第10話「3人娘の見目」
光が、勢いよくはじけ生じた逆光で
3つの人型らしき、シルエットが現れた
徐々に明度が落ち、全容がはっきり見える
1体目
すらっとした女性
赤のロングヘアーを、ポニーテールのように纏めている
その顔はめっちゃ小さく、まるで8頭身モデルのごとき
スレンダー美女
虹彩は金色なのか?少し光って見える
2体目
これまた女性
背が小さく、150cmくらいか?
身長に比べ、手足の筋肉がかなり発達してアスリートというより
ボディビルダー顔負けの、陰影はっきりの
メリハリボディ
髪は、肩くらいまでの金髪を、サイドで留めてる
虹彩は赤く、目自体が大きい
3体目
すらっとした男性
1体目のような細身でぱっと見には女性にも見えるような細さだ
ウェーブががって、ボリュームのあるショートヘアーは
深い藍色に見えるか
銀の虹彩だが瞳孔は、猫のように見える金色だ
3体とも、地球上の人間ではまず見ないであろう組み合わせ
JCが口を開く
『髪の長いのは賢者だよぉ
知識量と思考力は、多分この世界でもトップクラスだねぇ
背の小さい金髪は元妖精王だねぇ
こっちはそのまま、妖精の王だけどぉ
先代だからぁ、影響力自体はそれなりかなぁ
髪の短いのは、執事だねぇ
どこの執事だったかは言えないけどぉ
長だったから、生活の困りごととかは
お手の物だと思うよぉ?
しっかし、見事にみんな、女性だねぇ?』
は?
執事、と紹介されたのも女性だったのか??
口に出したり、自己紹介とかする前に
知れてよかったわぁ
思い込みはトラブルの元
くわばらくわばら
でも、JCには筒抜けだからか
こっちを見、少しニヤついた気がするのは気のせいか?
「どういうのイメージしたの?」
後輩に聞いてみる
「えっと、異世界物って、ハーレムなのがお約束じゃないですか?
だから、そう思っただけ、なんですけどね
・・・・・
いえいえ、男女比率が偏ってるからってこちらの生活で
男性である先輩を軽んじるつもりなんて、全くありませんよ?
・・・・・ええ」
なんか怪しいと思うのは
気のせいか?
まあ、女性が嫌いなわけはなく余程でなければ、楽しいだろう
それより
ぱぱっと手配してくれたのは良いのだが
どういう人?、ゴーレム?になってるのか
全く分からないのだけど?
『細かいことは抜きにしてぇ
君のイメージ通り、とりあえず、生体として
かなり強度のある体を作っておいたよぉ
いろんな能力はさておきぃ
君らがこっちにいてくれる3年間はぁ
トラブルなくサポートしてくれる程度にはぁ
いろんな意味で、強くなったはずだねぇ
それとぉ、彼女らはぁ、能力や魂、性別もそのままでぇ
体を新生した形になるからさぁ
魂と体、魔法体の3つが馴染むまではぁ
ちょおっと不自由があるかもねぇ』
JCは立て板に水のように、すらすらと説明してくれる
魔法体?
魂とか、新生した体はまだしも魔法体、ってなんだ?
『生物ってぇ、基本的にはさぁ
器となる肉体とぉ、生物の個として統括する魂とぉ
肉体と魂の形を同じくして、繋ぎ留める役割の魔法体
これら3つで構成されてるんだよぉ
本来、生物が生まれるとねぇ
この3つが組み合わされてくるけどぉ
生まれてすぐはぁ
どんな生物でもぉ、すぐにはぁ
親と同じ能力、出せないよねぇ?
親になるまでの期間ってのがぁ
その3つが馴染むのにぃ
必要な期間なんだねぇ
君ら人間はぁ、人によるけどぉ
10年以上かけてぇ、大人の体になるよねぇ?
あれが馴染んだ、ってことなんだよぉ』
つまり、大人になったという判定=3つが馴染んだということなのか
『そうだけどぉ
今回はぁ、生まれたわけではなくぅ
新たに作った体とぉ、肉体が滅んだ魂
それと一緒だったぁ、魔法体を使ってぇ
人を創造するわけさぁ
本来、10数年掛かる
3つのなじみってぇ
短縮って、できないんだよねぇ
創った体は特殊でぇ
魂と魔法体に合わせるようになってるからさぁ
普通に生まれた命よりもぉ、結構早くにぃ
全部の能力が使えるようになるよぉ』
思考を読んだらしきJCは説明を終えた
わかるような・・・・・
わからないような・・・・・
『・・・・・多分、ね』
なんか言ったか?
知らんぷりなのか
JCが続けた
『ああ、それと
君ら二人にはぁ
幽体ってのがあるんだけどさぁ
それだと
魔法が使えないんだよねぇ』
どういう理屈?
そう尋ねると
『魔法体ってさぁ、魂と肉体を繋いでぇ、魔法で使う魔素をぉ
体内や周囲から引き出すからさぁ
魔法体が無い君たちはぁ、魔法、使えないままなんだよねぇ』
これか、おねえさんが言ってたのって
生物としての構成が違ったら、そりゃ能力も変わるわね
『それでさぁ、少し変換作業すればぁいいんだけどぉ
大丈夫かなぁ?』
毎度のごとく、後輩と顔を見合わすと、
どうぞ
と言わんばかりに、手を差し出された
「それ
変換した場合、って元の世界に戻る時、問題にならない?」
JCは、掌を上下に振りながら答えた
『大丈夫だよぉ
君らの世界にはさぁ、魔力の素そのものがないからぁ
どっちにしてもぉ、魔法も魔術も使えないんだよねぇ』
説明はいいけどさ
その手の動き、なんとなく怪しいんだけど?
変換するデメリットは?
戻った時にデメリットない?
変換を無かったことにして、戻すことはできる?
「それって、どういう意味なんですか?」
後輩が不思議そうに尋ねた
現状の変更工事をするならば
不具合が出た場合、100%元に戻せるように
スタンバイしておくのは大事
特に今回は、事前に聞いておかないと、何かあった時
自分だけでなく、後輩にも被害が及ぶんだから確認は必要
『大丈夫大丈夫ぅ
互換性あるからさぁ
ほんとにぃ、魔力と魔術使えるようにぃ
書き加えるだけなんだからさぁ
もしダメならぁ、その書いたのを消すだけだよぉ』
なんか、プログラムの仕様追加に
コード書き足したり、消したりみたく
簡単に言うなぁ
まあ、デメリットがなければ問題なし、か
ってより、魔法などが使えないほうが
明らかなデメリットじゃない?
「魔法は必須だよね?」
後輩に聞いてみた
「当然!
折角、3年も異世界行くのに何が悲しくて
無能力で生きて行くんですか!!」
あれ?
君、キャラ変わってないか??
なんか、随分気合い入ってない???
「当然です!」
後輩は、腕組みして仁王立ちになり
こう言った
「私は!!!」
胸をそらし、力強く言葉を続けた
「魔法少女に憧れてたんですから!」
思わず黙ってしまった
沈黙が過ぎて、怖いくらいだよ




