対面?
「……だれ?ミツキはどこだ」
はい、一発でばれましたb
あの、とりあえず剣をしまってもらってもよろしいでしょうか。
声も出ないし、体も動かないんです。
美月ちゃんが帰ってきたと聞いた領主さんの特攻にあったわけですよ。
思いっきりタックルかまされて、間近で顔を見た後剣を突き付けられました。
「ミツキをどこにやった。なり替わろうとしても無駄だ」
ちょっともう何とかして。
隣の部屋で見守ってる二人と一匹!
にゃー
クロさんの声が耳元で聞こえたと同時に体に自由が戻ってきた。
「貴方の最愛の美月ちゃんは隣の部屋「ミツキ!!」……」
あれー、不審者放置ですか。
ちょっと駄目じゃね!?
二人とも今度はセキュリティとかさ、領主様の意識を叩き直すとかしたほうが良いよ。
隣から断末魔のような甲高い悲鳴が聞こえてきたけど、もう知らない。
だから嫌だったのよ。
《あきら、大丈夫?》
「クロさん、ありがとうね」
「あきらさん、大丈夫ですか?」
「大丈夫に見えるの?」
「すみませんでした」
スライディング土下座。
耐え切れなくなったんだろう、隣の部屋から出てきた樹くんに追い打ちをかける。
「だいたいさ、黒髪に黒目の女なら誰でもいいんでしょ的な考えからこんなとこに連れてこられて、惚気に当てられて、たまったもんじゃない」
「うん、そうだよね。でも美月はさ、ちょっと不安だったんだ」
一生懸命に説明する樹くん。
若干目が泳いでいるけど、しょうがない、許そう。
「いいよ、もう」
ぱっと上がった顔は驚きで目が大きくなってて、ちょっとかわいかった。
なので頭を撫でてみる。
おう、赤くなった。
素直に育ったのね。
「こっちで10年ってことは、あっちだと5・6か月くらいじゃない?計算間違ってたらごめんね」
「そんなもん?!」
「うん、だってこっちの一日があっちの一時間だって言ってるもん」
これが。
クロさんを指差す。
膝の上でクロさんはなんだかご機嫌が悪そうです。
しっぽでビシバシと足とか腕とかたたいてくる。
ついでに指差したら指をかまれた。
いたくないけど。
お互いに正座になって向かい合わせで座る樹くんはクロさんを凝視してる。
「ただの黒猫?じゃないよね?さっき俺たちの魔法といたし」
「嫌だって言ったのに、面白そうっていう理由で私を引っ張りまわす、好奇心旺盛なにゃんこです」
シャー……
クロさん何が気に食わないかわかんないけど、とりあえず樹くんの手を離そうか。
キレイな手が君の爪痕だらけになってしまうよ。
ま、君がそれで気が晴れるならどうぞ、存分にやってください。
あ、逃げた。クロさん追いかけます。
なんて主人思いなんでしょ。
彼をかわいそうなんて思いません。
許そうったて、完璧には許せないよね。