第107話「時と場所を選ぼうね」
「あのさぁ、来るのはいいけどここ風呂なのよね?
全員素っ裸なんだけど?」
《君が頼みに来い、っていうからすぐ来たのに
その言い草はどうだろうねぇ?》
「レスポンスがいいのは褒めるけど、
時と場所を適切に選べっての!」
《次から考えるよぉ》
フレイアとヴェルーリアはぽかんとしていたが、
すぐさまデッキチェアーから降りて膝をついて
両手を握って拝みだした
「も、もしかして女神様ですか?」
JC女神は少し胸を張って
《そうだねぇ、そう呼ばれているよぉ》
「初めてお目にかかれました!
顕現していただきありがとうございます」
裸のままJC女神に祈るJKと美女って
なんかシュールすぎる
某宇宙戦艦にこういう人居たよね、 確か
異変を感じたのか、サウナ室からも全員出て来る
龍神族3人は二人と同じく、
JC女神を囲むように膝をつき手を握る
このスタイルがこっちの世界の祈り方なのかな?
「女神様でいらっしゃいますか?」
「お目にかかれて光栄です」
「なんと?女神様がいらっしゃったのじゃ?」
この長い生のドラゴンですら見たことがないってのは
特レア級のイベントなのだろうか
メイド隊と私はその光景を黙ってみてるだけ
「君たちは特に畏敬の念が生じるとか衝動とかないの?」
「女神様との認識はありますが、特にはありませんね」
白夜が答える
隠してない胸はまさにロケット
フレイアより・・・げふんげふん
『ご主人様の欲望はともかく、
女神様については私や葉月さんの情報を共有しているので
そこまで衝動に駆られるようなことはないようです』
前半は要らぬ情報ですよ?
てか、こういったやり取りは
メイド隊にリンクしてないよね?
『プライバシー関連は私だけで止めていますよ』
うん、今後もそうしてくれ
こんだけの眺望にまったく反応しないほど
枯れてはいないからね
他3名のメイドだって素っ裸、
ストレートに発生した感情を伝えられたら詰むかもしれん
しかし、女神像を作るにはちゃんと発注しろ!と言ったら
すぐ来るこのフットワークの軽さよ
《ボクの依頼をちゃんと聞いてくれるなら
いくらでも姿なんか現すけどねぇ》
「はいはい、像を作ればいいんですね?」
《祈る気持ちが力になってボクに還元されるんだよぉ
完全に忘れられると流石に弱ってしまうからねぇ、
この【世界】じゃ結構大変なんだよぉ》
「よく今まで元気で居られたね?」
《おねえさんとか仲のいい神から力を分けて貰ったりも
したんだよぉ
自給自足できればまだいいんだけどねぇ、
ここって生物自体少ないからさぁ》
なんか売り上げの悪い地域を担当させられた訪問販売員みたいなことを言い始めたぞ?
《君の世界の宗教法人みたいなのと違って、
神道みたいなのは神に直接伝わるからねぇ》
「それじゃあ、普通に女神像作って祈りを捧げれば
いいってこと?」
《それで充分なんだよぉ
むしろ変に管理団体とか作られると逆効果だからねぇ》
しみじみ言う
なんか、エリアマネージャーとかやってたのかな?
《一応生まれついての神だけどねぇ》
あ、やっぱり心の中にもツッコんでくるのね
てなことで、女神像を作ってみることになった
風呂なんですけど、みんながJC女神と私の話を
目も逸らさず見つめてるのでやらざるを得ないんだよね
《ボク、もう少し胸ないかなぁ?》
自分の胸を見下ろしながら持ち上げて、
女神像の出来上がりに不満を述べるJC女神
「ここにいる女性陣が凄すぎるだけで
私の世界だと十分普通以上だと思いますけど?」
《もうちょっとだけ盛ってほしいかなぁ》
「女神が盛るっていうな!」
思わずツッコんでしまった
自愛を持った感じに手を広げほほ笑むJC女神像
置き場が置き場だけに
まるっきりスーパー銭湯状態なんだけど、いいのかな?
《すーぱーせんとー、ってのが
なんだかはわからないけどさぁ、
とりあえず入る度に祈ってくれるだけでも
ありがたいんだよぉ》
「忘れがちですが、ここ男風呂なので
そんなに使用頻度多くないかもしれないよ?」
《女性風呂とか、人が集まるところあちこちに
作っておくれよぉ》
「はいはい」
《ところでお風呂、入ったことないから
ボクも入らせてもらってもいいかな?》
「はい?」
ヴェルーリアが顕現してるって言ったけど、
実体なの??
《今はまだ違うけど、伊達に神を名乗っていないのさぁ》
「これでいいだろぉ?」
後光は消えたが、肌と髪がうっすらと光っているような
JC女神が実体化した
素っ裸で
「あのさぁ、男女問わず羞恥心が皆無なのは
君の影響なのかな?」
「そうだねぇ、ボクはあんまり気にしないねぇ」
「それで衣服もあんなレベルだったんじゃない?
隠す気ないから貫頭衣って」
「うんうん、それも改善を期待するよぉ」
あっけにとられてた龍神族3人とフレイア、
ヴェルーリアが一斉に押し寄せる
「女神様がお風呂に入られるのですか?」
「お手伝いさせていただきます」
etc etc
凄いんだね、女神人気って
「ボクを崇拝してくれることを人気って言うなぁ」
「はいはい」
白夜にリーダーを任せてJC女神のお世話をしてもらう
嬌声とも違う、溜息交じりの声がずっと聞こえるのは
本当に女神が慕われているのだろう
どうしても最初の寝ていて起こしたら
不機嫌なイメージが強すぎて、そうは思えなんだが
すっかり冷えたのでまた風呂に入り直す
「本当に女神様の使いだったのな、旦那様は」
興奮が一息ついたのか、エメロードがルカを連れて
湯船に入ってきた
「まあ、見ての通りだね
使いっていうより仕事の依頼主って感じだけど」
「それでも凄いのじゃ
直接頼まれるなぞ光栄すぎるのじゃ」
そんなものかね
どっぼーん
水柱を上げてJC女神が浴槽にダイブしてきた
「ボクもこうやってみんなと直接話したり
触れたりする機会はないからねぇ
君が居なければ来ることもなかっただろうから
感謝しかないよぉ
お風呂なんか、この【世界】の人族に
文化としてはなかったからねぇ」
「浴槽で大の字になって浮くんじゃありません!
あちらこちらと丸見えですよ、女神様?」
ニヤリとしてこちらを見た
「ボクの艶姿を見せつけてるんだよぉ」
羞恥心欠如した世界な理由が、今はっきりと分かった




