策を考えた場合
すみません。
短いです。
オーブと蘭雪がいた部屋から出た三人は長い廊下を歩いていた。
フェリクスが胸の前で腕を組んで独り言のように呟く。
「あの話だと王都の勇者様が最大の壁になりそうだな」
オレールが怪訝な顔をする。
「やはり気乗りしないな」
「何言っているんだ、簡単なことだろ。おまえが紫依様の心の支えになれるところを見せればいいんだよ。おまえの強さを見れば頼りになると思うさ。紫依様の前では全力で戦っているところを見せてないんだろ?」
「その機会は無かったが……」
言いよどむオレールにカミーユが訊ねる。
「はっきりしませんね。何か気になることでもあるのですか?」
カミーユの言葉にオレールは二人を見てキッパリと言った。
「紫依様の魔力は私より強い。バルダの街に向かう途中で出会ったドラゴンを名前の交換せずに使役させたほどだ」
珍しく二人が揃って目を丸くする。
「ドラゴンを……まさか。歴代の勇者様でもそんなことが出来た人はいないぞ」
「確かにドラゴンは強く美しいモノを好むと言いますからね。それだけの強さがあるということですか」
「そうだ」
フェリクスが頭を抱える。
「可愛らしいだけなら良かったのに。あー……仕方ない。明日、紫依様を観察して作戦を考えるから待っていろ」
そう言うとフェリクスはスタスタと一人で廊下を歩いていった。
その後ろ姿を見てカミーユが笑う。
「ああ見えて慎重派なんですよね。観察して対策を立てるなんて……あっ!」
「どうした?」
「フェリクスは紫依の感覚が鋭いことを知っていますかね?オーブが言っていたのですが、尾行や追跡などはすぐに存在に気付かれるそうです。観察できる位置というと完全に気付かれる範囲です」
「そうなのか?」
「はい。注意事項という形で警告されました。敵意を出せば即座に叩きのめされると」
オレールとカミーユが顔を見合わす。
「まあ、フェリクスが紫依様に敵意を出すことはまずないだろ」
「そうですね。本人がやる気ですし、ほっときましょうか」
「そうだな」
二人はフェリクスを放置の方向で意見をまとめ、その場を離れた。




