不仲?
「帰ってしまうんですか……」
捨て犬の様な瞳。
ちょっと罪悪感。
「あれを、一人で耐えるのはちょっと辛いですね……」
振り返れば何だかラブラブの領主夫妻(予定)
彼らの仲直り日(私の牢屋記念日)からはや2日。
もうそろそろ帰りたいんですけど。
二人の幸せオーラにやられ気味の樹くんが可哀そうに思えてきました。
「……どうなってるか分かんないけど、一緒に帰ってみる?」
樹くんの目が泳いだ。
考え込むように目を閉じた後、苦笑した。
「いや、元の高校生ってのも抵抗ありますし、成長した姿で帰っても居場所なんてないだろうし……。何よりアイツを一人で置いていくわけにもいかないから……だから」
遠慮しときますってすっきりした笑顔で言った。
多分、帰れたらって何度も考えたんだろうね。
置いてきてしまった家族や友達が気になるにはすごくわかる。
「じゃ、家族に手紙をお願いできますか?」
帰ったらポストに投函することを約束して、二人の手紙を預かる。
思ったより近い住所にびっくりして、地元トークを繰り広げちゃったりしたんだけど、やっぱり今時の高校生だったんだなって思える話が聞けて、ちょっと切なくなった。
「クロさーん、帰りましょ」
≪……うん≫
元気ない。
怒ってるかと思いきや何やら考え込んでいるようで、しきりに首をかしげている。
結局こっちにいる間にクロさんと樹くんは仲が悪いままで、樹くんと話してると不機嫌そうに鳴いてたっけ。
樹くんの方は何とかして触りたかったみたいだけど、反撃にあってた。
「どうしたの、なんか考え事?」
声をかければクロさんがゆっくりと私を見上げた。
青い瞳がきらきら光って綺麗。
≪なんか、面白くなかったんだ≫
「何が」
≪分かんないけど≫
にゃー
クロさんの一鳴きで世界が一転した。




