第7話 希望への道 〜親への説明〜
綾乃に伝えてから1ヶ月後
次は親に言わなければならない。
この1ヶ月綾乃と会っていた。
綾乃と会って笑いあって話す。ただそれだけで俺の心は少し楽になる。
綾乃と会うとき以外はいつも家にいた。家から出なかった。だから綾乃と会うときがとても楽しみだった。
綾乃と馬鹿な話をして一緒に笑える人がいる。ただそれだけで当たり前のように思っている事だが当たり前なんかじゃない。人がこんなにも温かいものだったと不登校になってはじめて知る事が出来た。
家にいても綾乃とメールをするだけで気持ちが楽になる。1人でいても独りにはならなかった。
1人は怖いだが独りはもっと怖い。
学校では1人ではないが独りなんだ。
だから怖かった。
しかし、綾乃がいる事で独りではなくなる。それがとても嬉しかった。
綾乃には勉強も教えてもらっている。
まだ進度に差があるから楽だ。
だがこれからはまた厳しくなってくるだろう。
でも綾乃と一緒なら頑張れる。
俺は今友達の大切さを感じた。綺麗事ではなく本当に友達というものは素晴らしかった。
「なあ親に言わないといけないのに勇気が出ない」
「でも頑張って勇気出さないと何も始まらないよ?」
「わかってるけど」
「裕太、頑張れ」
「…頑張ってみるよ」
「うん」
帰ったら親に言おう。そう決意した。
それも綾乃のおかげだ。つくづく綾乃には助けられている。またいつかは綾乃を助けられたらいいな。いや助けよう。そう思えた。
「あのさ、話があるんだけど」
「…転入したい」
また一歩前に進めた。
少しだが前に進めた。
着実に周りの景色が変わってきている。
俺はゴミ人間をやめられる気がしてきた。
いや絶対にやめよう。
そう心に誓って眠りにおちた。




