☆ ☆ 第42話 検索してはいけない
「ねえ、『検索してはいけない言葉』って知ってる?」
「あれでしょ? 変な動画とかウイルスが出てくるやつ」
「そうそう。あれのまとめサイトに最新の注目ワードが出たんだって」
「マジ? 調べてみようよ!」
パソコンを起動し、手早くキーを叩く少女たち。検索結果として現れたのは「お探しのページは見つかりませんでした」の文字だった。
「……なんだ。デマじゃん」
「だね。……あっ」
何の操作もしていないのに、パソコンの画面は暗転した。
マウスを動かしたりキーを叩いたりと試してみるがどれも反応がない。電源ボタンを押しても無駄だった。
諦めて立ち去ろうとした時、画面は光を取り戻した。そこにはアンティーク調の小洒落た扉の絵が表示されている。
その画面から動かすことができなくなり、少女たちは泣く泣くパソコンの使用を諦めた。
そろそろ直ったのではないかと画面を覗き込むと、そのたびに扉が少しずつ開いているのがわかった。
恐怖を感じつつも定期的に確認することをやめられない。
扉が半分ほど開くと、奥に西洋人形が見えた。
「あっ……」
少女の声に反応するように人形の目が光る。
一気に扉が開き、人形は少女たちを画面へ引きずり込んだ。
泣き叫ぶ少女たちに人形が微笑みかけると、それが合図のように扉が閉まった。
“ダカラ駄目ダッテ言ッタデショ?”