴んでいる様子
大豚のスケールモデルも作って
模型に置いて見せることで更にリアリティを上げる
こっちの説明は大雑把に伝えて
ヴェルーリアとの細部の詰めを阿部ちゃんに任せた
「空から町を見るようなものじゃの」
シャールカーニが町の模型を見て感想を言う
なにを表しているものなのか、理解できているようだ
「私共は空から見ますが
こうやって作り物で表すとは考えたことはありませんね」
やっぱりドラゴンにもモノづくりの文化はないのだろうか
「二人にいろいろ教えて貰いながら
群れのドラゴンを住まわせることができるか考えようか」
「わかったのじゃ」
元気よく満面の笑みでルカ返事をする
健康的に白く、艶々なギザ歯が似合いすぎ
龍神族となった二人も私らと同じく住めるのか?
ってのも不明なんだが、まずは残りのドラゴンか
二人を除いて16匹
魔牛より少し小さいくらいだが
羽根を広げればそれ以上になるだろう
自力で空も飛べるし
運動スペースは不要としても寝床は必要
トイレはどうするのだろう?
とかいろいろ疑問はある
それらを二人にストレートに問う
「寝床は少し広い洞窟があれば十分なのじゃ
鱗が強いから痛いとかもありゃせん
トイレじゃと?
人や獣と違って飲み食いしても
全部魔素にできるのじゃから要らんのじゃ」
なんと!トイレも不要なのか
「新陳代謝はあるのか?」
「なんじゃ?シンチンタイシャとは?」
軽く説明をする
「そうじゃな、鱗や牙、爪が生え変わる時くらいかの
めったにないのじゃが涙や汗
子を成したり生んだ時にも出すことは出すのぅ」
「寝床の掃除って、してる?」
「汚れたら寝床を変えればいいのじゃ」
ニールを見ると頷いている
「わかった
じゃあ、ドラゴンの寝床を確保だけはしよう
ただし、ここに住むのなら定期的に掃除はして貰うぞ?
あと、二人はドラゴンと一緒に住むのか
私らと同じく住むかも決めて貰らう」
そう告げて、模型に少々手を加える
農業区の地下に魔牛飼育場と同じサイズのスペースを作り
地上までの斜路を作る
これで出入りの一元化もできるってわけだ
「こんな感じにしておこうと思う
灯りは一部に光る苔を
洞窟から持ってきて使えないかな?
ダメなら電灯みたいのを考えるよ」
「光る苔はよいですね」
ニールが腕を組む
「あれが寝床にあると気が休まるのですよ」
へぇー
洞窟が明るすぎるって文句言ってしまってたけど
そういう効果もあるのか
「多い方がいいのかな?」
「そうですね、明るすぎる、ということはないと思います」
「貴重じゃから、我らの中でも力あるものが優先で
光る苔のある洞窟を寝床にできるのじゃ」
あれ?
「もし、でっかい洞窟が光る苔でいっぱいだったら?」
私らが最初に居た洞窟、全面光る苔張りでしたけど?
「そんなものがあるわけないじゃろ」
よし、わかった
どうせ食料もそろそろ考えなきゃいけなかったから
びっくりさせがてら一度洞窟に戻って取ってくるか




